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住宅ローンコラム お役立ちマネー講座

頭金を準備する方法

2015年08月05日

物件を購入する場合、手元にはある程度の貯蓄があった方が安心です。今回は住まいを購入する前に行いたい家計の見直しや、資金の準備方法などについて考えます。

手元資金は物件価格の1~3割

不動産を購入する場合は、物件価格以外に「諸費用」がかかります。物件の種類などによって幅がありますが、およそ物件価格の3~10%程度です。4000万円の物件を購入する場合、120~400万円程度の現金が必要ということですね。

諸費用」とは、所有権などを登記するための費用、住宅ローンに関する事務手数料や保証料、火災保険料、仲介手数料(中古物件など、販売会社が売主ではない物件の場合に必要。物件価格の3%+6万円に消費税が上限)などのことを指しています。諸費用のためのローン商品もありますが、通常の住宅ローンに比べて金利が高いこともあり、できれば現金で支払うことを目指したいです。物件購入時には、少なくとも物件価格の1割程度の手元資金を確保しましょう。

また、一般的には物件価格の1~2割程度の頭金を準備すると住宅ローン返済が安全になると言われています。物件価格の90%を上限とするなど、全額は融資しない住宅ローンもあります。

希望の物件を見つけたときに、住宅ローンなどの条件であきらめなくて済むためにも、頭金を準備できると安心です。住宅ローンの中には物件価格の2割など、一定以上の頭金を入れることで金利を下げられる商品もあります。
有利な選択をするために、物件価格の1~2割の頭金も準備できれば理想的です。

最低でも諸費用分にあたる物件価格の1割、可能であれば頭金分にあたる物件価格の1~2割を合計した、物件価格の1~3割程度(4000万円の物件を購入する場合、400~1200万円)が、物件購入時に手元に準備しておきたい資金となります。

住宅購入は家計見直しのチャンス

このようなまとまった資金は、どのように準備するとよいでしょうか。住宅購入は家計を見直すチャンスになります。王道と言われている貯蓄術を試したり、住宅資金ならではの制度を上手に活用したりしましょう。

まず、貯蓄については「先取り貯金」を実践します。「先取り貯金」とは、お給料が振り込まれたら貯蓄するべき額をよけ、残りで生活をするという貯蓄法です。あまったお金を貯蓄するわけではないというのがポイントです。貯金上手の多くの方が実践している王道の方法です。

先によけるべき金額を割合で考えるならば、手取給与の10~25%を目標にすると良いでしょう。口座に振り込まれるお給料が30万円の場合、3~7.5万円が目安になります。独身や共働きであれば25%、子供が高校生など学費にお金がかかる時期であれば10%に近い割合で「先取り貯金」できるようになると素晴らしいです。

貯蓄に初めて取り組む方や、割合から算出した目標額が厳しく感じる方には、別の決め方もあります。まずは家庭で使っている銀行口座の通帳をじっくり見ながら、毎月必ずかかっている費用を洗い出します。そして、その金額を手取給与から差し引いた半分くらいの額から始めてみましょう。最初の貯蓄額は手取の5%程度と少なくなっても大丈夫です。

実は貯蓄額を決めるために通帳をじっくり見ることが家計改善につながるケースも多いです。通帳を見ていると、普段意識していなかった意外と割高な費用や、解約し忘れていた有料サービスなどに気がつくことがあります。こうしたものを見直すことで、はじめは5%程度だった先取り額を少しずつ増やしていくこともできるようになります。

このことは、少ないストレスで節約するためのコツである「節約は変動費よりもまずは固定費から」というルールにも通ずるところがあります。

「変動費」とは食費や交際費、被服費など、日々のお買い物で毎月使う金額が変わるお金のことをいいます。「固定費」とは光熱費や通信費、保険料など毎月の支払金額があまり変わらないお金のことをいいます。

「変動費」を節約しようとすると、買い物のたびに我慢をすることが必要になるため、ストレスを感じる回数が多くなりがちです。これに対して「固定費」の見直しであれば一度行うと、放っておいても節約生活が継続されます。そのため、貯蓄や節約を始める際には、まずは削れる固定費がないかチェックをして、その後に変動費を調整する方が取り組みやすいです。

住宅資金用の制度も上手に活用

先取り貯金の方法には、自動積立定期や、貯金専用口座を作って管理するなどがありますが、住宅資金については「財形住宅貯蓄」の併用も検討するとよいでしょう。「財形住宅貯蓄」とは、給料から天引きをして積立をする「財形貯蓄制度」の1つで、制度を導入している企業に勤めている方が利用できます。

この制度はお給料が振り込まれる前に積立金が天引きされるため、先取り貯金をするのにぴったりです。60歳以降で受取ることを目的とした「財形年金貯蓄」とあわせて550万円までの貯蓄残高に対して利子に税金が課されない点も有利です。

また財形貯蓄で積立を1年以上続け、残高が50万円以上あれば、住宅購入やリフォームのための融資を受けることもできます。会社によっては利子補給制度を導入している場合もあり、金融機関で住宅ローンを借りるより有利な場合もあります。

ただし注意点としては「財形住宅貯蓄」の場合、住宅購入以外の目的で払い出しをする場合は利子への課税が5年間、さかのぼって行われることが挙げられます。また、解約にも手続きが必要なため、いざというときに別の用途にすぐ使うということは難しくなります。貯蓄のすべてを「財形住宅貯蓄」で行うのではなく、貯蓄の一部、無理のない金額を設定することが大切です。

住宅購入はお金の動きを感じやすいため、家計改善するのにもよいきっかけになります。今まで気がついていなかった、自分が無駄だと感じるお金を発見できると、その後の家計がより豊かになります。

執筆者:風呂内亜矢(ふろうち あや)

ファイナンシャルプランナー
26歳・独身のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し賃料収入を得ている。テレビ番組のレギュラー出演など、各種メディアにてお金に関する情報を精力的に発信している。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。

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