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住宅ローンコラム 知っておきたい!住宅ローンの最新動向

住宅を購入するベストタイミングとは?

2015年03月09日

住宅を購入するベストタイミングについては色々と質問を受ける機会が多いのですが、そんな時私は主にふたつの側面を考えなくてはいけないと説明しています。

それは(1)ライフプランにおけるタイミング、(2)タイミングによる損得です。

(1)ライフプランにおけるタイミング

まず、ライフプラン上いつがベストタイミングかということについては、明確に「このタイミングですよ」とは答えようがないと思います。

例えば、マイホームに住む期間をできるだけ長くしたい方の場合は、いつがよいかと言われれば当然早めに買う方がよいと思いますが、それはプランナーに相談する以前にまずご家族で考えるべきことです。

また、出産や子どもの就学などのタイミングで購入しようとする方の場合は、子どもの成長というのは非常に大きな要素だと思います。ただそれゆえに、仮になんらかの要因を引き合いにして「今はベストではないですよ」とアドバイスを差し上げても、「それでも買いたい」という意思のほうが固いことがほとんどです。

つまり、ご家族によって「ベストなタイミング」は違うということです。ですから「いつがベストタイミングなのか」を悩むよりは、まずは「タイミングによって考慮すべきポイントが違う」ということに注意を払うべきでしょう。

家計的にお金の問題が起こるケースにはある程度パターンがあります。最も懸念されるのは、住宅を購入した後に、子どもの教育費と老後資金の準備ができるかどうかです。ご家庭によってはそれ以外に介護資金などの別の目的の資金が必要な場合もあるでしょう。年齢や環境によって収入が減少する可能性もあるならば、それもあわせて検討しなくてはなりません。

まずは、20代で住宅を購入する方について考えてみましょう。

年収が相対的に低く、未婚であったり、既婚であっても子供がいないか、あるいはまだ小さいことが多いでしょう。仕事も変わる可能性があり、今後のライフプランが変更になりやすい世代です。不確定要素が多いため将来について具体的に決めにくいのと同時に、さまざまな可能性を前向きに受け止めて、比較的楽天的な計画を立てがちな傾向があります。

○良い点
・家族構成に応じた家を検討するという選択肢を持つことができる
 (1軒目は中古マンションを購入、子供が大きくなったら郊外に一戸建てに買いかえる等)
・子どもの大学進学時期までに時間があり、ある程度余裕をもって教育費の準備ができる
・子どもが大学を卒業した後の時間がある程度長いため、その間に老後資金の準備がしやすい
・35年の住宅ローンであっても最大64才までに返済が完了するため、老後の生活が安心

●悪い点
・収入が十分に高くないことが多く、購入できる住宅の選択肢が限定される
・ライフプランの変更により、選んだ住宅が不適切となる可能性がある

必要な資金の支払いまでに十分な時間があることを活かし、将来のさまざまな変化を考慮したフレキシビリティの高い計画を立てることができれば安心でしょう。

次に40代で住宅を購入する方について考えてみましょう。

この先のライフプランがある程度見えていて、収入や家族構成に大きな変化はない可能性が高い方が多いでしょう。ただし収入は増えてはいるが、同時に支出も増えていることが多く、それにも関わらず家計の余裕度に対して負担の大きい計画を立てがちな傾向があるので注意しましょう。

○良い点
・収入が十分な水準であることが多く、理想に近い住宅の選択ができる
・ライフプランの変更が少ないため、選んだ住宅を変更する可能性も小さい

●悪い点
・子どもの大学進学時期までに時間がなく、教育費が不足する可能性が高い
・子どもの大学卒業後の時間もあまりないため老後資金の準備がしづらい
 (卒業前に退職している可能性もあり)
・定年退職までに返そうとすると返済額が高くなり、家計を圧迫する
・定年退職後まで借りると年金生活に不安が残る

子供の大学進学や自身の老後まであまり時間がない中で、住宅ローンの返済をしながら一方でそれらの資金をどのように準備をするのか、きちんと計画する必要があるでしょう。また、現在の家族の人数で過ごせる時間は限られていることも考慮に入れながら、ベストな住宅とは何かを考える必要がありそうです。

定年退職後まで住宅ローンが残るような計画を立てざるを得ない可能性も高いので、そのための対策も必要です。

(2)タイミングによる損得

住宅を購入するということはつまり、土地を買い、建物を買い、税金を払い、そして金融商品を買うことだと言い換えることができます。「土地と建物」については特に違和感がないと思いますが、「金融商品」という部分については、正確な認識をしている人は少ないかもしれません。

2015年2月27日発表の地価動向報告(国土交通省)によると、地価が上昇した地点の数は過去最多となっており、特に三大都市圏や駅、商業施設に近い生活利便性の高いエリアの売買が好調で、地価の上昇傾向が続いています。もちろん下がっている場所も全国的には多くありますが、人気エリアについては値上がりする可能性を考慮して選ぶのもひとつの方法でしょう。

建設費については、建材の価格上昇傾向に加えて人件費も上昇しているため、地域にもよりますが一般財団法人 建設物価調査会の「建築費指数」によりますと、住宅の建築費は前年同月比で約3%は上がっているようです。

消費税も2017年4月から2%の増税が決まっています。「土地と建物」の金額は、統計的にみれば、ほとんどの場合は1~3%程度の変化に過ぎないようで、実際にはそれぞれ数十万円程度での増減でしかありません。

それに対して住宅ローンの金利については、例えば2%の金利の変化は、総支払額に大きな影響を与えます。黒田日銀総裁は、2%の物価上昇を実現させるためには何でもやると宣言していることから、金利が2%アップする確率は十分に高いと覚悟をしておいた方がよいでしょう。仮に、借入金額3000万円、借入期間35年、元利均等方式であれば、金利をフラット35(2015年3月時点)の1.47%とし、2%上昇するだけで約1366万円のコスト増となってしまいます。

つまり、消費税の増税、不動産価格の変動、物価の上昇などの影響は相対的には決して大きくないのです。それよりも金利が上昇するかどうかということのほうが、最も重要な注意すべき「タイミング」です。

この異常とも言える超低金利が、損得という面から見れば、住宅取得費用を安く抑えるためには逃してはならない一つの「タイミング」であることは、どんなに強調してもしすぎることはないと思います。

執筆者:淡河 範明(おごう のりあき)

ホームローンドクター株式会社代表取締役。
住宅ローンアドバイザー。銀行、外資系証券会社を経て、1997年に住宅ローン専業のコンサルティング会社の同社を設立。家を購入するための資金計画づくりと住宅ローンの選択について、金融知識と実務経験を活かし、将来の生活にゆとりを築くための設計をするサポートしている。住宅ローンの著書5冊、日経電子版コラムの執筆など。

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