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住宅ローンコラム 高田先生に聞く!住宅購入マネー事情

短期間での返済が必要「定年まであと10年」編

2005年11月30日

ライフプラン別資金計画のポイントの5回目は、50歳前後で、リタイア前に住宅を取得したり、買いかえたりする場合です。この年代は通常定年まで残された期間が10年程度。老後生活資金のことも念頭に入れつつ、資金計画を立てる必要があることは言うまでもありません。
そして、実質の返済期間も10年程度と短くなることも特徴の1つです。今まで取り上げてきたライフプラン別の事例では、比較的固定期間が長いものを基本にしてきました。では、このように返済期間が短い場合はどのようなローンが適しているのでしょうか?
二人の子どもが独立したため、マンションの買いかえを考えている吉沢さんのケースで見ていきましょう。

老後資金準備に影響を及ぼさないように!

吉沢さんは、住宅ローンの支払いも終了し子どもの教育費負担も終了。老後へ向けて住宅の買いかえを検討しています。子どもの教育が終了してから定年を迎えるまでの数年間は、老後生活資金の準備を行うラストチャンスであり、ラストスパートをかける時期です。ですので、最も重要なことは現在は資金的に余裕があったとしても老後生活資金の準備に支障が出るような住宅取得にならないよう、まずは老後の生活設計を行ってから購入予算を決めるようにしましょう。
具体的には、退職金はどのくらいなのか、公的年金はどのくらいを見込めるのか、会社や社会保険事務所で情報を集めて検討してください。吉沢さんは、公的年金と加入し続けてきた個人年金、そして60歳の退職時の退職金でほぼ老後の生活は大丈夫だと判断しました。つまり、退職金には手をつけずに返済できる範囲内での資金計画を立てることにしました。

借入可能額はどのくらい?

現在、吉沢さんには毎月20万円、ボーナス時に150万円の余裕があるということが家計簿からわかります。年間390万円の支払いが数字上では可能です。ですが、これが支払えるのは定年までの8年間だけ。
年間390万円の支払いで、8年で完済できる額と考えると、金利3%で2,700万円程度の借り入れが限度と考えられます。収入を得ることができる期間が短い場合には、特に年数に注意して試算することが重要です。

返済期間は長めに取って、生活には余裕を持たすことも必要

定年までに完済することを目標としますが、吉沢さんが8年返済にして返済計画を立ててしまうと、毎年貯蓄がゼロの状態が続いてしまいます。これでは、万一何かあった場合に、お金がまわらなくなってしまいますね。
そこで、実際の返済期間は長めにし、貯蓄も手元に置いておくことも必要です。そして定年時にそれまで貯蓄しておいた金額で一括繰上返済を行い完済すれば、退職金には手を付けず、また老後までローンの支払いが及ぶということもなくなります。
返済プラン1 10年固定
このプランの場合、毎年の返済額は約212万円。390万円との差額178万円を貯蓄しておけば、60歳時の貯蓄は1,424万円となり、ローン残高の1,371万円を一括返済することも可能となります。実質8年で完済ですので、この間金利が上昇する心配もなく、計画的な返済が可能となります。

短期固定金利を利用することも可能

吉沢さんは、もともと8年で完済する予定です。このように返済期間が短い場合は短期固定金利の商品を利用することを検討するのも良いでしょう。
返済プラン2 5年固定
この例では、6年目に店頭金利が4.5%にアップし、適用金利が4.1%になったと想定しています。それでも、毎月の返済に困ることはなく、また返済プラン1と同様に毎年の支払可能額390万円との差額を貯蓄しておけば、約1,426万円の貯蓄を60歳までに準備できる計算になります。そうすれば、60歳時点でのローン残高1,384万円を一括繰上返済することも可能ですね。
このように、返済期間が短い場合には短期固定や10年固定の低い金利の商品を利用しても大きなリスクを抱えずにすみます。
定年までの期間が短い方にとっては、どのローンを選ぶかということより、いくらの借入額までなら老後に影響を及ぼさないのかを慎重に検討することが大切になるのです。

執筆者:高田 晶子(たかだ あきこ)

株式会社マネーライフナビ取締役。
ファイナンシャルプランナー(一級FP技能士)、宅地建物取引主任者、信託銀行不動産部勤務、 不動産コンサルティング会社を経て、1996年にFPとして独立、2010年より現職。 家計全般、保険の見直し、住宅購入など個人向け相談を中心に、 執筆、マネーセミナー、マネーコンテンツの制作等を行う。

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