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住宅ローンコラム 高田先生に聞く!住宅購入マネー事情

住宅ローンの返済が厳しくなったら

2009年12月14日

不況の影響を受け、残業代が減ったり、ボーナスカットなどから住宅ローンの返済が厳しくなってきた人が増えてきたという報道をしばしば耳にするようになりました。
このまま返済し続けるのは大変かもしれない、と思った場合には、早め早めに対策を講じていきましょう。

借り換えで返済額を抑える

返済が大変になってきたら、まずは家計の見直しをして節約できるところはないかを確認しましょう。生命保険の見直しや、携帯電話の基本プランを変える、ケーブルテレビの視聴料をカットするなど、毎月定期的に出ていく部分を見直すと節約効果が継続するので効果的です。それでも不足する部分は、食費など流動的な支出の部分の見直しになりますが、これらは我慢を強いられるところでもあり、長続きさせるのはつらいでしょう。
そうすると、住宅ローンそのものを見直さなくてはなりません。
まずは、毎回の返済額を下げることを最優先で考えましょう。毎月の返済額を下げるには二つの方法が考えられます。

(1)住宅ローンの金利が低いものに借り換える

例:現在の借り入れ 3,000万円を2.5%で借り入れ 元利均等返済、ボーナス返済なし、30年返済、3年が経過
当然のことながら、金利が低くなれば返済額は少なくなります。
この例では、1%程度下げることができれば、毎月返済額も約1.4万円少なくすることができます。ただし、注意点としては、金利タイプが変わる可能性が高いということ。当初2.5%で借り入れしていたものは、10年固定や、もしくはもっと固定期間が長いものかもしれません。一方、金利1.5%程度というのは、変動金利型の水準です。固定期間が長いものから、変動金利など、将来金利が変動するものへ金利タイプを変える場合には、今は返済額を抑えることができても、将来金利が上昇すれば毎月返済額や総返済額が増えることがあります。
当面の返済額を抑えることが最優先ですが、家計の見直しや収入アップも同時に検討し、金利上昇に備えることも大切です。

(2)返済期間を延ばす

住宅ローンは、基本的には返済期間を延ばすことができません。返済期間を延ばすということは、「支払えない」ということになるからです。このため、借り換えの際も、返済期間は現在の住宅ローンの残り期間内が原則です。このような事態をなるべく避けるためには、当初は長めに借りる、繰上返済も期間短縮型で行う場合には縮めすぎない、返済額軽減型も利用するということも心がけましょう。
ただし、昨今の経済状況などから、金融機関でも対応してくれることも多くなり、風潮は変わりつつあります。一部の金融機関では、借り換えの際に期間を延ばして借り換えすることも可能になってきています。
そのひとつが「フラット35」です。フラット35は、2009年6月より借り換えにも利用できるようになりました。借り換えの場合、「返済期間は15年以上で、(35年-今の住宅ローンの経過期間)以内、ただし80歳までに完済」となっています(詳細は以下のとおり)。
<フラット35を借り換えに利用する場合:借入期間>
15年(ただし、申込本人または連帯債務者の年齢※1、※2が満60歳以上の場合は10年)以上で、かつ、次の1または2のいずれか短い年数(1年単位)が上限となる。
1 「80歳」-「借換融資の申込時の年齢※1、※2(1年未満切り上げ)」

※1 年収の50%以上を合算した収入合算者がいる場合には、申込本人と収入合算者のうち、年齢の高い方の年齢を基準とする。

※2 親子リレー返済をご利用される場合は、収入合算者の有無にかかわらず、後継者の方の年齢を基準とする。

2 「35年」-「住宅取得時に借り入れした住宅ローンの経過期間※(1年未満切り上げ)」

※ 住宅取得時に借り入れた住宅ローンの借入日(金銭消費貸借契約締結日)から借換融資の申込日までの経過期間をいう。

期間を延長して借り換えを行うと次のようになります。特に当初は支払えると思って返済期間を短くしていた、繰上返済をして期間を短縮したという場合には、効果が表れやすいでしょう。
例:現在の借り入れ 3,000万円を2.5%で借り入れ 元利均等返済、ボーナス返済なし、25年返済、3年が経過
この例では毎月2万円以上の返済額の軽減が可能になりました。しかし、返済期間は10年延びていますので、いずれ繰上返済を行い、総返済額を減らす対策も講じていくことが求められます。
※フラット35の借換制度は、フラット35を扱う全ての金融機関で取り扱いしているわけではありません。借り換えを希望する時には、事前に金融機関に相談をしてください。
(1)の方法は金利リスク(※変動金利の場合)が高まり、(2)の方法は総返済額が多くなるという問題点はあります。しかし、もし、今現在が厳しいのであれば、まずは今をしのぐことが優先です。このような方法が取れることを知っておきましょう。
その上で、家計を見直す、世帯収入を増やすために妻も働くなどの対策を合わせて講じていくことが大切です。

執筆者:高田 晶子(たかだ あきこ)

株式会社マネーライフナビ取締役。
ファイナンシャルプランナー(一級FP技能士)、宅地建物取引主任者、信託銀行不動産部勤務、 不動産コンサルティング会社を経て、1996年にFPとして独立、2010年より現職。 家計全般、保険の見直し、住宅購入など個人向け相談を中心に、 執筆、マネーセミナー、マネーコンテンツの制作等を行う。

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