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2020.01.30

Kantei eye 【近畿圏】新築一戸建てと新築マンションの比較

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2019年 新築一戸建てと新築マンションを比較 立地選択の差が明確に表れる
新築一戸建ては徒歩10分以遠に広く分布
新築マンションは駅8分以内がボリュームゾーンに

新築一戸建て・新築マンション 供給立地の競合状況が価格差に大きく影響

最寄駅からの徒歩時間別に2019年1年間に新規分譲された一戸建て住宅と新築マンションの分譲戸数分布を見ると一戸建て住宅とマンションでは立地選択の差異が明確に表れる。(バス便物件を除いて25分まで集計)新築一戸建て住宅は徒歩時間については、2017年にこの分析を開始して以来一貫してほぼ正規分布している。2019年は10分の山が高くなる傾向となり、ピークは10分となっている。

10分以遠にも幅広く分布する傾向は首都圏・近畿圏・中部圏に共通して見られる。一戸建て住宅も駅徒歩条件とは無関係ではないものの、住環境や子育て環境の良さを求めて供給されることの多い一戸建ては、ほとんどが駐車場を備えていることから、車通勤を前提に購入する人も多いため、結果として駅徒歩10分を中心に幅広く分布することが可能となっている。

このほかの要因としては、駅周辺は、都市計画上高度利用や商業用途を主眼に置いた計画が採用されているエリアが多いことで、かえって一戸建て住宅が供給しにくい環境となっていることがある。しかし駅から大きく遠ざかると、仮に車通勤であったとしても家族(例えば子どもの通学等)の生活利便性において支障が出てくるため、一定の限界が生じて、10分が分岐点となっていると考えられる。

一方、新築マンションでは駅徒歩5分以内に強いこだわりを持って供給されていた様子がわかる。マンションは都市型住宅として駅近の価値が高く評価される傾向がある。そのためピークは8分であるが、1分、3分、5分、6分にも山があり利便性の基準となっていることがわかる。2019年には3分以内の山がより高くなっており、さらに駅近に供給しようとする結果がデータに表れている。

このような結果から一戸建て住宅の供給においては、新築マンションで起きているような供給立地の競合状況が起きにくいことは想像に難くない。

新築一戸建て住宅では土地面積が狭いことと、駅前立地に強いこだわりを持たない用地仕入れが行われている理由で、近年特に新築マンションと大きな価格差が生まれやすい傾向となっている。

2019年 近畿圏行政区別新築一戸建て平均坪単価ランキングと新築マンションの坪単価との比較

近畿圏は首都圏で見られたような東京都への極端な偏在は起こっておらず、大阪府15行政区、兵庫県5行政区、京都府10行政区とある程度の立地分散が見られる。ただし大阪府への偏在は確認されており、大阪市内の住宅利用も進んでいる。滋賀県や奈良県の行政区はランキングには登場していない。

ランキング上位はいずれも地価が高く、高額一戸建て住宅が供給される高級住宅街の立地する行政区が入るという特徴もある。1位は大阪市天王寺区で186.5万円であった。新規分譲戸数は前年の1戸から16戸に増加している。同区は前年も2位で人気住宅地を有する行政区であり、そのため価格も相応に高い。

大阪市の中心部における新築マンション価格の高騰で、新築一戸建てへのニーズが顕在化した動きの反映であり、首都圏同様に今後も都市中心部の一等地に一戸建て住宅を供給する動きが加速すると見られる。

2位は京都市左京区(177.9万円)、3位は京都市東山区(172.3万円)となった。2018年には左京区は3位、東山区は16位であった。

新築マンションの上位都市はいずれも新築一戸建ての価格においても上位となっているものの、大阪市内に供給されているマンションは投資効率が高いことが求められており、基本的には一戸建て住宅とは立地の競合が起こりにくいが、一戸建て住宅も一定の比率で投資に回る動きも見られることから、今後は立地が重なる傾向が出る可能性がある。

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提供:東京カンテイ
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