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2018.07.31

Kantei eye 2017年 中古マンションのリセールバリュー(首都圏)

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2017年にリセールバリューが最も高かった駅は「馬喰横山」の155.2%
対象駅の2割以上が100%超え
リセールバリューと相場賃料には明確な"正の相関関係"

首都圏平均は91.5%、同時期に新築分譲・中古流通した物件でも立地や交通利便性の違いで数値に大きな差

首都圏におけてリセールバリューが算出可能だった駅は683駅で、その平均値は91.5%となった。対象物件の分譲当時は概ねミニバブル期のピークである2008年よりも前であったことから、さほど価格高騰の煽りを受けてはおらず、またエリアや物件によっては直近にかけての上昇トレンドを背景に築後10年間を経た中古マンションであっても高値で売り出されるケースが増えており、資産価値の目減りは平均すると1割程度に留まる結果となった。

主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、青色で示されたリセールバリューが100%以上の駅(=新築分譲時の価格以上で中古流通している駅)は、都心部に相当するJR山手線の内側をはじめ、その周辺や湾岸エリア、城南エリア~川崎・横浜エリアにかけて多く分布している。

対照的に、都下や周辺3県の近郊~郊外エリアに行くほどリセールバリューが段々と低くなる傾向となっている。

首都圏では、一般勤労者の多くが東京23区内にある勤務先まで通勤しており、その交通手段としては主にJRや各私鉄などの鉄道路線を利用していることから、都心部まで短時間かつダイレクトにアクセスできる駅ほど居住ニーズが集まりやすく、リセールバリューも相応に高くなる特徴が色濃く出ている。

対象となった683駅の内訳を見ると、青色が154駅(シェア22.5%)、緑色が177駅(同25.9%)で、全体の5割弱の主要駅で首都圏平均のリセールバリューを概ね上回っていた。

なお、駅数では橙色の215駅(同31.5%)が最も多く、主にJR武蔵野線~南武線よりも郊外寄りに位置するエリアに多く見られる。

また、赤色も100駅(同14.6%)を数え、新築分譲時に比べて資産価値が3割以上も目減りしていた桃色は37駅(同5.5%)で、その半数が千葉県の郊外エリアに位置している。

首都圏RV 2017

ランキング上位には都心一等地の駅に加え、職住近接エリアや大規模再開発エリアに位置する駅が台頭

2017年に最もリセールバリューが高かった駅は、都営地下鉄新宿線「馬喰横山」の155.2%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて5割以上も上昇していたことになる。

新築分譲時のマンション価格が坪223.0万円と、JR山手線の内側に位置する駅よりも割安な水準であったことに加え、最近では職住近接エリアに対する居住ニーズの高まりを受けて、都心部(特に東京丸の内のオフィスエリア)へのアクセスが良好な点が改めて評価されており、結果的に資産価値の大幅な上昇につながったものとみられる。

同様の要因でランクインした駅としては、「岩本町」や「門前仲町」などが挙げられる。基本的に、ランキング上位には「表参道」や「六本木」など、JR山手線エリアの南側に位置し住宅地としての高い人気やブランド性も誇る駅が数多く登場しているのだが、それ以外には前述で触れた駅をはじめ、"ミニ都心"として良好な事業集積性や人口集積性を有する横浜エリア、大規模開発によってこの10年間で街のポテンシャルが向上して新たな居住地へと変貌を遂げた湾岸エリアからもランクインしている駅がいくつか見受けられる。

主要駅におけるリセールバリューと相場坪賃料(=最寄駅から徒歩10分以内、築10年~20年の物件からの募集賃料を基に算出)を散布図にグラフ化してみると、賃料水準が高いほどリセールバリューも高くなるといった"正の相関関係"にあることが確認できる。

また、グラフ上では駅毎での表面利回り(=「新築分譲時の価格」と「相場坪賃料」から算出)の違いを色分けしているのだが、賃料水準が同程度の場合には表面利回りが高いほどリセールバリューもやや高くなっており、この傾向は賃料水準が低い駅に比べて高い駅ほどはっきりと表れている。

表面利回りが高いということは新築マンション価格が賃料水準に対して割安に設定されていたことを意味しており、このグラフは「マンション購入に際して資産性を重要視する場合には、賃料水準が高く表面利回りも良好なエリアや物件を極力選ぶのが肝要である」ということを客観的に示唆しているのである。

首都圏RV 2017

いずれの価格帯でもランキング上位駅のリセールバリューは全て100%超え、価値向上には相応の要因

高価格帯の上位にランクインした駅の多くが都心部に位置しており、またそのアドレスを見ても千代田区の番町エリア、港区の3Aエリア(赤坂・青山・麻布)や白金エリアなど、全国的にも高級住宅地として広く知られている地名や駅名が名を連ねている。

これらの駅はJR山手線エリアの南側に位置し、十分な立地優位性や交通利便性を有していることはもちろん、高いブランド性やステータス性をも誇っていることから国内外の富裕層からの支持も高く、高価格帯の駅の中でも一段と資産価値が上昇しやすい傾向にあると言える。

中価格帯の上位にランクインした駅には職住近接の日常生活を送る上で利便性に強みを持っている特徴を見出すことができる。

東京丸の内や品川、横浜といったオフィス街に至近であり、他にも大規模再開発や新線・新駅の開業などによって生活利便性や交通利便性が大きく底上げさせられた湾岸エリアや武蔵小杉エリアに位置する駅が登場してきている。

これらの駅での資産価値の高まりについては、エリアポテンシャルの向上が大きく影響していることはもとより、今もなお続いている高額タワーマンションの供給が周辺の価格相場を押し上げていることも一因となっている。

首都圏RV 2017

中古マンションのリセールバリュー(価格維持率)について

竣工から10年間が経過した分譲マンション(本調査ではサンプル数を確保するために築後9年~11年の物件)のうち、現在中古流通している物件を抽出し、分譲当時の価格と現在の価格から算出した指数。

リセールバリュー(%) = 中古流通時の価格 ÷ 新築分譲時の価格 × 100

なお、専有面積 30 m2未満、事務所・店舗用のユニットは集計から除外している。また、駅毎で数値を算出するにあたっては一定以上のサンプル数を有する駅に限って掲出している。

首都圏RV 2017

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提供:東京カンテイ
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