マンション購入後は住宅ローンの支払い以外に、管理費と修繕積立金が毎月かかります。管理費と修繕積立金それぞれの使途や目安金額の計算方法などを紹介します。
管理費
マンションには各所有者が保有する「専有部分」と、所有者全員で共有する「共有部分」があります。管理費は、この共用施設の維持管理にかかる費用で、マンションの管理組合が、区分所有者から毎月徴収します。共有部分の清掃や電球交換など、日常的なメンテナンスの費用、コンシェルジュサービスなど各種サービスに伴う人件費、エレベーターの点検費用などが管理費から出されます。また、管理業務を請負う管理会社への報酬も管理費から支払われています。
管理費は、マンションの規模や設備・サービスのグレードにより異なるため相場は存在しません。管理費が納得できる金額か、共用施設や提供サービスの内容と照らし合わせながらよく確認しておきましょう。
<参考>
不動産経済研究所がまとめた2011年の「首都圏マンション管理費調査」によると2011年の首都圏マンションのm2当たり管理費単価は「216.43円」でした。
修繕積立金
マンションの将来の老朽化や故障にそなえるため定期的な点検と修繕が必要になります。
修繕積立金は、マンションの区分所有者が共用部分の大規模な修繕に備えて定期的に積立てしているお金の事で、管理費とは区別されています。修繕積立金の額は、物件ごとに定められた「長期修繕計画」に基づいて決められています。
修繕積立金の目安は、国土交通省のマンションの修繕積立金に関するガイドラインにある計算式で算出することができます。
修繕積立金の額の目安
<算出式> Y=AX (+B)
- Y:購入予定マンションの修繕積立金額の目安
- A:専有面積当たりの修繕積立金の額
- X:購入予定マンションの専有床面積(m2)
- (B:機械式駐車場がある場合の加算額)
・専有床面積当たりの修繕積立金の額(A)
階数/建築延床面積 | 平均値 | 事例の3分の2が包含される幅 | |
---|---|---|---|
【15階未満】 | 5,000m2未満 | 218円/m2・月 | 165円~250円/m2・月 |
5,000~10,000m2 | 202円/m2・月 | 140円~265円/m2・月 | |
10,000m2以上 | 178円/m2・月 | 135円~220円/m2・月 | |
【20階以上】 | 206円/m2・月 | 170円~245円/m2・月 |
・機械式駐車場がある場合の加算額(B)
B = 機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費(下表)×台数× 購入を予定する住戸の負担割合
機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費
機械式駐車場の修繕工事費 | 機械式駐車場の機種 (1台当たり月額) |
---|---|
2段(ピット1段)昇降式 | 7,085円/台・月 |
3段(ピット2段)昇降式 | 6,040円/台・月 |
3段(ピット1段)昇降横行式 | 8,540円/台・月 |
4段(ピット2段)昇降横行式 | 14,165円/台・月 |
修繕積立金の額(AX)の例
8階建てで、建築延床面積が8,000m2のマンションの、専有床面積70m2のマンションを購入する場合は、
目安の平均値
70m2×202円/m2・月= 14,140円/月
目安の幅
70m2×140円/m2・月= 9,800円/月~70m2×265円/m2・月=18,550円/月
となります。
機械式駐車場がある場合の加算額(B)
購入しようとするマンションに、2段(ピット1段)昇降式の機械式駐車場が50台分あり、購入を予定する住戸の専有床面積が80m2、マンション全体の専有床面積の合計が6,000m2(負担割合が80/6000)の場合
7,085円(月額修繕工事費の目安)×50台 × 80/6000 =4,723円
となります。