長期修繕計画とは
一般にマンションでは概ね10~12年の周期に大規模な修繕工事の実施が必要となります。
大規模修繕は、外壁の補修、屋上などの防水補修、鉄部塗装などが行われ、数ヶ月におよぶ工事となり、およそ1戸あたり100万円前後の費用がかかるとされています。
マンションの修繕工事には多額の費用がかかるため、実施時に一括で徴収すると各所有者に大きな負担がかかります。そのため、新築時~30年後までの期間を見通して、必要となる修繕工事の費用を積算し、毎月の修繕積立金を算出します。なお、長期修繕計画は、将来実施する修繕工事の内容、時期、費用等を確定するものではなく、一定期間ごとに見直していくことを前提としています。
修繕積立金の積立方法特徴
修繕積立金の積立方法は、均等に積み立てていく「均等積立形式」と、当初の積立額を抑え段階的に積立額を値上げする「段階増額積立方式」があります。分譲マンションの多くは、「段階増額積立方式」を採用しています。
それぞれの特徴や留意点は以下の通りです。
均等積立方式
■特長:
将来にわたり定額負担として設定するため、安定的な修繕積立金の積立てができる。
■留意点:
修繕資金需要に関係なく均等額の積立金を徴収するため、段階増額積立方式に比べ、多額の資金を管理する必要がある。また均等積立方式であっても、長期修繕計画の見直しにより増額が必要になる場合もある。
段階増額積立方式
■特長:
修繕資金需要に応じて積立金を徴収。当初の負担額は小さく、多額の資金管理の必要性が均等積立方式と比べると低い。
■留 意 点:
将来の負担増を前提としており、計画どおりに増額しようとする際に区分所有者間の合意形成ができず修繕積立金が不足する場合がある。
購入前に長期修繕計画をチェック
入居後、ローンの返済に加えて、毎月支払うものに管理費と修繕積立金があります。管理費はあまり変わることはありませんが、修繕積立金は5年ごとに行われる長期修繕計画の見直により、必要に応じて増額されていきます。
一般的に新築マンションの場合、当初の修繕積立金は分譲会社が設定します。先々の修繕積立金額の資金計画についても、長期修繕計画案に記載されているため、販売担当者に確認しておきましょう。