組織の力で、海外法人と日本の富裕層をグローバルマッチング

今回紹介するのは、ホテルレジデンスの事例です。ホテルレジデンスとは、ホテルに併設された居住エリアの部屋を一室単位で購入できる不動産のことで、一般的な不動産とは違った特徴を持っています。

■ホテルレジデンスの主な特徴

  • 1.ホテルを所有不動産にできる
  • 2.ホテルとして自己利用できる
  • 3.自己利用以外は賃貸に出して収益を得ることができる
  • 4.物件の維持管理はホテル側が行い、管理の手間がかからない
ラグジュアリーホテルの一室を所有し、好きな時に自己利用できるのはもちろん、使用しない期間は不動産収益が得られるため、近年関心が高い不動産です。

資産のニュースタイルとして注目のホテルレジデンスの取引について、また、当社が海外のお客様とのマッチングに強みを発揮する理由について、野村不動産ソリューションズ海外営業部の山口奈緒子が質問形式で答えます。

今回の事例概要

◆物件概要
所在地 近畿圏
土地面積 約6,000坪
建物概要
(一棟の建物)
鉄筋コンクリート造地下2階付5階建
延床面積:約10,000坪
建物概要
(専有部)
鉄筋コンクリート造1階建
床面積:83m2台~130m2
建物築年 2010年代
用途 ホテルレジデンス
◆売主様企業
業種 不動産開発・企画
備考 海外に本社を置く大企業の日本支社
◆買主様
属性 国内の個人(一部上場企業の経営者)

今回の取引の経緯は?

長期的な取引のある海外企業の物件に、ノムコム・プロからお問い合わせ

売主様は、海外に本社を置き、不動産開発・企画を行う大手企業の日本支社です。近畿圏に開発したホテルレジデンスの販売を当社に委託いただき、私が担当として販売をサポートしています。

買主様は、国内一部上場企業の経営者様で、個人のセカンドハウス用途で不動産を探していたところ、2020年10月下旬、インターネット経由で「ノムコム・プロ」サイト内にある本物件の特設ページを見つけ、お問い合わせをされました。電話やメール等で連絡を取り、約1カ月後の11月下旬に現地内覧という運びです。

どのような提案を行った?

価格交渉を試みながら、現地内覧へと繋ぐ

買主様とはメールや電話など、TPOに応じた手段を駆使して連絡を取り合い、信頼を得ながら、短時間でもスムーズなコミュニケーションを心掛けていきました。その過程で、買主様にある程度の予算イメージがあり、価格交渉を希望されていることが分かったのです。

一方、売主様としては、内覧によって購入に対する確度を上げたいというお考えがありましたので、内覧へ繋ぐことを伝えつつ、事前に価格交渉の余地を打診しました。売主様が海外法人であることを念頭に、双方が望む条件、スケジュールで取引できるように両者間の調整を図った点がポイントです。

買主様へは、価格交渉を試みることを前提に現地内覧へお繋ぎしました。内覧後、当日に購入申込書をもらえれば売主様に当日中に価格判断をしてもらえることを伝え、その場で購入申込書を受領し、売主様から、買主様の希望価格について即日承諾いただいたのです。

その後、諸条件の交渉・調整を経て、2020年12月初旬、無事契約に至りました。

取引にあたっての課題は?

売主様は海外法人、物件は富裕層に人気のハイグレード不動産

まず、売主様は海外に本社を置く法人のため、海外法人との不動産取引をスムーズに行わなければなりません。商慣習の違いや海外本社の決裁の必要の有無、決裁スケジュール等、海外法人との取引ならではの確認事項や留意点を念頭に進めていく必要があります。

また、本物件の買主候補は国内外の富裕層がメインターゲットになります。本物件の取引においては、富裕層のお客様にいかにダイレクトにアプローチするか、また情報提供や提案において、納得していただける高いサービスレベルが求められました。

成約の要因は?

先を見据えたこまめな報告で、双方にとって円滑な交渉に

売主様とは、週に1回の定例ミーティングを開催して、常に情報共有することに努めてきました。具体的には、買主候補となるお客様へのアプローチ実績や資料のアップデート状況を報告し、今後の販売についてご提案を重ねたのです。海外法人の場合は国内法人の取引よりも時間を要するケースが多くあります。こまめに報告を重ねていたからこそ、売主様も海外本社へタイムリーな報告ができ、内覧後の価格交渉に即日承諾いただける等、スピーディーに取引を進めることができました。

本物件で成約実績が出来たことで、より厚い信頼をいただけるようになり、売主様が企画開発している他の物件の非公開情報についても優先して依頼をしていただくようになりました。

また、買主様は経営者というお立場で非常に多忙でした。買主様が求められる情報を、適切なタイミングで的確にお伝えすることで、当社を信頼いただけたことも大きな要因だと思います。

高いサービスレベルを求めるお客様が多い中、当社の法人営業本部には富裕層のお客様に特化した部署(ウェルスマネジメント部)もありますので、こうしたお客様からの信頼関係を築く素地が組織的に整っています。そのために、本取引の買主様にもご満足いただけるサービスが提供できたのだと思います。

また、不動産会社が運営するサイトの中でトップクラスの知名度を誇るノムコム・プロを活用し、インターネット検索で本物件の特設ページを上位表示させることが出来た点も貢献しています。これにより、多くのお客様に本物件の魅力を伝える機会が増えたことは間違いありません。

海外営業部の強みは?

香港・シンガポールに拠点を置き、投資意欲の高い海外のお客様をマッチング

当社は、国内はもとより、香港・シンガポールにも拠点を置いており、現地の野村證券との協業や、駐在しているメンバーによる新規開拓により、日本の不動産取引に高い関心を持つ多くの海外顧客がいます。

香港・シンガポールでの現地対応など、東アジアを中心としたインバウンド需要にも対応

今回の案件のように、売主様が海外企業というケースのほか、買主様が海外の方というケースも多くあります。海外投資家は日本の不動産に対する関心度が非常に高く、特に都心の1棟マンションが人気です。世界的にみると日本の不動産はまだまだ割安感があるため、取引件数もかなり増加しています。

また、最近ではコロナ禍で海外からの渡航が難しい状況下であっても、オンライン面談やSNS等を駆使することにより、成約実績を積み重ねています。

法人営業本部および野村不動産ソリューションズの強みは?

高い総合力で、幅広いアセットタイプの取り扱いが可能

一棟マンション、ビルをはじめ、ホテル、工場や倉庫、土地など、法人営業本部の取り扱いアセットタイプは多岐にわたります。今回のようなホテルレジデンスや、海外投資家に人気の温泉旅館など、特殊な不動産も扱えること、また、上場企業をはじめとした国内外の法人、ファンドやリート、富裕層のお客様に対応しており、様々な事例からお客様への最適なソリューションを提供できることが強みです。

社内には法人営業本部の他にも個人の居住用物件売買仲介がメインの流通事業本部や、投資家や中小企業のお客様に仲介・コンサルティングを行うパートナー営業本部など、社内の他部署と連携することで総合的に不動産に関するサポートを行うことができます。

法人営業部内および他部署との密な連携で、あらゆる不動産を扱えるのが強み

最後に一言どうぞ

突き詰めれば、相手は一人のお客様

個人か法人かにかかわらず、私たちが関係を築くお相手は一人一人のお客様です。さまざまな連絡手段を駆使して、スピーディかつこまめな連絡を取ることで、お客様との関係が深化し、スムーズな取引が可能になります。コロナ禍を経て、非対面でのビジネス上のやり取りの有効性が認識され、今後より増えていくことでしょう。しかし、非対面だからこそ、丁寧さや正確さ、こまかなことでも確認を怠らない姿勢が、重要なのだと思います。

野村不動産ソリューションズでは、国内・海外、個人・法人を問わず、野村不動産グループとしての強みを発揮して、多様な不動産と多様なお客様をつなぎ、最適なソリューションを提供できる体制を整えています。CRE(企業不動産)で何かご不明な点やお困りのことがございましたら、是非一度お話をお聞かせください。ご満足いく、ご納得いただける提案をさせていただきます。

提供:法人営業本部 営業企画部

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