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片付け収納

どうしたら片付けてくれるの?ママと子どもの「お片付け」のコツ

毎日毎日散らかすわが子に悩むママ達のための、子どもと一緒に上手にすすめるお片付けのコツを紹介します。「親・子の片づけ教育研究所」理事の橋口真樹子さん監修のもと、マスターインストラクターがバトンをつなぎ、リレー形式でコラムを連載します。

リビングのママスペースのお片付け

今回は整理収納事例のご紹介。3人の子どものいるお宅のリビングのお片付けです。

お客様のご相談内容

子ども3人分の物があふれてリビングがごちゃごちゃしている。探し物も大変なのですっきりさせたい。

・夫(45歳)
・妻(44歳)
・長女(15歳・高1)
・次女(10歳・小5)
・長男(7歳・小2)
・お住まい 58m2・1LDK・築16年のマンション(持家)

リビングは約17畳と広めですが、5人家族で暮らすお宅としては決して広くはありません。
LDK以外の一部屋は寝室ですが、夜はリビングにも布団を敷き二部屋に分かれて寝ています。
子ども部屋はないため、子どもの勉強机は3台ともリビングにありました。

リビングの様子です。壁・窓面に沿って子どもたちの勉強机とピアノが配置されています。

どこから始める、何から始める?

お母様のリクエストは、「リビング全体をすっきりさせたい」とのことでした。

子ども達それぞれのテリトリーは明確。物は溢れているけれど小さなスペースに頑張ってまとめています。

カラフルで雑多な子どもの物は目につきがちですが、子どもに片付けて欲しいなら、まずはお母様がお手本を見せる事が一番。子どもスペースは後日全員で一気にやる事にし、まずはお母様スペースを片付けることにしました(子どもスペースのビフォア・アフターは今後のコラムで別途ご紹介します)。

リビングにはママが改善できるスペースがたくさん

リビングは家族が集まる場所。文房具やお薬、家庭の書類などの「共有スペース」がたくさんあります。共有スペースとはいえ、一番よく出し入れするのは家事の主担当であるお母様。つまりこれらのスペースはお母様が一人で判断しやすい場所なのです。

このお宅のリビングにも、そんなスペースがありました。

天井までの壁面収納の中身は、カメラ・ビデオカメラに過去に撮った8ミリテープの山、学校行事の写真の数々、ありとあらゆる家庭の書類にお薬、文房具、ガムテープや工具、電池、掃除グッズ、アイロンなど。

カウンター下の棚は、仕事をされているお母様の過去の資料や本、パソコン関係の備品や文房具、そして3人の子どものお絵かきなどが入っていました。

ソファーの裏にあるこの収納スペースは非常に出し入れしづらい場所。年月と共に「保管するだけの場所」になっていました。背表紙が見えない本達が使っていない事を物語っています。

お片付け作業の具体的な手順

1.便利な収納スペースを確認する
ソファー裏のカウンター下収納は使いやすい便利なスペース。ソファーでふさぐのはもったいない場所です。「ソファーをもう少し前に移動するだけでも使える収納になりますよ」とお伝えすると、お母様は「ソファーはこの機会に処分します」との事。古くてかなり傷んでいたソファーは、ご主人も以前から手放したがっていたそうです。

「別にいらないんだけど・・・」と思いつつ、捨てるのがおっくうになっている大物家具。お片付けサービスでは結構見かけますが、皆様のお宅にはありませんか?
気にかけ続けるのはきっぱりやめて、ぜひ「最後の一押し!」を。「もっと早くやればよかった!」と思えるほどのすっきり感と便利が手に入りますよ。

2.定位置を決める
実際のお片付け作業を始める前に、定位置=「何をどこに収納するか」を大まかに決めます。お片付けサービスで伺うお宅では文房具、お薬やマスク、電池やポケットティッシュなどが、あちらこちらの引出しから出てきます。そんな時にはまず「お薬とマスク類はこの引出し、文房具やポケットティッシュはあの引出しに入れましょう」と決める事が大切です。

定位置決めの基本ルールは「使う場所の近くに」と「よく使う物をより取り出しやすい場所に」。「どこに片付けよう?」と迷ったら、「これはどこで使ってるかな?」、「これはよく使う、それとも時々しか使わない?」と考えてみましょう。
今回のお宅ではお母様の仕事関連の物をカウンター下、全員が使う日用品全般を壁面収納に、と元の場所をキープする事にしました。

3.収納スペースの中身を出して仕分ける
いよいよ実際の作業開始。収納スペースの中身を全部出して仕分けていきます。
この時に大切な事が三つ。

一つ目は「物を広げるスペース」を確保してから始める事です。棚の中に入っている時には気づきませんが、中身を全部出して広げるにはかなりのスペースが必要になるのです。

二つ目は「もともと室内に出ていた物」を隔離する事。例えばリモコン類やその日の郵便物、子どもが持ち帰ったばかりのプリントなどはすぐ必要になる可能性が高いので、他の物と混ざらないようにしましょう。

三つ目は「全部」出す事です。記憶にもないような「ゴミ」が出てきて、大幅に物が減る可能性があるのです。
広げるスペースが限られている時は、「まずは棚3段分だけ全部出す」など、空にする収納スペースを小分けにしながら進めましょう。

仕分け作業の際には、家で余っているかごや箱、紙袋やジッパー袋などの収納グッズを出しておきましょう。同じグループの物をまとめておくのに役立ちます。

4.適切なグッズを用意し、決めた定位置に戻す
仕分けが終わると、各ジャンルの物の総量が把握でき、新たに必要な収納グッズのサイズや個数が分かるようになります。まずは自宅にある物で仮置きし、買い換える際はサイズを測って計画的に買いましょう。

今回の作業では書類用の紙製ファイルボックスと100円ショップの白いプラスチックかごを使いました。ブルーシートの上で仕分けた書類や小物を、仕分けたグループのままかごやファイルボックスに入れます。かごやボックスにはお母様やご家族が判断しやすいカテゴリー名を考え、ラベルを貼ります。ピンクのラベルシールは簡単にはがせるものなので、変えたい時はいつでも貼りかえられます。「ここで決まり!」と思えたら、キレイなラベルで見た目をアップさせるといいでしょう。

毎日使う物を探すことなくスムーズに出し入れできると気分がいいですし、家事や探し物の時間が短くなります。

浮いた時間を「自分時間」にして、ぜひ日々の暮らしをもっと楽しんでください。

橋口 真樹子 (はしぐち まきこ)

お片づけカウンセラー/社団法人 親・子の片づけ教育研究所理事

夫のアメリカ留学を実現するため夫婦そろって退職、家財の9割を手放し2歳の娘を連れて渡米。留学中に「いつ来てもきれいな家」と評判になり、お片づけのアドバイスを求められるように。帰国後に整理収納アドバイザーの資格を取得、「家族まで片づけスイッチが入る」お片づけカウンセリングや「手軽な工夫がすぐ真似できる」自宅セミナーが好評。 

ブログ: 「幸せな毎日のための整理力」 
http://seiri-ryoku.jugem.jp/

著書:「ひと声かければ5分で片づく!子どものお片づけ」(青月社)

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