【飯田橋】JR「飯田橋」駅改良や再開発でビジネス拠点へと進化を続ける街
JR中央・総武線各停と東京メトロ東西線・有楽町線・南北線、都営地下鉄大江戸線という5路線が乗り入れる「飯田橋」駅は、交通の要衝として多くの乗り換え客が利用しています。
かつて、「飯田橋」駅周辺は昔ながらの街並みが広がっていましたが、近年は複数の再開発が完成を迎え、都心のビジネスの拠点という役割を担う街に進化してきました。2020(令和2)年のJR「飯田橋」駅改良に続き、周辺では現在も複数の再開発が進められており、さらなる利便性向上が期待されています。
JR「飯田橋」駅は1928(昭和3)年に「牛込」駅と「飯田町」駅が統合されて誕生しました。しかし両駅の中間の急なカーブの途中につくられたため、電車とホームの間に大きな隙間があり、さまざまな安全対策が講じられたものの線路上に転落する可能性は残されたままでした。
そこで抜本的な解決策として行われたのが「ホームの位置の変更」です。急カーブ区間にあったホームを「新宿」駅寄りの直線区間に約200m移設する工事が進められ、2020(令和2)年7月に供用開始となりました。これにより安全性が大きく改善されました。
ホームの移設に合わせて西口では駅舎の建て替えも行われ、エキナカ商業空間「エキュートエディション飯田橋」も開業しました。小規模ながらも、デリカを中心に展開するグローサラント型業態「プレッセ飯田橋デリマーケット」や、ゴディバが展開するカフェの国内2号店「GODIVA café Iidabashi」、パリバゲットコンクール2度優勝のブーランジェリー「ル・グルニエ・ア・パン」など魅力的なラインナップとなっています。
さらに2021(令和3)年7月には、西口駅舎の2階から「江戸城外堀史跡」を見渡せる「史跡眺望テラス」もオープンしました。史跡解説版も設置されており、気軽に立ち寄って江戸の歴史や文化に触れられる面白いスポットとなっています。
近年、「飯田橋」駅周辺では多くの再開発が行われ、利便性の高い街へと進化してきました。JR「飯田橋」駅の東側、富士見二丁目の再開発は2009(平成21)年に完成し、約1.0ヘクタールという敷地に地上38階建て 、416戸の住宅棟「プラウドタワー千代田富士見」と地上17階建ての事務所・店舗棟が誕生しました。
この再開発地区は「良質で優しくにぎわいのある街になるように」という思いを込めて「飯田橋プラーノ」と名付けられ、事務所棟の1階から3階には「プラーノモール」としてスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどが入るショッピングゾーン、和食やインド料理などの飲食店が入るレストランゾーンも設けられています。
2014(平成26)年には、JR「飯田橋」駅西口の南側にあった「東京警察病院」跡地を中心に行われていた飯田橋駅西口地区の再開発も完了し、オフィスと商業施設からなる地上30階建ての「飯田橋グラン・ブルーム」と地上40階建ての住宅棟「パークコート千代田富士見 ザ タワー」、さらに教会棟が誕生しています。再開発地区全体の名称は「飯田橋サクラパーク」とされました。
商業ゾーン「飯田橋サクラテラス」にはスーパーマーケットやコンビニエンスストアのほか、飲食店、フィットネスクラブや音楽教室も入っています。また、教会棟は1887(明治20)年に創立された長い歴史を持つ「日本基督教団 富士見町教会」となり、未来に伝統を受け継いでいくことになりました。自然の光が差し込む大礼拝堂にはパイプオルガンの美しい音が広がります。
これらの再開発の完成で、飯田橋周辺に暮らす人々やここで働く人々もより高い利便性を享受できるようになりました。
「飯田橋プラーノ」と目白通りの間の一角は、JR「飯田橋」駅と東京メトロ東西線「飯田橋」駅前に位置し、多くの人々が行き交う場所でありながら、広場空間が不足するなどまちづくり上の問題を抱えていました。
そこで、飯田橋四丁目と富士見二丁目にまたがる約1.0ヘクタールを対象に、「駅前広場一体型複合都市拠点の形成」をまちづくりの目標に掲げ、飯田橋駅中央地区の再開発を行うことになりました。2015(平成27)年度に再開発準備組合が設立され、現在は都市計画案を協議中、2026(令和8)年以降で計画が進められる予定です。
この再開発ではオフィスや住宅、ショッピング施設を併せ持つ再開発ビルが誕生するほか、JR「飯田橋」駅と東京メトロ東西線「飯田橋」駅の間に立体的な駅前広場として「駅前プラザ」を整備し、その周辺にゆとりのある歩道状空地を配置、これに面してショッピング施設を展開することでにぎわいを演出する計画になっています。
この計画には「飯田橋プラーノ」の開発にも携わった野村不動産も事業協力者として参加しています。「駅前プラザ」は災害時の帰宅困難者の一時待機スペースとしても機能することになっており、暮らしの利便性向上に加え、安全面でも多くのメリットをもたらすことでしょう。
また、目白通りを挟んで東側の「飯田橋駅東地区」でも再開発事業が進んでいます。約0.7haの敷地に、オフィス・商業施設・公共施設などからなる高層ビルが建設される予定で、2023(令和5)年着工、2026(令和8)年の完成を目指しています。
「飯田橋」駅周辺ではこれ以外にも複数の再開発が計画されており、さらに便利で快適な街へ進化することが期待されています。
- 掲載日
- 2022/06/24
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。