【御茶ノ水】アカデミックな雰囲気漂う、永き歴史を有した文化都心

「御茶ノ水」周辺は「明治大学」を中心に、日本最大級の学生街として知られています。JR中央線・総武線と東京メトロ丸ノ内線・千代田線が交わる都内有数のクロスターミナルであり、また「東京医科歯科大学」「順天堂大学」などの付属病院が集まる医療の街としても有名です。
また御茶ノ水から神保町にかけての界隈は、「本の街」として古書店や大型書店・出版社が集中するエリアでもあります。学生街と相まって、アカデミックな空気を醸し出しています。この知の集中ぶりは、「文化都心」と呼んでも過言ではないでしょう。
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御茶ノ水界隈は「明治大学」や「東京医科歯科大学」「順天堂大学」「日本大学」「専修大学」など、有名大学が集中する、アカデミックな雰囲気にあふれています。パリの学生街にちなんで「日本のカルチェ・ラタン」と呼ばれる、日本を代表する学生街です。
学生街の中心に位置し、御茶ノ水を代表するスポットでもある「明治大学」は1881(明治14)年創立、140年以上の歴史を持つ大学です。1998(平成10)年に完成した高層校舎のリバティタワーは、御茶ノ水・神保町のランドマークとして親しまれています。2009(平成21)年10月には大学図書館としては初となる漫画・サブカルチャーの専門図書館「明治大学米沢嘉博記念図書館 」が開館、一般にも開放されています。
また御茶ノ水界隈には、「東京医科歯科大学」や「順天堂大学」「日大付属歯科病院」など、大学病院が集まる”医療の街“という顔もあり、医療施設の充実度は都内有数のものとなっています。
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2013(平成25)年度からJR中央線「御茶ノ水」駅の聖橋口の整備が進められましたが、2023(令和5)年12月3日から新しい聖橋口駅舎と改札口の使用が始まっています。
これまで、「御茶ノ水」駅は東に聖橋、西にお茶の水橋、南には神田川、北には擁壁と四方を囲まれており、再開発が難しいという現状がありました。神田川上に工事用桟橋を設置するなど、環境的課題を解決しながらの工事の末に駅舎が完成、改札内にはエレベーターやエスカレーターが設置され、バリアフリー化を実現しました。
駅舎内には「エキュートエディション御茶ノ水 」がオープンし、ベーカリーやそば店、コンビニエンスストアなど暮らしに身近なテナントがそろっています。2024(令和6)年度末に向けさらに10以上のショップが展開予定となっているそうです。今後も多くの人々に愛される駅として発展を遂げるでしょう。
さらに、千代田区と連携して進められている聖橋口前の駅前広場の整備も行われており、更なる利便性の向上が見込まれています。
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日本最大級の学生街であり古書店街でもある御茶ノ水・神保町界隈には、友達と語ったり本をじっくり読むのに最適な喫茶店が充実しています。
1949(昭和24)年創業の老舗「ラドリオ」や、東京初の紅茶専門の喫茶店「Tea House TAKANO」、アルゼンチンタンゴとともに珈琲を味わえる「ミロンガ・ヌオーバ」など数多くの名店がひしめいています。
その中のいくつかを紹介しましょう。レトロな趣の店内が特徴の「さぼうる」は、学生や編集者、買ったばかりの古書にかじりつく人などが思い思いの時間を過ごしています。壁には学生によって書き込まれたたくさんの落書きがあり、中には学生運動の時代のものと見られるものもあり、時代を感じさせてくれます。
また、2022(令和4)年3月に閉店してしまいましたが、本格的な味わいと上質な雰囲気で人気のカフェチェーン「上島珈琲店」の1号店が誕生したのもこのエリアです。美味しいコーヒーや数少なくなった純喫茶の雰囲気を楽しみたい人にとっては充実してひと時を過ごせる街といえるでしょう。
たまの休日に、ゆったりした時間に身をまかせて、喫茶の名店で読書に耽るのも良いのではないでしょうか。
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神保町を貫く靖国通り沿いを中心に広がる「神田古書店街」は、世界最大の古書店街として多くの人々を集めるスポットです。「東京大学」や御茶ノ水の学生街にも近いことから、明治時代より書店や出版社が集中するエリアでした。
多くは小型の店舗ですが、それぞれが文学・哲学・自然科学・社会科学・洋書・演劇などの専門店であり、その専門性の高さと充実振りは凄まじいものがあります。街すべてが大きな図書館のようなエリアです。他にも「三省堂本店」や「書泉・東京堂書店」などの大型新刊店もあるため、本探しにはもってこいの場所となっています。
また周辺には「小学館」「集英社」「岩波書店」などの出版社も集中しており、まさに「本の街」といった感があります。秋には「神田古本まつり」や「神保町ブックフェスティバル」などのイベント も開催されており、本に詳しくない人でも楽しいひと時が過ごせることでしょう。
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本の街である御茶ノ水周辺には、なぜかカレーのお店が多いことで知られています。一説には、このエリアにカレー屋が多いのは、カレーライスなら本を読みながら片手で食べられるため、といういかにも本の街らしい理由がささやかれています。
実際に30店舗近いカレー専門店が集まる御茶ノ水・神保町界隈。中でも、とてもスパイシーで本格的な味わいな「エチオピア」や、ここでしか味わえない独特な味の「スマトラカレー」を提供する1924(大正13)年創業の「スマトラカレー共栄堂」、欧風カレーの老舗「ボンディ」など、多くの老舗・名店が集う一大カレースタジアムとなっています。
また専門店ではないものの、洋食屋の「キッチン南海」の真っ黒なルーに浸ったチキンカツカレーも、この界隈で学生生活を送った人にはなつかしの味ではないでしょうか。
カレーと切っても切れない関係の御茶ノ水。本探しの後のカレー巡りもおすすめです。
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江戸開府以来400年以上の歴史を重ねてきた御茶ノ水界隈。江戸時代には大名屋敷や旗本屋敷が軒を連ねる、今でいうところの「高級住宅街」でした。
周辺には、江戸三大祭りの一つである神田祭で有名な「神田明神」や「日本の学校教育発祥の地」としても知られる受験生の神様「湯島聖堂」など、往時を偲ばせる歴史的なスポットも充実しています。
明治時代には当時の先端知識であった法律を学ぶ学校がこの地に集中し、またロシア風のファザードが印象的な「東京復活大聖堂(ニコライ堂)」が立てられるなど、文明開化の一拠点としての歴史もあります。
そんな歴史ある御茶ノ水界隈に、特にゆかりが深いのが夏目漱石です。彼は現在の明治大学近くにある「錦華小学校(現・千代田区立お茶の水小学校)」の卒業生であり、またその後も本郷や根津といった御茶ノ水の近くに住んだことで知られています。
- 掲載日
- 2024/07/22
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。