北千住エリアは、江戸時代、旧日光街道・奥州街道の宿場町「千住宿」として栄えていました。「千住宿」は、旧東海道の品川宿、旧中山道の板橋宿、旧甲州街道の内藤新宿（現在の新宿）と並んで江戸四宿として数えられ、その中でも最大の人口を誇っていました。現在、旧日光街道は「北千住サンロード商店街（宿場町通り）」としてにぎわっていますが、今でも宿場町であった歴史を垣間見ることができます。

「千住宿」は、1689（元禄2）年に松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出発した場所としても知られています。芭蕉はここで「行春（ゆくはる）や鳥啼魚（とりなきうお）の目は泪（なみだ）」と詠み、およそ半年の旅に出ました。現在もエリア内には芭蕉の句牌などが点在しているほか、エリア南に位置する「千住大橋」には芭蕉の像などが展示されている「千住宿奥の細道プチテラス」や地漉紙(じすきがみ)問屋・横山家の内蔵を移築したギャラリー「千住宿歴史プチテラス」などもあり、歴史散歩を楽しむことができます。

2004（平成16）年、「北千住」駅前に「北千住マルイ」を核テナントとする複合商業施設「千住ミルディス」が開業しました。併せてペデストリアンデッキも設置されたことで駅と各ショッピング施設が直結し、利便性はさらに高まりました。また、駅の東西には多くの商店街も延びており、大型ショッピング施設から個人商店までがそろう、理想的な買い物環境が広がっています。

エリア南にある京成本線「千住大橋」駅前では、大規模複合タウン「ポンテグランデTOKYO」の開発が順次進行中です。2014（平成26）年4月にはショッピングセンター「ポンテポルタ千住」も開業しました。

また千住一丁目地区の再開発によって、2020（令和2）年には超高層マンション「千住 ザ・タワー」も誕生しました。高さ100m超えの建物は足立区では初となり、低層階には商業施設や保育園が併設されています。

このほか「北千住」駅東口駅前エリアについても準備組合が設立されて再開発事業の検討が行われており、さらなる発展が期待されます。

「北千住」駅は、2005（平成17）年、つくばエクスプレスが開業したことにより、JR常磐線、東武スカイツリーライン（伊勢崎線）、東京メトロ日比谷線・千代田線と合わせて5つの路線が通る一大ターミナル駅となりました。JR常磐線を利用すれば「上野」駅や「柏」駅へダイレクトアクセスできるほか、東武スカイツリーラインは東京メトロ半蔵門線と相互直通運転を行っているため、「北千住」駅から渋谷方面へのアクセスもスムーズです。つくばエクスプレスで「秋葉原」駅などへも乗り換えなしでアクセスできます。

東京メトロ日比谷線を利用すれば「銀座」駅や「恵比寿」駅、東京メトロ千代田線を利用すれば「大手町」駅や「表参道」駅など、都心部へのアクセスも便利です。また、「北千住」駅の南には京成本線「千住大橋」駅や「京成関屋」駅があるため、成田空港へ1時間程度で行くことも可能です。

このように北千住エリアは各方面へのアクセスにも優れており、生活拠点として人気が高まっています。宿場町の名残や人情味あふれる商店街文化を残しながら、再開発によりさらなる進化も予想され、今後ますます魅力が高まることが期待できるでしょう。