【名古屋・栄】リニア開通が追い風。久屋大通公園を中心に進む栄エリアの再開発
近年、名古屋市内では2027(令和9)年のリニア中央新幹線開業を見据えた再開発や大規模プロジェクトが進められ、新たな魅力が誕生しています。
とくに、リニア中央新幹線が乗り入れるJR「名古屋」駅周辺では、1999(平成11)年に竣工した「JRセントラルタワーズ」を皮切りに多くの再開発が行われてきました。
2002(平成14)年には駅周辺が「都市再生緊急整備地域」に指定され、開発は加速しています。近年では「大名古屋ビルヂング」、「JRゲートタワー」「JPタワー名古屋」といった高層ビルが多数誕生し、これらの高層ビルにはオフィスやショッピング施設、ホテルなどが入ることで、JR「名古屋」駅周辺はビジネス街や名古屋市の玄関口としての機能が高まったといえます。
2014(平成26)年にはリニア中央新幹線の実施計画が認可を受け、現在は2027(令和9)年の開通を目指して工事が進められています。リニア中央新幹線が開通すれば東京や大阪など他都市とのアクセスはさらに向上するため、JR「名古屋」駅周辺のポテンシャルの高さに改めて注目が集まっているのです。2021(令和3)年には「名古屋三井ビルディング北館」が開業し、今後も駅前では名鉄名古屋駅地区の再開発が目白押しです。
古くから商業施設が立ち並び、名古屋の繁華街として発展してきた栄地区。商業施設だけでなく、「久屋大通公園」や「オアシス21」、「名古屋テレビ塔」と、JR「名古屋」駅周辺とは異なったスポットが点在していることも特徴です。
そんな栄エリアも、近年ではJR「名古屋」駅エリアの勢いに押されがちの印象が強く、リニア開通を控えたこの時期に、さらなる魅力向上を進めることが必要になってきていました。
このような背景から名古屋市では、2013(平成25)年に「栄地区グランドビジョン―さかえ魅力向上方針」を策定し、(1)公共空間の再生、(2)民間再開発の促進、(3)界隈性の充実という3つの方針のもと、新しい栄のまちづくりを進めることを定めました。
このビジョンを実現するための重要な取り組みとして進められているのが、「久屋大通公園整備運営事業」です。この事業は、公園を含む久屋大通を中心に、東西南北の地区あわせて5万平方メートルにもなる公園の整備を行い、歩道の整備や商業施設の誘致などを進めるもので、北エリア・テレビ塔エリア・南エリアの3つに分けられた「久屋大通公園」を順次整備していきます。
整備にあたり名古屋市はPark-PFI制度、指定管理者制度を活用し、公園施設の整備や管理運営を行う公募を実施しました。2018(平成30)年2月に、三井不動産を代表とする団体が事業者に決定し、発表された整備運営事業計画のもと、事業が進行しています。
工事は2019(平成31)年1月に着手され、全事業終了は2038(令和20)年を予定しており、公園そのものを開発する事業としては日本で初めての事例とされています。
また、栄地区のシンボルである「名古屋テレビ塔」も生まれ変わりました。 1954(昭和29)年に開業した「名古屋テレビ塔」ですが、耐震改修工事のため2019(平成31)年1月に一時休業、2020(令和2)年9月にリニューアルオープンしました。
従来の展望台のみならず、4・5階部分にホテルが、3階は出会いと交流をテーマにしたショップやカフェ、エンターテインメント施設、2階は公園を一望できるレストランがオープンしました。またネーミングライツにより呼称が「中部電力 MIRAI TOWER」に変更されました。
「松坂屋 名古屋店」、「名古屋丸栄本店」など百貨店が集まり、東海地方を代表するショッピングタウンとしてにぎわってた栄エリアでは、商業施設の建て替えや、開業も予定されています。
栄交差点の北西側「日本生命栄町ビル」跡地に再開発商業ビル「BINO(ビーノ)栄」が2020(令和2)年11月に開業し、ソニーストアや飲食店、高級時計店などの店舗がオープンしました。
また、同じ栄交差点北東側でも開発を予定しており、こちらは「大丸松坂屋百貨店」と市有地を合わせて、2024(令和6)年度竣工・開業予定で開発することになっています。
そのほかにも「中部日本ビルディング(中日ビル)」は31階建ての複合ビルへの建て替えや、2018(平成31)年に惜しまれつつ閉店した「丸栄百貨店」の跡地に商業施設「マルエイガレリア」が2022(令和4)年5月に全館開業しました。
久屋大通公園を中心にして新たな賑わいが生まれている栄エリア。これからも、さらなる賑わい増加が期待されています。
- 掲載日
- 2019/10/15
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