【武蔵小山】品川区西の玄関口、駅前4地区での再開発が進む
東急目黒線「武蔵小山」駅周辺エリアは、地形的には武蔵野台地の東端にあり、良好な環境に恵まれています。「武蔵小山」駅周辺は、品川区の中でも目黒区との境界付近に位置し、都心にほど近く利便性の高いエリアです。
このエリア内には1923(大正12)年に目黒蒲田電鉄の「小山(現・武蔵小山)」駅が開業した後、戦後に区画整理が行われ、住宅地として発展を遂げました。「武蔵小山」駅の東側と南側に広がる碁盤の目状の街並みは、この時の区画整理により整備されたものです。近年は再開発により新しい商業施設やおしゃれなグルメの店も増え、洗練されたベッドタウンに成長しています。
2006(平成18)年、東急電鉄が東急目黒線の立体交差事業の一環として行った「不動前」駅〜「洗足」駅間の地下化に伴い「武蔵小山」駅も地下化され、2面4線化になりました。
2009(平成21)年には、駅前広場が完成し、南北の行き来など地上交通が改善されました。さらにその翌年の2010(平成22)年には、スーパー「東急ストア」やカフェ、雑貨店などが入居する「武蔵小山」駅の駅ビル「etomo武蔵小山」がオープンしたことで、駅前の利便性が向上しました。
品川区も、武蔵小山エリアを区の西の玄関口と位置づけ、駅を中心に、エリア北側の「林試の森公園」や南側の戸越銀座方面との連続性も踏まえて将来像をまとめた『武蔵小山駅周辺地域まちづくりビジョン』を2011(平成23)年に策定しました。
また、「武蔵小山」駅の南側は、「武蔵小山商店街パルム」といった商店街の周辺に、狭い道路や敷地に、木造の建物が密集するなど、防犯上の課題を抱えていました。こうした背景もあり、2004(平成16)年に駅前地区が「東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく街並み再生地区」に指定されて以降、地区計画や前述の『まちづくりビジョン』の策定を行い、まちづくりを進めてきました。
再開発は、「武蔵小山駅前通り地区」「武蔵小山パルム駅前地区」「小山三丁目第1地区」「小山三丁目第2地区」の4地区に分けて進行しています。
駅南側の「武蔵小山パルム駅前地区」は、駅前再開発の第1号プロジェクトとして、約0.9ヘクタールを対象に行われた事業で、建物は2020(令和2)年1月に完成・開業し、再開発事業も完了しています。この地区では、三井不動産レジデンシャル、旭化成不動産レジデンスにより開発が行われ、地上41階、高さ142mの「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」を中心に、飲食店、雑貨店、保育園など30店舗以上が入居する低層棟「ザ モール」、駅前広場と一体的につながる「ザ プラザ(広場)」などが整備されました。
これにより、商業施設がさらに充実しただけでなく、新しい保育所の開設、大型駐輪場が整備されるなど、駅前の利便性がさらに向上しています。
また、広場は防災上の観点はもちろん、イベントやお祭りでの利用など周辺コミュニティをはぐくむ役割をもつ場所としても期待されています。
「武蔵小山パルム駅前地区」の東側に位置するのが、「武蔵小山駅前通り地区」です。この地区は、「武蔵小山」駅の南東側に位置し、目黒線の線路に沿って延びる「駅前通り」沿いの約0.7ヘクタールを対象に、住友不動産株式会社により事業が進められていました。
事業は、地上41階建ての超高層タワー「シティタワー武蔵小山」と商業施設や公共施設などが入る中層棟、低層棟で構成され、駅前通りに沿って商業店舗や広場が配置されたほか、中層・低層棟には、地域センターなども整備されました。2018(平成30)年に着工し、2021(令和3)年に完成しています。
駅前地区の2地区に続いて整備が進められているのが、「小山三丁目第1地区」「小山三丁目第2地区」です。
この2つの地区は都内最長全長約800mのアーケード商店街「武蔵小山商店街パルム」が地区中央を通っており、商店街沿い両脇に広がるエリアとなっています。
駅前の2地区が指定されていた「東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく街並み再生地区」に、「武蔵小山賑わい軸地区」として2019(令和元)年12月に同じく指定されたことを受け、魅力的なまちづくりが進められています。
現在は、両地区とも都市計画策定に向けて事業計画の検討を行っている段階です。
11.8ヘクタールが対象となる第1地区では、地上39階の高層棟と地上3階の低層棟に住居、店舗等が整備される計画を検討されており、着工は2023(令和5)年度、竣工は2028(令和10)年の予定です。
第2地区でも2018(平成30)年に再開発準備組合が設立され、都市計画策定に向け検討が進められています。
駅南側を中心に進化を続ける武蔵小山エリアの魅力が、今後さらに増すことは間違いなさそうです。
- 掲載日
- 2020/04/27
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。