「町田市地域防災計画」は、地震災害や風水害をはじめとする自然災害および大規模事故等への対応を定めたもので、「予防」、「応急対策」、「復旧・復興」の各段階に応じて具体的に記載されています。

災害予防計画の章では、災害発生前に行うべき対策として「災害に強い人をつくる」、「災害に強いまちをつくる」、「実践的な応急・復旧対策を確立し非常時に備える」ための施策を体系化し、町田市で必要な災害予防策を具体的にまとめています。

また応急対策の章では、それぞれの対策項目について、地震については災害発生直後から、風水害については気象警報発表など災害発生が予測される時期から、（警戒期→）初動活動期→応急活動期→復旧活動期というように時間経過に沿って整理しています。

なお地震については、東京都が想定する4タイプの地震のうち、町田市に与える被害が大きく、かつ今後30年以内の発生確率が70％で対策が急務とされる「多摩直下地震（M7.3）」の被害想定を軸として、防災計画の検討を行っています。この地震による町田市での揺れは、市域の北～中央にかけて震度6強、市南部で震度6弱と想定されています。

町田市防災マップ（町田・玉川学園地区）

「町田市防災マップ」は、市内の避難施設・避難広場をはじめ震災時医療拠点、救護連絡所、災害時給水ステーションなど、地震に関する防災拠点の場所などを示したものです。

地図面は、市域を7地区（町田・玉川学園地区、南地区、成瀬・高ケ坂・成瀬台地区、鶴川地区、忠生・木曽地区、小山地区、相原地区）に分けて、地区ごとに作成されています（上図は町田・玉川学園地区のもの）。自宅から避難場所等へのルートを書き込みながら家庭内で情報共有しておくとよいでしょう。

また、裏面には「地震発生時・時系列行動の目安」、「こんなときはどうする？」、「非常持ち出し品一覧」、「町田市からの情報伝達」など、地震発生時の指針となる内容が掲載されています（全地区共通）。

町田市洪水・土砂災害ハザードマップ（町田地区）

「町田市洪水・土砂災害ハザードマップ」は、大雨などによって、町田市内を流れる各河川の氾濫や雨水管からの浸水が予想される区域および浸水の深さや、土砂災害で被害を受ける恐れのある区域、風水害時の避難施設などを示したものです。

地図面は、市内を5地区（町田地区、南地区、鶴川地区、忠生地区、堺地区）に分けて作成されています（上図は町田地区のもの）。風水害時の避難施設は、前述の「防災マップ」で示されている地震災害時の避難施設とは異なりますので、どちらも確認しておきましょう。

学習面には、大雨などに備えて自分がとる防災行動を時系列的に整理できる「マイ・タイムライン」のほか、日頃から風水害に備えるために必要なお役立ち情報が掲載されています。

町田市防災WEBポータル

町田市では2023（令和5）年6月1日から、防災に関する情報を集約した「町田市防災WEBポータル」の運用をスタートしました。ここでは、町田市内で発生した災害に関する緊急情報や、大雨・洪水等の気象情報、地震情報、避難情報、避難施設の開設状況およびその混雑状況などを見ることができます。

浸水予想区域や土砂災害（特別）警戒区域などを示した「町田市WEBハザードマップ」や、市内の天気、気象情報、関連サイトリンク集など、平常時から活用できるコンテンツもあるので、ブックマークして緊急時に備えて使い慣れておくとよいでしょう。

このほか、「町田市メール配信サービス」に登録しておくと、町田市防災行政無線で放送された内容や防災情報、気象注意報・警報、地震情報（震度4以上）を受け取ることもできます。受け取り方はLINEまたはメールのいずれかが選択できます。

まちだ防災カレッジポータルサイト

町田市では2022（令和4）年度から新たなリーダー育成事業として「まちだ防災カレッジ」をスタートさせました。これは近年増加傾向にある大規模災害に対して「自助」「共助」を推進していくためのもので、「一人ひとりが防災リーダーだ！」をキャッチコピーに、さまざまな講座を実施しています。

「まちだ防災カレッジ」は、「まなぶ」講座と「とりくむ」講座の2つをベースにしています。

「まなぶ」講座では、防災に関する基礎的な知識を学習します。町田市や東京都、NPOなどが開催している勉強会や講座、ワークショップなどの情報が多数掲載されており、個人や家庭で気軽に参加することができます。

「とりくむ」講座では、町田市が毎年テーマを決めて地域の課題を解決するために実践した活動を紹介しています。「在宅避難」のテーマのもとでは、高ヶ坂・成瀬地区の「災害時のトイレと給水体験」、町田第五小学校エリアの「アウトドア防災キャンプ宿泊体験」などの取り組みが紹介されています。

「まちだ防災カレッジ」ポータルサイトではこのほか「地域」として、市内71の避難施設関係者連絡会などの活動状況も掲載しています。

町田市では自助・共助を強化するためのこうした新しい取り組みを含め、災害に強い人づくり・まちづくりを目指してさまざまな施策を推進しています。