【京都市東山区】歴史を紡ぐ古都に新たなスポットが続々と誕生

東山区は京都市都心部として、祇園や三条京阪周辺の繁華街など、時代を超えて賑わうエリアです。一方で鴨川や東山連邦など自然も豊かなエリアとなっています。清水寺、銀閣、東福寺、三十三間堂など観光資源も充実しており、日本のみならず世界各国から人が集まります。そんな東山区では更なる魅力の創出を目指して、再開発が進行しています。

京都市東山区は、西に鴨川、東に東山連邦を望み、北は三条通、南は十条通から稲荷山北麓に囲まれる南北に長い区域です。区の東部は自然豊かな森林、西部は住宅、北部の東大路通と鴨川の間に暮らしを支える商業地域があります。一方で南部の鴨川沿いには準工業地域が広がっている特色豊かな区です。
世界中から人が集まる観光資源の充実にも注目です。世界文化遺産の清水寺をはじめ、有名社寺や史跡、名勝のほか、国宝、重要文化財などがたくさんあります。産寧坂地区や祇園新橋地区の景観は、伝統的建造物群保存地区に指定されており、美しい街並みが残されています。
五条坂から泉涌寺付近を中心に作られる京焼・清水焼は、京扇子や京漆器とともに京都の伝統産業として高い評価を受けています。歴史の一部となったような街並み、上質な伝統文化を身近に感じながら、心地よく過ごせる住環境が京都市東山区エリアの魅力と言えるでしょう。

伝統を現代へと受け継ぐ京都市東山区において、再開発が進行中です。京阪ホールディングス(HD)が有する京阪電鉄「三条」駅東側の社有地に、高級ホテルや飲食店が入る複合商業施設が誕生する予定です。同エリアは1987(昭和62)年まで京阪本線の駅舎があり、1997(平成9)年まで京津線の駅舎が地上にありましたが、現在駅舎は地下化され、駐車場として利用されています。
これまで再開発が進まなかった要因として建築物の高さ制限が挙げられます。三条大橋から東山を望む場所は、景観への配慮が求められる地域で、鴨川沿いで12メートル、鴨川から離れるにつれ15メートル、20メートルなど、建築物の高さが厳格に制限されていました。2024(令和6)年12月、同エリアが内閣府の「都市再生緊急整備地域」に指定されたことで、高さ制限や容積率が緩和され、計画が実現することになったのです。
この再開発計画では、京阪「三条」駅と市営地下鉄東西線「三条京阪」駅にはさまれた約6400平方メートルの敷地に、地上6階・地下2階の建物を整備する予定で、2029(令和11)年の開業を目指しています。東山区の新たなランドマークとして、更なる発展が期待されます。

2011(平成23)年3月に閉校した「京都市立新道小学校」の跡地の活用計画も進行中です。同校の閉校後、エリアの花街文化の発展と新たな賑わいづくりを通して、更なる地域の活性化を目指せること、新道児童館の存続と、地域住民が集い交流できる場所を確保することなどを主な要望とし、活用案を募ってきました。
2021(令和3)年9月、「元新道小学校跡地活用計画」を進めることを京都市と新道自治連合会の三者で締結しました。具体的には、元新道小学校跡地にホテルを新築し、小学校と共存してきた宮川町歌舞練場も同時に建て替えます。小学校の面影を一部継承することで、地域の方々が守り続けてきた歴史と文化の継承に寄与し、新たな人の流れを生む回遊性のある街づくりを目指します。
設計監修は隈研吾建築都市設計事務所が担い、2025(令和7)年に「カペラ京都」を開業予定です。建物規模は、ホテル棟は地上4階地下2階建て、歌舞練場棟は地上3階地下2階建ての施設となり、ホテルはスイートルームを含む92の客室のほか、レストラン、宴会場、スパを完備します。日々の暮らしに高揚感を与えてくれる新たな施設の誕生が、今から楽しみです。

京都市東山区だけでなく、近隣の区でも再開発が進んでいます。東山区の南にある伏見区では、2024(令和6)年3月末に閉校した「京都市立伏見工業高校」の跡地など約4万平方メートルの敷地の開発が計画されており、住宅や商業施設、交流スペースなどが誕生する予定です。
東山区の西に位置する下京区では、2021(令和3)年に阪急京都本線「京都河原町」駅に直結する大型商業施設「京都河原町ガーデン」が開業し、新たな賑わいのスポットとして定着しています。7、8階には寿司、うなぎ、京懐石、天ぷら、焼肉、韓国料理などが楽しめるフードホールとなっています。
世界から注目される大都市は今後も発展し続けることでしょう。
- 掲載日
- 2025/03/31
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