【新宿】世界屈指のビッグターミナル「新宿」駅を中心に、大きく変貌を遂げる街

1947(昭和22)年3月、旧四谷・牛込・淀橋の3区が統合して誕生した新宿区。東京23区のほぼ中央に位置し、1日の平均乗降客数世界一の「新宿」駅を要する同区は常に変化を続けています。交通利便性はもちろんショッピング、レジャーと賑やかな反面、曙橋や四谷、初台など落ち着いた住宅街も広がります。今回は、進化を続ける新宿エリアの再開発の今をご紹介します。

新宿区では土地を健全かつ高度な都市機能の更新を図るために再開発が進められています。特に、低層の木造建築物が密集し火災の延焼リスクが高いエリア、道幅が狭く緊急時の避難などの弊害になるエリアなど、防災面や居住環境で課題を抱えている地域では安全に暮らすための整備が進行中です。
現在、「西新宿五丁目中央南地区」の再開発が進んでいます。JR「新宿」駅の西約1.2キロメートルの距離にあり、木造住宅が密集し、道路やオープンスペースが不足しています。安心して子育てができる環境づくり、十二社通り沿いの賑わいの形成を図り、商業施設、オフィス、保育所を低層階に設けた地上約150メートルの集合住宅が建設予定です。2022(令和4)年1月から建築工事に着工しています。

京王新線「初台」駅から約300メートルほどの「西新宿三丁目西地区」でも再開発が進行中です。このエリアは1981(昭和56)年以前の旧耐震基準の建物が多く老朽化が懸念されています。地区内の道路の大半が幅員4メートル未満の細街路で防災面も課題です。
安全で快適な歩行者ネットワークの形成、賑わい・交流空間の創出、多様な世代やライフスタイルを支える質の高い住環境の整備を図る目的で再開発が進行中です。タワーマンション2棟と、地上9階建ての施設2棟が建設され、住宅のほか生活支援施設、保育所、商業施設、事務所などが主要用途となる予定です。ユニバーサルデザインに配慮した広場や歩行者通路なども整備されるので、より快適な街となるでしょう。

世界屈指のビッグターミナルである「新宿」駅でも大規模な再開発が進行中です。駅周辺は築50年以上の建物が多く存在し、駅や駅ビルも老朽化が進んでいます。駅ビルの建替えを契機に、東京都と新宿区は「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編~」を策定しました。
久しぶりに「新宿」駅を訪れたら「昔から親しみのあるビルが無くなっていた」と驚いた人も多いのではないでしょうか。「新宿駅西口地区」では小田急電鉄が東京都や新宿駅周辺の鉄道会社5社と共同で『新宿グランドターミナル』の開発プロジェクトを進行中です。2029(令和11)年には、「小田急百貨店」の跡地に地上48階、高さ約260メートルの超高層ビルが建設予定となっています。高層部にはオフィス機能、中低層部には商業機能を備えます。
「新宿駅西南口地区」でも京王電鉄株式会社が主体となり再開発が進行中です。北街区と南街区に新たなビルが建築される予定で店舗や事務所、宿泊施設を備えます。特に歩行者ネットワークや屋内外の滞留・回遊空間の創出などが改善予定です。まるで迷路のようだと形容されることもある「新宿」駅の構造が大きく変わることで、より便利に生まれ変わるのではないでしょうか。
?

「新宿」駅西口の向かい、ギャラリー通りなどがある「西新宿一丁目7地区」においても再開発が進行中です。新宿区が掲げる「まちづくり長期計画 都市マスタープラン」でも新宿区が国際競争力を高めていくためのプロジェクトとして位置付けられています。
駅西口周辺は多数の鉄道・バス路線の集結し、業務・商業、教育、文化交流と賑わいと活気に満ちたエリアです。駅の再開発との連続性を図りながらバリアフリーに留意した重層的な街の回遊性を高める歩行者空間の確保などを形成します。竣工は2025(令和7)年11月、地下4階、地上23階の高層ビルが完成予定です。ビルは事務所をメインに保育所や商業施設などが入ります。
「新宿」駅周辺の再開発の完成は2040年代とまだ少し先の話ですが、少しずつ発展を遂げていく「新宿」駅には今後も注目です。
- 掲載日
- 2025/03/12
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。