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増島陽平
お客さまが諦めかけてからが、ほんとうの仲介です。
「わたしにやらせてください。そのエリアは実家もあって詳しいので」。こうしてわたしは、I様のご新居用の土地探しを…
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「わたしにやらせてください。そのエリアは実家もあって詳しいので」。こうしてわたしは、I様のご新居用の土地探しを担当させていただくことになりました。ご主人様は単身赴任中とのことで、主に奥様とやりとりすることに。
少しでも不安を和らげたい。わたしは勝手知ったるエリアを、不動産営業の視点でもう一度下見したり、ご案内の際も型通りの営業トークでなく、自分自身のエピソードを交えたりして街の魅力をお伝えしました。とにかく、プラス思考で。
しかし、なかなか気に入っていただける土地がなく、一旦エリアを広げることに。同時に、I様が本心では望まれている元のエリアの情報も注視していたところ、ある時ご希望エリアで条件にぴったりな土地が出たとの情報が。ちょうど戻られていたご主人様もご案内すると、とても気に入られたご様子でした。
しかし新たな問題が。I様がご希望のプランを入れてみたところ、土地の間口が20センチ足りなかったのです…。I様の落胆は相当でした。一緒になって落ち込みかけましたが、わたしが諦めてどうする、と思い直し、打開策を考えました。
わたしが最後に打って出たのは、隣の土地から不足分を売っていただくこと。ダメ元でした。でも、熱意や、真剣さは、わかっていただけるものなのですね。隣の土地の方は、お願いを聞き入れてくださいました。
いまI様はその土地に、ご希望通りの家を建てている最中。地鎮祭にも呼んでいただき、感謝の言葉を頂戴しました。その時のご夫妻の笑顔。そして、ただ土地をご紹介するだけでなく、お客さまのベストプランをコーディネートできたこと。それがわたしに、充実感を与えてくれています。 -
大家洋平
想像を超えた提案ができる。それが仲介のプロ。
「相場の価格ではムリだって、いろんなところで言われてしまって…」一日も早いご自宅の売却を希望され、ご来店いただいたS様が抱えていた問題…
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「相場の価格ではムリだって、いろんなところで言われてしまって…」一日も早いご自宅の売却を希望され、ご来店いただいたS様が抱えていた問題。それはS様のお住まいでなく、周囲から苦情が出るほどの住まい方をされていた隣家にありました。
「まずは詳しく調査をしましょう」。状況を正しく知る必要があると思い、わたしはそうお伝えしました。今までが今までだけに、S様は、それだけでも少しほっとされていたようでした。実際に関係各所にヒアリングを重ねてみると、隣家の問題はあと半年をメドに解決に向かいつつあるとの情報が。
「すぐ」がご希望のS様に、「半年後」をご提案するのが是か非か。引き延ばせば、仕事が他社へ流れるかもしれない。わたしが仲介のプロとして下した判断は、「お待ちいただく」でした。心の中で「必ず、ご希望価格でお売りします」と誓いながら。
S様は、わたしを信じてくださいました。わたしもそれにこたえるべく、すでに新居へ越されていたS様に隣家の情報を逐一、ご報告しました。S様よりも、その問題について詳しくなる。そんな意気込みで…。
運命の半年後、ついに隣家問題は解決。売却活動に入りました。そしてほんの一ヶ月後には、ご成約にいたりました。肝心の売却価格も、もちろんご希望通りで。
「じっくり待つ」。それはS様にとって驚きの提案だったようです。しかしわたしは、実は確信していました。S様が本当に望んでいらっしゃったのは、早く売れることよりも、安心して適正価格で売れることだったのだと。だってわたしは、仲介のプロ。お客さまの心の声を聞かなければ、いい仕事はできませんから。
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永島優
家さがしより、
納得さがしのお手伝い。「いい部屋ですね。でも、最上階だと夏は暑そうだし、予算が…」それが、Y様の最初のご感想でした。ご希望の低層階のお部屋が内覧できなかった…
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納得さがしのお手伝い。「いい部屋ですね。でも、最上階だと夏は暑そうだし、予算が…」それが、Y様の最初のご感想でした。ご希望の低層階のお部屋が内覧できなかったため、雰囲気だけでも、とご案内した同じマンションの最上階。Y様の、運命のお部屋―。
少し後、元々の低層階のお部屋をご案内し、やはりY様がお気に召されたとのことで購入の申し込みを頂きました。しかし、交渉を進める中で、仲介のプロとして契約条件面でおすすめできない点が。Y様にそれをお伝えしたところ、ご納得していただき、別の物件を探すことになりました。
奥様のご実家近くでの近居。候補は多くないですが、これだ、と思える住まいを選んでいただきたい。Y様ご自身が納得して判断できるように、あらゆる情報―エリアのマンション事情や相場感、わたしの考えるメリットデメリットなど―を、お渡ししました。しかし、半年近く探しても条件に見合う物件は見つかりませんでした。
一方で、時間もネックでした。贈与税優遇の特例が、まもなく縮小されるタイミングだったのです。ご両親からの資金援助を考えると、そこが期限でした。まさにその折、あの最上階のお部屋の値下がり情報が。ここしかない。あとは、「暑さ」の問題だけ。
ちょうど季節は真夏。わたしは実際のお部屋を締め切ってご説明することにしました。Y様とご両親が、エアコンが入っていないことに気がつかれたとき、もはや言葉はいりませんでした。「眺めもいいし、静かだし。最上階にして、むしろよかったです」後にY様からいただいたお言葉が、わたしにとっていちばんの勲章です。Y様、このたびはありがとうございました。 -
平絢子
お客さまの数だけ、
仲介のやり方はあります。「仕事が忙しすぎるので、タクシーで帰りやすい場所に住みたい」K様のそのお言葉から、K様にとって時間管理が何より大切なのだと…
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仲介のやり方はあります。「仕事が忙しすぎるので、タクシーで帰りやすい場所に住みたい」
K様のそのお言葉から、K様にとって時間管理が何より大切なのだと直感しました。いつまでに、どんな書類、手続きが必要か、完璧にお伝えする。ご多忙なお客さまの時間を一分一秒でもムダにしちゃいけない。
連絡ひとつにも、ロスをなくしたい。特に大事な内容の時。深夜までお仕事をされているK様に、電話は難しい。かと言って、メールをお送りしてもご帰宅後ではチェックもままならないかもしれない。確実に伝わって、K様のストレスを最小限にする手段…。それは直接お会いすること。事前に携帯メールでご連絡して、K様のオフィスへ。10分程度の打ち合わせ。その繰り返し。
順調に、契約も終わり、決済の日どりまで決めることができました。ほっとしかかったのもつかの間。多忙を極めるK様から、当日の決済時間を短くできないかとのご要望が。「さすがにそれは難しいので、時間の確保をお願いいたします」…なんて、言えるわけがありませんでした。K様のご事情は、痛いほどわかっていましたから。
「できる限りのことはします」関係各所と綿密な打ち合わせを重ね、事前の準備を整えた上で、決済当日を迎えました。かかった時間は計算通り、通常の半分以下。「ランチ食べて帰れる!」K様はとても嬉しそうでした。
思えばわたしも、育児で時短勤務。限られた時間しかないという点で、K様と同じでした。だからこそK様の気持ちになって、K様に合ったやりかたを考えることができたのかな、と思います。わたしもランチの時間、好きですし(笑)。平絢子
たいら
あやこ -
藤原裕勝
お客さまのパートナーになって
初めて、本当のニーズが
見えてくる。「お客さまを待たせてはいけないよ」最初の内覧の時、私はY様からいきなりお叱りをいただいてしまいました。実際は約束の5分前に行ったので…
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初めて、本当のニーズが
見えてくる。「お客さまを待たせてはいけないよ」最初の内覧の時、私はY様からいきなりお叱りをいただいてしまいました。実際は約束の5分前に行ったのですが、Y様はそれより前に到着されていたのでした。Y様は、長い間クルマのディーラーをされていた方で、言わば営業の大先輩。お客さまでありながら、わたしを育てようとしてくださっていたのです。
そんなY様に、もっと認められたい。わたしは物件資料を送る際も、手書きで意見を添えたり、参考資料をつけたり、Y様が疑問に思いそうなことに先回りで対応することに務めました。その甲斐あってか、Y様との信頼関係は深まっていきました。しかし、物件はいっこうに決まる気配がありませんでした。「津波の心配がない、マンションの2階以上」という物件は、ほとんどご案内していたのですが…
何か理由があるはず。Y様のお住まいにお伺いしたとき、それは明らかになりました。わたしの目に飛び込んで来たのは、奥様がよく手入れした美しい庭。お二人の本当のご希望は、「庭付きの1階部分、かつ津波の被害想定エリア外」だったのです。わたしはすぐに物件を集め、「高台マンション1階特集」なる資料をお渡ししました。「ここなら」奥様からその言葉をいただいたのは、それからすぐのことでした。
お引き渡し後、初めて新居にお伺いした時は、さすがに胸にこみ上げてくるものがありました。私がY様ご夫妻につくって差し上げたかった理想の未来が、目の前で形になっているのですから。前の家に負けないくらい、美しい庭。嬉しそうに植物の説明をしてくださる奥様。そして…Y様の言葉。「藤原君に、頼んでよかった」藤原裕勝
ふじわら
ひろかつ -
佐藤千明
自分の売り文句は、
自分へのハードルでもある。「男性営業マンには負けないフットワークと熱意」。H様との出会いのきっかけは、DMに書かれたわたしの売り文句。ご相談は、この一年ずっと…
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自分へのハードルでもある。「男性営業マンには負けないフットワークと熱意」。H様との出会いのきっかけは、DMに書かれたわたしの売り文句。ご相談は、この一年ずっと売却活動してきたものの、なかなか売れずにあきらめてしまったというマンションについてでした。
「高値でなくてもいいから、できるだけ早く売却したい」H様の切実な思いを受けて、わたしは打ち合わせが終わるとすぐに物件へ足を運びました。日の当たらない半地下、かなりの築年数…条件としては難しい物件。これまでの流れで売却活動を続けても、おそらくお客さまの満足にはつながらない。方針を根本から見直す必要がありました。
わたしが選択したのは、売り先を一般の方から、買取業者に変えること。売値は割安になる可能性が高いものの、確実に早く手放せる。 これ以上長く維持するコストを考えれば、そのほうがベターだと思ったのです。でも、「早いけど安い」ではプロじゃない。金額面でも、お客さまにご満足いただきたい―わたしはよく知っている買取業者から全くの新規まで合わせて30社近く連絡し、H様との打ち合わせから3日後には最高値をつけてくれる業者を見つけました。
その数日後には、契約成立。 短いけれどとても濃い一週間が終わりました。何よりもほっとしたのは、H様の1年にも渡る負担を解消できたこと。時は折しも、クリスマス。「あの家をたったの一週間で、しかもあんな値段で売ってくださるなんて…。佐藤さんは、わたしたちにとってのサンタですね!」そう仰ってくださったH様の笑顔が、わたしにとって最高のプレゼントになりました。 -
中山翔太
仕事をお断りする、
という誠意もある。「今回のご依頼は、わたしがお受けしないほうがいいかもしれません」Y様にそうお伝えしたのは、ご実家の売却をご相談いただいた時の…
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という誠意もある。「今回のご依頼は、わたしがお受けしないほうがいいかもしれません」Y様にそうお伝えしたのは、ご実家の売却をご相談いただいた時のこと。新人時代の初契約からお世話になっていたお客さまだけに、それは苦渋の決断でした。
Y様のご実家は、わたしの担当エリアとはかなり離れていました。無理をして引き受けることもできましたが、それではお客さまのためにならない。そう思ったわたしは上司とも相談の上、そのエリアを担当する店舗をご紹介しました。
しかしY様は、「あなたでないなら…」と、物件の最寄り駅にある他社への依頼を決められました。それから半年。その間も何度か相談をお受けしていたこともあり、状況が芳しくない旨をお知らせいただきました。であれば、と、わたしがサポート役で入ることを約束し、以前ご紹介した店舗をご提案したところ、今度はご快諾いただくことができました。
そのひと月後。売却が無事に成約したところで、Y様から新たなご相談を頂きました。老後の安定収入を考え、売却資金を元に一棟アパートを買いたい。ぜひあなたに担当してほしい。ありがたいご指名を受けたいのはやまやまでした。でも、収益物件であれば専門部署のほうが、 より良い提案ができるはず―わたしは再び、パイプ役に徹することを選びました。
「信頼できる『野村の皆様』に助けられ、ありがたく思っております」チームで臨んだその仕事で、お客さまからこんな言葉をいただきました。仕事を独占し、自分の成績を上げるのは簡単です。でもわたしは、そうはしません。仲介マンはあくまでも、お客さまの利益を最優先に、できることすべてをするのが仕事ですから。 -
中島健介
親身とは、時にプロの視点を
忘れてみること。仲介マンとしてベストを尽くす。そのために必要なのは、時に仲介マンとしての自分を否定してみること。「お客さま」と「仲介マン」の間柄を…
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忘れてみること。仲介マンとしてベストを尽くす。そのために必要なのは、時に仲介マンとしての自分を否定してみること。「お客さま」と「仲介マン」の間柄を、気持ちの上では飛び越える。たとえばお客さまの家族だったら、というつもりで。これはそのきっかけになったお話です。
海外で暮らすY様からのご依頼。それは、日本でひとり暮らしするお母様の住みかえ。築年数の経ったマンションから快適なタワーマンションへ。Y様は頻繁には帰国できませんでしたので、わたしがお二人の間に入り、新居さがしを始めました。
時差にも配慮しつつY様とお母様と密なコミュニケーションを取り、物件選びまでは順調に進みました。しかし…。手付金をご用意いただくとき、お母様は戸惑いながら口にされました。「現金を持ち運ぶのは不安なので、小切手にしたい。でもやり方がわからなくて…」銀行へ同行し、無事に手続きは済みましたが、わたしには反省すべきことでした。お母様の不安は、察知できたはず―。
新居の引き渡し直前に、もうひとつ、気がかりなことが。お母様にとっては問題ではないかもしれない。でも…。しばらく考えた結果、わたしはあるものをお渡ししました。それは、英語表記のみの浴室乾燥機のスイッチを、日本語にした手作りシール。おせっかいだったかも…。恐る恐るお母様の顔を見ると同時に、「ありがとう」が聞こえてきました。
後日、Y様からも重ねて感謝の言葉をいただきました。Y様が遠方だったことが、いつの間にかわたしに「家族の目線」を与えてくれていたのです。時には仲介マンを越えて、身内のような気持ちで考えてみる。それが、わたしがこの仕事で学んだことです。 -
加藤茜
仲介するのは、家ではなく、
人の思いです。家の売却を担当することになった仲介マンの、気が引き締まる瞬間。それは、お客さまのご自宅をじっくり拝見したとき。そこには、あるから…
→続きを読む仲介するのは、家ではなく、
人の思いです。家の売却を担当することになった仲介マンの、気が引き締まる瞬間。それは、お客さまのご自宅をじっくり拝見したとき。そこには、あるからです。ご家族の歴史が。育まれてきた物語が。
あるハウスメーカーからの紹介で、F様のご自宅を訪ねたときのこと。わたしは言葉を交わす前に、F様が大切に子育てをされている、と感じました。使いやすくリフォームされた子ども部屋。お嬢様のお部屋にある、日本では手に入らないクロス。お金だけでは測れない価値が、F様のご自宅にはありました。
それから間もなく、売却活動がはじまりました。奥様が中心に動かれるとのことで、わたしは女性の視点も交えながら、不安を払拭するようにつとめました。メールではなく、直接お会いする。電話でお話しする。そうすることで、お客さまがご自分でも気づかれていなかった不安も、見えてくるからです。
築年数が経っていたこともあり、正直なところ、売却活動は楽とは言いがたいものでした。しかし、わたしには確信がありました。一足早くお引っ越しを済まされたF様の小さなお子様が、泣いて別れを惜しんだほどの思いは、必ず誰かを引き寄せる、と。その確信は、新しい買い主様という形で結実しました。
F様ご一家から、わたしも素敵な思い出をひとつ、いただきました。売却も無事終わった少し後。奥様がわざわざ訪ねてきてくださいました。「見た目と違ってサバサバした方だから、柄を迷ったんだけど…」頂いたのは、かわいいクマのハンカチ。それを使ったことは、一度もありません。宝物だからです。F様ご一家とわたしとの、物語がつまった。加藤茜
かとう
あかね -
藤田暁子
お客さまからのご投稿
藤田 暁子とのエピソード間もなく二人の子供も社会人となり、一人暮らしを始めるだろう。そうなれば、十数年を過ごした郊外の一戸建ては、夫婦二人には…
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藤田 暁子とのエピソード間もなく二人の子供も社会人となり、一人暮らしを始めるだろう。そうなれば、十数年を過ごした郊外の一戸建ては、夫婦二人には広すぎる…「元気なうちに住み替えよう。」と夫婦で決め、都内の中古マンションを探し始めました。
藤田さんはそうして出会った方の一人で、初対面となった物件見学の日、私たちの希望を細かく聞いて下さり、とても話しやすい方だと感じたのを覚えています。あいにくその物件はお断りをしてしまったのですが、次の日から、私たちの条件を考慮した物件がメールで届き始めました。情報を頂く中で、素人の私たちは「何故この物件のほうが価格が高いのか」など何も分からず、いろいろと尋ねましたが、その度に詳細の専門知識を分かりやすく、かつ明快に即答して頂き、プロとしての研鑽と力量を感じました。
そのようなやりとりが続き、数ヶ月後、私はあるマンションの購入を決断しました。ところが、藤田さんから返ってきたのは予想もしなかった言葉でした。
「出来れば、もう一度ご覧になってからお決めください。」
購入希望者が「買う」と言えば、間髪を入れずに契約に進みたいはずです。それなのに「もう一度見ましょう。」とおっしゃる…これには驚きと同時に、藤田さんの仕事に対する矜持を見た思いでした。
5日後、私たちは改めてその物件を訪ねることになり、最初の見学時に気付かなかったネガティブポイントにも目が留まりましたが、その時も率直かつ納得のいく説明を頂き、購入の意思をしっかりと固めることができました。藤田さんの「本当に納得できる住まいを選んでもらいたい。」という想いが伝わり、彼女への信頼は揺るぎないものになりました。
無事に入居して約一週間が経った頃、藤田さんが新居に来られて、「いかがですか。何かあればいつでもおっしゃってくださいね。」と言って下さりました。
それから1年と少しが経ったある日、近くの商店街で女性から声をかけられ、誰かと思って振り返ると、そこには当時と変わらない藤田さんの姿がありました。
「お住まい、いかがですか。」
新居を決めた時のことが、昨日のことのように思い出されました。終身保障のような、変わらぬお心遣い。藤田さん、あの時はありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。W様、この度はご投稿下さり、誠にありがとうございます。お住まいのお引渡しからは、もう2年以上経ちましたが、お変わりございませんでしょうか。「終身保障」とまで感じて下さっていることに大変嬉しく思います。今後も、末永く、宜しくお願い申し上げます。
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竹内健人
人は、運命の家と出会える。
仲介マンがあきらめなければ。お客さまにとって最良の物件は、今あるものの中にあるとは限りません。それは、明日売りに出るかもしれない。一年後かもしれない。肝心なのは…
→続きを読む人は、運命の家と出会える。
仲介マンがあきらめなければ。お客さまにとって最良の物件は、今あるものの中にあるとは限りません。それは、明日売りに出るかもしれない。一年後かもしれない。肝心なのは、見つかるまで粘りつづけること。人には、運命の物件がある。わたしはそう思っています。
お電話でお問い合わせいただいたK様は、東京へ移り住んだ娘さんご夫婦と同じマンションのご購入を検討されていました。しかしあいにく、その時売却中の物件はありませんでした。見つかり次第ご連絡するとお約束し、わたしは電話を切りました。
直後、娘さんご夫婦のお部屋を仲介したのは、実は同じ部署の先輩だったことがわかりました。わたしは不思議な縁を感じ、何とかK様の近居のお手伝いをしたい、と思いました。
同じマンションではないものの、近所の物件をK様にご提案してみましたが、やはり「同じマンション」は譲れない条件のようでした。それほどまでに、遠く離れた仙台でのひとり暮らしがさみしく、不安だったのだと思います。
早くなんとかしたい。その一心で考えうる全てのルートを当たっているうちに、偶然、もうじき売却物件が出るという情報をつかみました。それは、お問い合わせからたった2日後のこと。部屋の情報を詳しく見たわたしは、それが運命の物件であることを確信しました。K様にご報告したときの反応は、今でも忘れられません。
「娘の隣の部屋だわ!」
不動産購入の運や縁は、コントロールできるものではありません。しかしわたしは、たとえ無駄な努力であっても、それを引き寄せるための試行錯誤を続けていきたいと思います。ひとりひとりの仲介マンは、お客さまの幸せを背負っているのですから。 -
田口泰輔
野村の仲介マンは、
疑い深い。「お客さまの満足のために」。よく聞くフレーズが、わたしはどうにも好きではありません。お客さまを相手にお仕事させていただく以上、そんな…
→続きを読む野村の仲介マンは、
疑い深い。「お客さまの満足のために」。よく聞くフレーズが、わたしはどうにも好きではありません。お客さまを相手にお仕事させていただく以上、そんなのはあたりまえじゃないですか。本当にお客さまに満足していただきたいなら、プロとしての自分の仕事が100点かどうか疑い続ける。それしかないと思います。
U様は、ご子息の独立を機にご自宅を売却し、新居を購入されたいとのことで、わたしが担当させていただいたお客さま。住みかえが初めてだとのことでしたので、わたしは週に3~4度は訪問させていただき、売却のことや新居のことをご説明し、不安をひとつひとつ解消していただこうと努めました。
数週間後、まずは気に入られた新居が見つかりました。その購入資金は、ご自宅を売却して得るはずでしたが、こちらは買い手がまだ見つかっていませんでした。お引っ越しのご都合で、時間をかけられる状況ではありませんでしたので、売り先を個人から不動産会社へ切り替えることをご提案しました。(金額は少し安くなるものの、そのほうが早く確実に売れるからです)結果として、お客さまのご要望に沿ったお買いかえを実現することができました。
無事に終えたお取り引き。 でもわたしには、ひとつの心残りがありました。あの時の判断は正しかったのだろうか。一万円でも高く売る方法は、本当に他になかったのだろうか…。
U様の新居をお訪ねして、 玄関前でお待ちしている時、わたしは引き返して帰りたい衝動に駆られました。もしもU様が、住みかえを後悔していたら…。
「田口さん!」ドアを開けられたU様の笑顔は、それが杞憂であったことを教えてくれました。「ここに決めて、住みかえをして、心からよかったです。」そのお言葉を聞けて、わたしは嬉しかったというよりも、救われたような思いがしました。
完璧な仕事かどうか自分を疑い、不安を抱え続ける。それは不動産仲介という仕事の宿命。でも、だからこそわたしは仲介マンを続けられるし、やりがいのある仕事だと感じている気がします。 -
浦誠二
お客さまからのご投稿
浦 誠二とのエピソード私達は、それまで住んでいた賃貸住宅の家賃の値上がりが心配だったことと、ちょうど長男が小学校、次男が幼稚園に上がるタイミングでも…
→続きを読むお客さまからのご投稿
浦 誠二とのエピソード私達は、それまで住んでいた賃貸住宅の家賃の値上がりが心配だったことと、ちょうど長男が小学校、次男が幼稚園に上がるタイミングでもあったので、家族全員が安心できる「我が家」を探し始めました。
他の会社で物件を見ても「ピン」と来ない状況が続いていた頃のことです。少し前にチラシに掲載されていた物件が気になって、御社を訪ねてみました。その時に対応頂いたのが浦さんでした。その物件は既に売れてしまっていましたが、私達の希望条件や「何故今、家を探しているか」について細かくお話しを聞いて頂いた後、きっと他の会社さんと同様、次々と物件を出してきて、「これはお薦めです。今から見に行きましょう!」と誘われるものと思っていました。
ところが浦さんは、「承知しました。物件が見つかりましたらご連絡させて頂きます」とだけおっしゃり、その日の面談は終了でした。「しつこくされたらどうしよう…」の不安が消えると同時に、「普通はいくつか紹介されるけど…」と正直、拍子抜けの感じもありました。それから暫く経ち、浦さんから「是非、見て頂きたい物件が出ました!」と、初めて連絡がありました。そして、今住んでいるのは、何とその物件です。
情報量の多さを“売り”に信頼を得ようとするのが不動産の営業さんだと思っていましたが、浦さんのアプローチは全く異なり、私達にとって最適な物件だけを紹介して下さり、まさに「過不足ない対応」でした。 もちろん、ひと言で「過不足ない対応」と表現してしまえば、それまでですが、私も仕事柄、長年営業の方と商談してきましたので、その難しさは身に染みているつもりです。私達と同じ目線とプロの視点を併せ持っている浦さんだからこそ、ひとつの物件だけの紹介でも、私達は決めることが出来たのだと、今、改めて思っています。
まさか東京で一戸建を買うとは夢にも思っていませんでしたが、家内も子供達も新居となった「我が家」に大満足で暮らしています!T様、初めてお会いしたあの日のことは今でもよく覚えています。折角ご来店頂いたにもかかわらずお問合せのお住まいは既に売れてしまっており、非常に残念な思いをさせてしまいました。ただ、T様の真剣なお気持ちをお伺いしておりましたら、何としてでもご希望に叶うお住まいを見つけなければと、正直使命感のような責任の重さを感じておりました。今のご新居に巡り会えた時私は直感めいたものを感じて、すぐにご紹介させて頂きましたが、T様のお役に立つことができて本当に良かったです。また、温かいお言葉、誠にありがとうございました。
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漆崎一義
営業マン失格でも、
仲介マン失格とは限らない。できる営業マンって、どんな人だと思いますか?バンバン契約を取って、稼ぐ人。ふつうはそうですよね。でも、少なくとも、わたしのいる…
→続きを読む営業マン失格でも、
仲介マン失格とは限らない。できる営業マンって、どんな人だと思いますか?バンバン契約を取って、稼ぐ人。ふつうはそうですよね。でも、少なくとも、わたしのいる「野村の仲介+」では、それだけが全てではないようです。
土地をお探しだというH様を担当させていただいたときのこと。三ヶ月に及んでさまざまな物件をご案内させていただき、直接お会いできないときもメールでのやりとりを重ね、信頼関係ができつつありました。そんな折、お客さまがご自身で偶然にもいい土地を見つけられたとのことで、相談を受けました。
「本来であれば土地購入を、ここまでお世話になったあなたにお手伝いしてほしいが、相手方の都合でそれが叶いそうにない。どうしたらよいでしょう…。」「どうにかわたしを通して下さい!」営業マンとしてその言葉がのどから出かかりました。しかし、その土地がお客さまにとって二つとない物件であることも、三ヶ月のお付き合いの中で、わかっていました。「この土地を購入すべきです。わたしのことは気にせず商談を進めてください」全てを飲み込んで、わたしはお客さまにそうお伝えしました。
会社に利益をもたらす営業マンとしては、わたしは失格かもしれません。でも、仲介の仕事は、単に家や土地を売ることではなく、家を買いたい、売りたいお客さまの望みを叶えることだ、とわたしは思います。仲介手数料は、お客さまの「仲介さんに頼んで、よかった」という思いの、一つの形に過ぎません。「しょうがない、次行こう。」ことの顛末を報告したときの上司の短いセリフには、「成果を出せなかったことは反省せよ」と、「だが、野村の仲介マンとしては合格」の両方が入っていたような気がします。
(後日談)その後の土地売買ですが、相手側の調整がうまく行かず、お客さまは契約をとりやめにされました。再びわたしが担当させていただき、別の土地を無事にご購入されました。漆崎一義
うるしざき
かずよし -
中嶋啓太郎
「信頼されよう」なんて、
図々しいと思う。身の回りで、ホントに腹を割って話せる人ってどのくらいいますか?身内を除けば、数人もいれば多い方だと思うんです。しかも、たいていは…
→続きを読む「信頼されよう」なんて、
図々しいと思う。身の回りで、ホントに腹を割って話せる人ってどのくらいいますか?身内を除けば、数人もいれば多い方だと思うんです。しかも、たいていはそれなりの年数付き合ってきた人ですよね。私はお客さまにとって、ごく最近知り合った人物。しかも、「不動産の仲介業者」という関係、いや、関係「にしかすぎない」のに、やすやすと信頼してもらえるはずがないと思うんです。それでもお客さまに、家のことを託していただけるのは、「私たちがプロだから」。それに尽きると思います。
あるお客さまを担当させていただいたときのことです。私は「この家は、おすすめです」と言うことがなかなかできませんでした。充分に合格点の家は何件も見つかりました。でも。「通勤が辛くてもいい。とにかく子どものためにいい環境を」 というお客さまの並々ならぬ決意に、合格点の家では解答にならない。そう思ったのです。「この家はどうですか?」「いいとは思いますが、100点ではありません」まるで仲介業者とお客さまの立場が逆転したようなやりとりを経て7件目。見つかったのは、目指していた100点満点の家。
「この家は、おすすめです」
「中嶋さんがそう言うなら間違いないよ」 お客さまがふいにつぶやいた一言は、どんなお礼のお言葉よりうれしかったのを覚えています。
「信頼されよう」なんて、ホントに図々しいと思うんです。「プロの仕事をする」それしか、信頼される方法はありませんから。