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不動産価格の話題

2023/07/07vol.320不動産価格

野村不動産ソリューションズ実勢調査による2023.7.1時点の首都圏「住宅地価格」の動向

野村不動産ソリューションズが3か月ごとに実施している「住宅地価格調査」から、その概要を報告いたします。

本報告は、「野村の仲介+(PLUS)」各店舗の営業エリアにおいて、調査地点を選択し、通常取引を想定して実勢価格を査定したものの要約です。
調査地点は限定されたエリアから抽出したものですので、本報告書の数値は都県全体の変動率を表すものではありません。

なお、「中古マンション価格」は『マンションデータPlus』にて、推定相場価格や周辺エリアの相場情報をご覧いただけます。


首都圏の変動率は12期連続で上昇、東京区部と埼玉県はファンドバブル期を上回りました。

首都圏の変動率は+0.5%で、2020年第4四半期以降、12四半期連続で上昇しています。調査地点の動きをみると、値上がり地点は減少、値下がり地点は増加しており、価格の天井感は強まりつつあります。

東京区部

 東京区部の変動率は+1.0%となりました。2020年第4四半期以降、12四半期連続で上昇しており、ファンドバブル期を上回っています。ただし、調査地点の動向をみると、値上がり地点の減少と横ばい地点の増加により、上昇率は弱まりつつあります。
 都心5区では、富裕層等のニーズを背景に、渋谷区・新宿区を中心とした価格高騰が続いています。周辺の文京区・目黒区・品川区・中野区や住環境の良好な杉並区・世田谷区等の地点においても、価格上昇がみられます。一方で、豊島区・練馬区等の地点は横ばいとなっており、全体的に価格の上昇ペースは低下しています。なお縁辺部においては、生産緑地の指定を解除する動きも見られるようです。

東京都下

 東京都下の変動率は+0.5%となりました。小金井市、小平市、八王子市等の郊外部で価格上昇が続いています。一方で、都心部に近い武蔵野市、三鷹市、狛江市の殆どの地点では上昇から横ばいに転じましたその他のエリアでは横ばい地点が増加しており、価格の上昇ペースは収まりつつありますが、三鷹市内のブランドエリアは根強い需要があります。

神奈川県

 神奈川県の変動率は+0.8%となりました。川崎市武蔵小杉・武蔵中原等の南武線のエリアや新百合ヶ丘と横浜市の青葉区・都筑区で価格高騰が続いています。一方、横浜市の郊外部では小幅の下落が見られ、その他エリアではほとんどの地点で横ばいとなっています。なお、たまプラーザ・青葉台・港北ニュータウン等の地点においては、成約価格は上昇していますが、成約数は減少し在庫が増加傾向にあります

埼玉県

 埼玉県の変動率は+0.4%となりました。根強いニーズがあるさいたま市の大宮や武蔵浦和、戸田市の地点では価格の上昇が続いている他、ほとんどの地点では横ばいとなっています。一方、仲介・販売の現場では適度な価格で取引されるエリアも広がりつつあります。

千葉県

 千葉県の変動率は+0.1%となりました。総武本線の津田沼・西千葉で価格が上昇した他、住環境が良好な柏市柏の葉の地点で価格上昇が続いていますが、市川市では上昇から横ばいに転じました。なお、優良物件を除き、売却期間の長期化や販売の低迷も増えつつあり、価格改定をする物件も増えています。

※調査方法について

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企画・編集:野村不動産ソリューションズ株式会社 流通事業本部 営業企画部 企画課

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