当社取り扱い事例における収益物件の取引動向 ~2021年上期~

新型コロナウイルスは未だ収束していませんが、withコロナの生活様式が浸透しつつあり、2020年と比べると大きな影響は落ち着いてきているようにも見受けられます。新型コロナウイルスの影響を大きく受けてきた不動産マーケットは、現在、どのような状況でしょうか。

当社取り扱い事例における収益不動産の利回り動向について、2021年上期の分析を行いました。

Ⅰ.アセットタイプ別の取引件数推移

まず、2018年下期~2021年上期の当社取り扱い物件について、アセットタイプ別の件数推移を見ていきます。以下は、当社内のアセットタイプ別の売買件数について、2018年下期時点を100として他の期を指数化したグラフです。

オフィス・賃貸住宅・商業店舗については、2020年下期の大型バルク取引の反動で取引件数が減少する結果となりましたが、概ね例年通りの水準となりました。ホテルについては前期に続き取引がありませんでしたが、ニーズは高まりつつあります。

Ⅱ.取引利回り

1.利回り推移
次に、2016年下期~2021年上期の当社取り扱い物件について、オフィス・賃貸住宅の半期ごとの取引利回り(NOI、以下同じ)の推移をみていきます。

2.当社事例
当社取り扱い事例のうち、代表的な事例を3件取り上げます。

1.中央区所在 一棟オフィス
本取引は、中央区に所在する一棟オフィスの取引です。本物件は、オフィスと住宅が混在するエリアに立地する、築年数のやや経過した物件でした。買主は稀少な物件規模と、メンテナンスが行き届いた安定性の高い物件を評価し、取引利回りは以下の通りとなりました。

2.都心6区所在 一棟レジ
本取引は、都心6区内に所在する一棟レジの取引です。本物件は、商業地に存する築浅で駅近の物件でした。買主は相続対策のため長期保有の物件を探していた資産管理会社であり、売買担当者との信頼関係やエリアの利便性を評価し、取引利回りは以下の通りとなりました。

3.都心6区所在 一棟レジ
本取引は、都心6区内に所在する一棟レジの取引です。

本物件は、駅近で、築年数は経過しているもののリノベーション済みの物件でした。買主は資産管理会社であり、駅至近、ファミリー層の賃貸需要が底堅いというエリア性と、長期保有前提での資産性を評価し、取引利回りは以下の通りとなりました。

Ⅲ.まとめ

以上より、東京都内の収益物件の取引利回り推移については、オフィスはやや下落傾向、賃貸住宅は概ね横ばいという結果となりました。また、買主が長期保有を前提とした個人等である場合、低い利回りで取引される傾向があると言えるかもしれません。

新型コロナウイルスは未だ収束していませんが、将来的なマーケットの回復を見通して、ニーズが回復傾向にある可能性があります。一方でこのまま順調に回復していくと見るのは早計であり、引き続き、不動産マーケット動向について注視していく必要があるでしょう。

提供:法人営業本部 リサーチ・コンサルティング部

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