知っておきたい
一戸建て購入のキホン

基礎知識
2017.06.12

適切なメンテナンスで長持ちする!一戸建ての「維持管理」について

せっかく購入した愛着のある一戸建て。できれば長く快適に暮らしたいものです。木造住宅でも維持管理、メンテナンスをしっかりすれば50年以上使えることも多いでしょう。最近では住宅の性能も向上し、耐久性をもつ住宅も増えてきました。

しかし、居住者全体(管理組合)で計画して修繕工事などを実施するマンションとは異なり、一戸建てはあくまでもあなた次第。所有者自身が主体性をもって、メンテナンスやリフォーム工事に取り組まなければなりません。

それではどれくらいの頻度で一戸建てのメンテナンスをすれば良いのか、主なポイントをみていくことにしましょう。

メンテナンスが必要な箇所と周期は?

一戸建てのメンテナンス箇所は多岐にわたりますが、とくに注意したいのは外壁や屋根など風雨にさらされる部分です。木部や鉄部は腐食などを防ぐため、5年おき程度に塗装をすることが理想的とされています。また、外壁や屋根は材質にもよりますが、10年あるいは20年程度の間隔で塗り替えや葺き替えなどを繰り返すことになります。

サイディング外壁の目地(シーリング)は防水の役割をもっていますから、劣化や亀裂が見つかったら早めに対処することが欠かせません。また、屋根の防水工事は10年程度の間隔でやり替えることが推奨されています。頻度が多いように感じるかもしれませんが、防水性能が落ちて雨漏りすれば、深刻な問題にもなりかねないでしょう。

忘れてはいけないのが床下の防蟻(ぼうぎ)処理です。シロアリ被害を防ぐためのものですが、薬剤の効果が5年程度とされているため、こまめな処理が欠かせません。防蟻処理と同時に床下の点検もしてもらうようにします。

浴室や洗面所、キッチン、トイレなどの設備はおよそ10年ごとに点検や軽微な修繕、20年ごとに本体交換をすることが多いものの、とくに問題がなければさらに長く使える場合もあります。給湯器の寿命は設置場所の環境や使い方にも左右されますが、劣化による危険性や急な故障で生活に支障をきたすことを避けるため、10年程度で本体交換をすることが望ましいとされています。

木造一戸建ての主なメンテナンス周期の目安(一例)
部位点検
必要に応じて補修
塗装・交換・リフォーム
外壁 モルタル・窯業系サイディング 10年(塗り替え
目地(シーリング) 5~10年(打ち替え)
木部・鉄部 5年(塗装)
屋根 ストレート瓦 10年 20年(葺き替え)
本瓦 10年
トタン屋根 10年(塗装)・20年(葺き替え)
雨樋 10年 20年(交換)
防水工事 10年(やり替え)
内部 浴室・洗面所・キッチン・トイレ 10年 10年(本体交換)
壁紙 10年(張り替え)
25年(フロア材張り替え)
10年(表替え) 30年(新調)
玄関・窓まわり 20~30年(取り替え)
設備 給湯器 10年(本体交換)
給排水 10年 30年(全体やり替え)
床下 防蟻処理(シロアリ対策) 5年

※物件により異なります。

適切な時期にメンテナンスをすることが大切

それぞれの部位におけるメンテナンスの周期は、一戸建ての構造や材質、設備の耐久性などによっても異なりますが、大切なのは「適切な時期に実施すること」です。外壁の木部や鉄部の塗装、あるいは床下の防蟻処理などを「他のメンテナンスに合わせてやろう」と考えて10年おきにすれば、想定以上に腐食が進むなどして、かえって費用がかさんでしまう場合もあるでしょう。

その一方で、家の回りに足場を組む場合には、外壁の塗り替えや目地の打ち替え、屋根の防水工事や葺き替えなどをまとめてやってしまったほうが、1回の出費は増えるものの、トータルでは割安になることもあります。

いずれにしても「いつ、何を、どこまで」やるのかは所有者次第。長期的な視点でしっかり計画を立てて実施していくことが欠かせません。

メンテナンス費用の積み立ても考えておくべき

定期的なメンテナンスやリフォームの費用は、部位によって、あるいは工事内容によって大きく異なるため一概にはいえません。点検や部品交換などは1万円〜5万円程度で済む場合も多いのですが、設備の本体交換になると、例えばキッチンなら商品によって100万円〜300万円程度が目安になるなど、かなりの幅があります。

株式会社リクルート住まいカンパニーがまとめた「2016年 リフォーム実施者調査」によれば、一戸建ての平均築年数は27.0年、一戸建ての平均金額は675万7千円になっています。しかし、これは「300万円以上のリフォーム工事をした人」を対象にした集計で、間取り変更など大掛かりな工事も含んだ金額ですから、平均額がかなり高額になっている側面があるでしょう。

マンションであれば外壁や屋根など共用部分の大規模修繕工事に備えて、毎月「修繕積立金」が徴収されます。ただし、マンションでも室内のメンテナンスやリフォーム工事費用は所有者自身で別途に用意しなければなりません。それに対して、一戸建ての場合は外壁も屋根も室内も、すべて自分で計画的に積み立てるなどして費用負担に備えることになります。

自主的に費用を積み立てていく場合、毎月1万円なら10年間で120万円、毎月2万円なら240万円になります。どれくらいの費用をかけてメンテナンスするのかは自分次第ですが、ある程度の余裕をもって計画していきたいものです。

※本コラムは、執筆者の知識や経験に基づいた解説を中心に、分かりやすい情報を提供するよう努めております。掲載内容については執筆時点の税制や法律に基づいて記載しているもので、弊社が保証するものではございません。

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