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#住宅購入

2019.04.26

定年後の住みかえにマンションが人気の理由

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60代以降に、一戸建てからマンションに買いかえる人が増えています。どんな理由で検討を始め、どんなエリアで、どんな間取りの物件を選んでいるのでしょうか。住みかえ検討者や体験者の声をもとに紹介します。

定年後に実感、「家が広すぎる」「子どもの近くに住みたい」

「終の棲家(すみか)」と思っていた一戸建てを売って、マンションに買いかえる50~60代が増えています。

その理由の一つには「家が老朽化している」という住まいへの不満が挙げられるでしょう。建物の劣化や不具合が目立ち始め、修繕費がかさむ上に、年を取ってからメンテナンスするのは大変です。また、老後に備えるために「バリアフリーなど老後に住みやすい住宅に移りたい」という話もよく聞きます。古い住宅は段差が多く、不便や危険を感じることも増えるからでしょう。

定年後の夫婦から住みかえの理由として耳にするのは「家が広すぎる」という理由です。定年で家にいることが増え、子どもが独立して夫婦2人になってみると、途端に家の広さが気になるのかもしれません。

他にも「子どもの近くに住みたい」「孫の成長を近くで見守りたい」という気持ちのほか、年を取ってから夫婦2人きりで住んでいると「どちらかが病気や事故で入院したときに心細い、不安」ということも多いようです。

こうした不満や悩みを解決する住みかえ先として、マンションを選ぶ人が少なくありません。実際、野村の仲介+(PLUS)で成約した60代以上の方のうち、およそ7割がマンションを購入しています。

マンションへの住みかえで問題解決

60代以上の方の多くが、住みかえ先としてマンションを選んでいる背景として、次の3つのポイントがあるようです。

■1. ○○へ近づく
・利便性重視派・・・郊外から都心寄りのエリアへ、バス便から駅近へ、より便利なところに移動したいという希望。交通アクセスが良くなり、買い物などの生活利便施設も近くなります。郊外では車がないと不便だけれど、年を取ってから運転するのは不安があるという声も聞かれます。

・ライフスタイル重視派・・・ショッピングや観劇、グルメなど、時間の余裕ができて、より都心ライフを楽しみたいという希望です。

・生活不安の解消派・・・総合病院や主治医のいるクリニックに近いなど、持病や病気になったときのことを考えての住みかえです。子どものそばへの「近居」も、不安解消のひとつでしょう。

→いずれも、都心に近づくことが多く、地価が高くなるため、一戸建てからマンションへの買いかえが中心になります。

■2. 現在の住まいへの不満・不安を解消
・郊外の一戸建てに多い悩み・・・庭の手入れが大変、戸締り・火の元の心配、夫婦2人のうちどちらかに万が一のことがあると不安など。

→マンションであれば、鍵1本で戸締り、外出ができます。管理人常駐なら、何かあってもすぐに声をかけられるので安心です。建物(共用部)のメンテナンスは、管理費・修繕積立金を払うことで概ね解消されます。

■3. 近い将来(老後)も安心できるバリアフリーの住まいへ
・バリアフリーにしたくても、住みながらリフォームするのはストレスがかかり、大変です。

→バリアフリーの仕様になっている比較的新しいマンションへ住みかえれば、ストレスなく新生活をスタートできます。

以上のように、住まいに関わる不満や不安の多くは、マンションへ住みかえることで解決につながります。一戸建てからマンションへの「縮小買いかえ」になるのが一般的なので、売却益から老後の余裕資金を残せるのも、メリットの一つです。

定年後も夫婦円満な秘訣は、間取りにあり?

では、60代以上の方は、具体的にどんなマンションを購入しているのでしょうか。

・条件1 ・・・都心に近いマンション。
これによって利便性もセカンドライフの充実度も高まります。

・条件2・・・築年数の比較的新しいマンション。
築20年を超えるマンションは、室内に段差があったり、車イスが通れる廊下幅が取れていないケースが多いため、大がかりなリフォームが必要になります。そもそも共用部は、個人の判断でバリアフリーにはできません。

・条件3・・・大規模マンションやタワーマンション。
60代以上の方の多くは、夜間も管理人がいる常駐管理を希望します。マンションの管理体制は、管理費用との兼ね合いから、一般的に規模(総戸数)が大きいほど、常駐である確率が高まります。

特にタワーマンションになると、日中は管理人、夜間は警備員が常駐する防災センターが併設されているのが普通なため、セキュリティの面でも安心です。

間取りタイプはどうでしょうか。

年齢が高くなると夫婦2人でも1LDKより2LDK以上が好まれる傾向があります。「子ども世帯が泊まりに来られるように」という理由のほか、寝室については、「相手のイビキがうるさい」「エアコンの好みの室温設定が違う」などの理由で、夫婦別室を選択する人もいます。

定年後、夫婦が二人とも家にいる時間が増えると、ある程度の距離があったほうが良いようです。夫婦円満のためにお互いに干渉せず、互いに過ごせる場所(部屋)を持つようにしている、というご夫婦は多いものです。

近居のパターンも多様になってきた

近年、親世帯と子ども世帯が近くに住む「近居」のスタイルも多く見られるようになってきました。

近居にも、最近の実例を見ると多様なパターンがあることに気づきます。実際に私が出会った住みかえ事例では、もともと親世帯と娘世帯はドアツードアで30分程度の距離にありました。娘さんのほうは都心により近いところに住んでいて、子ども(親世帯から見た孫)を保育園に預けて共働きをしています。

仕事で遅くなるときなどは、親の家に子どもを預けたり、親が娘さんの家に様子を見に来たりしていました。その頻度が増えるにつれ、30分という距離が近いと感じられなくなったようで、より近くへとさらなる近居を実行したというわけです。

なお、近居を助成する自治体もあります。たとえば東京都品川区では、1.2km以内、徒歩15分以内に住んだ場合が対象です。距離や時間の根拠は、「震災などで交通機関がマヒしたときにも歩いて駆けつけられる距離」とあります。また、近居によって、高齢の親の孤立死や空き家放置の防止にもつながるという隠れた目的もあるそうです。

今後は、さまざまな理由で近居が普及していくかもしれません。60代以降のさまざまな住みかえパターンを紹介してきました。これらを参考に、より良い住みかえ・買いかえに活かしてください。

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