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#住宅購入

2019.06.07

定年後のライフプランと一緒に考えたい安心安全なマンション選び

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マンション購入者の中で50代以降の比率が高まっています。いわゆる"シニア層"の人たちは、どのような住みかえが多いのか、選択する際にどのような点に注意すればいいのかを解説します。

安心・安全な住まいへの住みかえがキーワード

マンション購入者の年齢層としては、30代がもっとも多いのは今も昔も変わりません。ただ、以前に比べると50代以上の割合が徐々に増えているのも事実です。定年退職を控えた60歳前後を"シニア"とすると、シニア層が着実にマンション志向を高めているといえるかもしれません。

シニア層に多いパターンは、一戸建てからマンションへの買いかえです。4LDKから2LDKへ、というようにスリム化するパターンが多いのも特徴です。東京郊外の一戸建てから山手線内のタワーマンションへ、あるいは神奈川郊外の一戸建てから横浜みなとみらい地区のタワーマンションへなど、タワーマンションへの買いかえも少なくありません。

同じタワーマンションの中で、100m2の3LDKから70m2の2LDKへ買いかえるケースもあります。生活環境を変えずに、面積を縮小するパターンです。

タワーマンションの購入者を分析すると、中心になるのは30~40代ですが、シニア層がかなりの割合で入ってくる傾向が強まっています。その理由を調べると、若い頃に購入した一戸建てが築20年程度を迎え、メンテナンスや修繕に手間やコストがかかるようになったり、子どもが独立して部屋数が余って広さを持て余すようになったりしたケースが多いようです。

特に最近では、建物の耐震性への不安や、戸締りが大変など防犯面の心配などから、"安心安全"な住まいへ住みかえて居住環境を改善したいという意識が高まっています。そのなかで、築年が新しく設備やサービスが充実したタワーマンションに目が向いているのでしょう。

シニア層ならではの資金計画に注意

シニア層の買いかえでは、自宅の売却資金をすべて買いかえ先の頭金に使わずに、一部を手元に残すケースが一般的です。老後の生活資金も確保しようという意向が表れているのです。

富裕層や手持ち資金に余裕がある場合には別ですが、定年を控えた平均的な所得層の方が生活資金を残したい場合には、買いかえ先を購入するときにも住宅ローンを利用するのが普通でしょう。

その場合に注意したいのは、30~40代に比べると、借入可能額が少なくなるため、自己資金が多めに必要になることです。金融機関の審査も厳しくなります。住宅ローンの申込み条件には「借入時60歳以下、最終完済時80歳以下」などと出ていますが、現実には50歳を超えると借入が難しい場合があります。

借入可能な場合でも、80歳までに完済しなければいけないため、申込み時の年齢が高いほど返済期間は短くなります。仮に55歳で申し込む場合は最長24年しか借りられません。同じ金額を借りる場合でも、返済期間が短いほど毎月返済額は高くなります。定年後を考えて返済負担を抑えるには、借入金額を減らす必要があるわけです。

また金融機関の審査では、通常の収入基準以外に、退職金が確実に出るか、その他の資産状況や近い将来相続で遺産を引き継ぐ可能性があるかどうかなどもチェックされます。以上のような点を踏まえると、シニア層の場合は、購入価格の半分程度まで自己資金で賄うケースが多いのではないでしょうか。

親子で協力、同居より近居で購入が増えている

シニア層単独で融資を受けることが難しい場合は、同居する子どもを連帯債務者とする「親子リレーローン」を利用する方法もあります。ただし、あまり事例は多くありません。実際、子ども夫婦の側では同居を望まないのが本音のようです。

親子で協力して住まいを購入する場合は、「同居より近居」というパターンが増えています。親元の近くに子ども世帯が移るか、子どもが地方から親を呼び寄せるか、いずれにしても、どちらかの自宅の側に新たに住まいを購入するわけです。

自宅に住宅ローンが残っている場合は新規に住宅ローンを組むことはできません。ただし、新たに購入するほうをセカンドハウス的な扱いとして、住宅ローンと同等の条件で貸してくれる金融機関もあります。

マンション内の近居で目に付くのは、同じフロアで隣り合う住戸を購入するより、上下階で購入するほうが圧倒的に多いこと。普段は顔を合わせる機会が少ないけれど、いざというときスグに駆けつけられるという意識の表れかもしれません。親と子の住まい方にも、多様なパターンが生まれつつあるようです。

老後のライフプランと資産の組み替えを併せて考える

シニア層の場合は、単に自宅を売却してマンションを買うという買いかえの資金計画だけではなく、定年後の第二の人生がどのくらいあり、その生活資金としていくらぐらい必要かなど、老後のライフプラン全体を視野にいれて検討することも大切です。富裕層の場合は、そこに相続税対策も含まれるでしょう。たとえ相続税がかからなくても、子どもへの遺産分割については考えておきたいものです。

年齢的に最後の買いかえになるでしょうから、死ぬまで安心して住める「終(つい)の棲家(すみか)」を選ぶという視点も必要です。万が一のことを考えて、医療機関や介護関係の施設が近くにある場所を指定する人も少なくありません。

認知症など要介護度が高まると、通常のマンションでの生活は継続しにくくなるため、いずれは高齢者向けのマンションや有料老人ホームなどに移り住む可能性も出てきます。その場合、自宅を売却して入居金を用意しなければならないかもしれません。そういった資金を捻出できるように、資産価値の下がりにくいマンションを購入しておくことが重要になります。

自宅を担保に一時金や生活資金を借りて、亡くなった時に自宅を売却して一括返済するリバースモーゲージを利用する方法もあります。

このようにシニア層の買いかえに当たっては、「資産の組み替え」や「資産活用」をトータルに考えるというアプローチが必要になります。ライフプランを含めて、こうした内容を的確にアドバイスしてくれるパートナーを選ぶことをお薦めします。

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