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首都圏分譲マンションの割高感が拡大

2019年05月09日

東京カンテイは8日、18年の「新築マンションPER」を公表した。首都圏の平均PERは前年より0.47ポイント上昇の24.96で、上昇が一服した前年から再び上振れとなり、分譲マンションの割高感が広がった。同社は、大手デベロッパーの新築マンション供給の寡占化による価格高騰を一因に挙げる。

PERは、マンションの新築価格が同じ駅勢圏(対象202駅)のマンション月額賃料の何年分に相当するかを算出し、マンション戸当たりの収益力や賃料見合いでの買いやすさを求めたもの。値が小さいほど回収に時間がかからず、割安感がある。20で表面利回り5%、25で4%に相当する。

18年の分譲マンションの70m2換算の平均賃料は前年比7.4%プラスの24万1631円と上昇したが、新築マンションの70m2換算の平均価格は9.9%プラスの7344万円と大幅に上昇したことで、回収に要する期間が約0.5年伸びた。12年時点では、PER20未満の駅が54.6%を占めていたが、18年にはわずか7.9%となり、22以上の駅が78.2%と約8割を占め、割高感のある駅数が拡大した。

これまで比較的割安感を保ってきた城東エリアや、湾岸エリアの「勝どき」「月島」「豊洲」も割高感を示す値に転じている。同社は、都心部だけでなく郊外エリアでも大手デべロッパーによる新築マンション供給の寡占化が進み、価格が高騰したことがPERの全域的な上昇につながったと分析する。

一方、駅ごとに前年と比較すると、17年と比較できる158駅のうち、PERが前年よりマイナスとなって割安感が強まった駅は85駅で、プラスとなり割高感が強まった駅は73駅。同社は、新築価格の弱含みも表れ始めているとみる。

(提供:日刊不動産経済通信)

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