不動産経済研究所は17日、8月の首都圏マンション市場動向をまとめた。新規供給戸数は前年同月比21.1％の増の1819戸となった。東京・中央区晴海の五輪選手村の大規模マンションプロジェクト「HARUMI　FLAG」の発売などによって、昨年12月以来8カ月ぶりに増加となった。初月契約率は前年同月比10.9ポイントアップの75.4％で、5カ月ぶりに70％台に乗せている。

供給全124物件のうち、「HARUMI　FLAG」（三井不動産レジデンシャルなど10社、総分譲戸数4145戸、うち1期分600戸）の発売などで初回発売物件は23物件・1156戸となり、前年同月の11物件・567戸を物件数では12件、戸数でも589戸（103.9％増）上回った。

エリア別にみると、都区部が117.2％増の1201戸と倍増したほか、神奈川県も167.1％増の374戸と大きく伸ばしている。その一方で千葉県が89.3％減の52戸、埼玉県が71.0％減の63戸と大きく落ち込んだ。都区部のシェアは66.0％にまで伸び、前年同月比29.2ポイントアップしている。

8月の契約戸数は1371戸で、初月契約率は75.4％。エリア別では、都区部が77.5％、神奈川県も78.3％と70％を上回ったのに対して、埼玉県は50.8％にとどまっている。

戸当たり平均価格は6405万円で前年同月比19.5％上昇、m²単価は89.5万円で13.6％上昇と、いずれもアップした。戸当たりは3カ月ぶり、単価は4カ月ぶりの上昇で、都区部のシェアが60％を超えたことによってともに大幅アップとなった。エリア別にみると、都区部と神奈川県が戸当たり、単価ともに下落した一方、都下、埼玉県、千葉県はいずれも上昇している。

専有面積は71.54m²で、前年同月比5.2％の拡大。100m²以上の住戸は都区部7物件・127戸、神奈川県1物件・2戸、埼玉県1物件・1戸、千葉県1物件・1戸の計10物件・131戸で、シェアは7.2％となっている。

即日完売は3物件・11戸（シェア0.6％）、フラット35登録物件戸数は1728戸（同95.0％）。8月末時点の在庫は6748戸で、前月末の7115戸に比べ367戸減少して昨年11月以来9カ月ぶりに7000戸を下回った。

9月の供給は3000戸前後を見込んでいる。

（提供：日刊不動産経済通信）