事例
使用価値の低下した「社宅」の売却。CRE専門部署との連携で成功へ導く
今回紹介するのは、国内大手企業が所有する社宅の売買事例です。社宅は、CRE(企業不動産)としては、比較的ご所有されていることの多いアセットタイプです。
今回の物件は、社宅としての稼働率が下がり、使用価値が低下していたことに加え、建築制限があるなど不動産としての市場価値に影響する要素も抱えていました。
これらの課題に対してどのような提案を行ったのか、取引を成功に導き、お客様に満足いただくために、どのようなアプローチを図ったのか、その経緯や要因を野村不動産ソリューションズ法人営業本部京都支店の矢田尚哉が質問形式で答えます。
今回の事例概要
所在地 | 東京都内 |
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土地面積 | 約1,000坪超 |
物件種別 | 集合住宅 |
建物概要 | 鉄筋コンクリート造 3階建 延床面積:合計約3,000m2超 |
建物築年 | 1970年代 |
用途 | 社宅 |
業種 | 製造業 |
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業種 | 不動産開発 |
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今回の取引の経緯は?
20年来のお客様。日頃からの提案が機を得て、具体的なご検討へ
お客様とのお付き合いは古く、遡れば20年近くになります。これまで10件ほどの取引実績もあり、以前からヒアリングや公開情報をもとに所有不動産の評価一覧などの資料を作成して、資産の「見える化」や有効活用の提案・お手伝いをしてきました。
今回の物件についても、6~7年前から提案資料の中で使用価値の低下等の状況を提示させていただいてきた中、改めてお客様社内で売却機運が高まり、当社にご相談がありました。
取引における課題は?
使用価値の低下に加え、売却しづらい要因も
築後相当年が経過しており社宅としての稼働率が低く、使用価値が低下していました。また、買主様目線で見ると、旧耐震物件であり、そのまま活用できる余地が少ないことに加え、接道に問題があり現状のままでは一部の土地が再建築できないこと、埋蔵文化財包蔵地にかかっており対策費用が発生する可能性があるなど、簡単に売買条件を決めにくい物件でもありました。
どのような提案を行った?
詳細な調査・分析により、買主様のイメージを明確化
今回の物件のご売却意向をいただいてから約5カ月間、複数回にわたり提案を行いました。
最初に行ったのは、物件の課題整理と、考えうる複数の解決策を中心とした提案です。本件のような調整事項が複数ある物件であっても買主様に最大限物件の価値を評価していただくための売却方法などについても提案しました。
次に、初回提案時にお客様が関心を示された点をブラッシュアップした提案を行いました。あらためて訴求ポイントを整理し、事例や調査・分析のノウハウが豊富な当社のCRE情報部と連携しながら、お客様のご希望を叶えられそうな売却手法について練り直したのです。
再提案時には、本物件周辺における野村不動産グループの実績を紹介しながら、地域の特性や同じような課題を抱えた物件の取引実績から想定される、買主様の属性イメージを具体化しました。さらに、イメージに合う当社のお客様やターゲット層へのアプローチ方法など、より具体的な内容を盛り込みました。
提案の結果、お客様の評価は?
当社の既存取引先であるデベロッパーに高値で売却
顧客目線に徹し、お客様の知りたいポイントに絞った提案を行った結果、当社に売却幹事を任せていただくことになりました。提案の精度をお客様に評価していただけた証ではないでしょうか。また、事前の調整作業などを当社が担うことで、お客様の負担軽減を目指した点、およびこれまでの実績や提案から、安全かつ確実な取引が出来ると感じていただけたようです。
売却活動は、複数の買主様候補に紹介し、最終的にマンション開発用地を探していたデベロッパーへの売却が決まりました。お客様には大変喜んでいただき、次のお取引に繋がったほどです。
成約の要因は?
役所との念入りな事前調整で、物件の課題を克服まず、日頃の提案の積み重ねによって築き上げられたお客様との信頼関係が前提にあります。提案を重ねる中で、お客様の守秘事項をしっかりと把握し、事前に本物件に関する役所への確認・調査を実施させていただき、役所と細かい調整を行いました。
これにより、物件の抱えていた課題を克服する方策に目処が付いたので、買主様にも具体的な活用手法を提案できました。物件のもつ課題・条件から想定される一般的な評価額よりも、高値での売却が可能となったのです。
CRE情報部とは?
膨大な事例と豊富な知見、ノウハウを有するCREの専門部署
CRE情報部には、当社におけるCRE提案の知見やノウハウが集約されています。また、所属するスタッフも、不動産鑑定士や一級建築士、証券アナリストなど、多彩な経歴と資格をもつ専門家たちが集まっています。これにより、さまざまな手法や切り口で不動産評価、分析、提案を行うことができます。
当社法人営業本部の膨大な事例を全て把握しており、それぞれのお客様に合わせた参考事例を抽出することが可能です。また、根拠の確かな査定価格の算出や、高値売却をはじめとするお客様のご希望を実現するための手法の提示にも大きく貢献しています。
当社で蓄えた知見やノウハウを活用し、お客様に喜んで頂ける最適なソリューションを提案できることは、CRE情報部の存在に因るところが大きいと言えるでしょう。
最後に一言どうぞ
お客様のニーズをお聞かせいただくことで、効果的な提案が可能に
CRE戦略において高い知見やノウハウを持った専門部署があったとしても、お客様ごとの課題やニーズを正確に把握していなければ、有効で実行性の高い提案にはなりません。その意味で、担当者による事前準備やヒアリングも必要不可欠ですし、担当者がCRE情報部に対して、いかにポイントを絞って情報共有ができるかも重要です。
今回は、2回目の提案にあたり、お客様のご意向を明確に受け取ることができ、CRE情報部と的確な情報共有が出来たこと、またそれを受けたCRE情報部が、蓄積した知見やノウハウを動員して、お客様のご希望や課題感に沿う提案ができたことが、成約に繋がったと感じています。
このように当社の法人営業部では、さまざまな分野の知見やノウハウを有する専門部署とともに、企業不動産のあらゆる課題にワンストップで応える総合的なサービスを展開しています。
CRE(企業不動産)で何かご不明な点やお困りのことがございましたら、是非一度お話をお聞かせください。ご満足いく、ご納得いただける提案をさせていただきます。
提供:法人営業本部 営業企画部
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