マーケット
オフィスマーケットレポート(2024年10月)
【東京都心5区 大規模ビル】
アナリストの視点
募集賃料のデータはマーケットの動きに遅行する傾向があるものの、対前年同月比で見るトレンドは比較的安定していることから、募集賃料の上昇傾向は続くとみられる。
都心部では賃料引き上げの動きも見られるが、その多くは立地条件に優れたビルや稼働率が改善したビルとなっており、大口の募集床を抱えるビルでは、賃料水準の引き上げよりもテナントの確保が優先される状況に変わりはない。
※2024年9月末現在および各年12月31日時点
※東京都心5区: | 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区 |
※大規模ビル: | 1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル |
※空室率: | 貸付総面積に対する「現空面積」の割合 |
※潜在空室率: | 貸付総面積に対する「募集面積」の割合。既存ビルにおいて、テナント退去前を含む募集床が対象 |
※募集面積: | 各統計日において公開されているテナント募集面積の合計 |
※統計開始: | 1994年1月1日 |
Ⅰ.空室率・潜在空室率
前月から低下。港区を中心に空室消化が進む
空室率は前月比マイナス0.23ポイントの4.17%となった。港区を中心にまとまった面積の空室消化が進んだことに加え、9月に竣工した複数の新築ビルが概ね高稼働だったことが背景となっている。潜在空室率は前月比マイナス0.26ポイントの6.03%と、空室率同様に前月から低下し、2021年1月以来の5%台が目前に迫っている。
Ⅱ.募集賃料
前月比で10ヵ月連続の上昇・横ばい。一部のビルでは募集条件を引き上げる動き
募集賃料は小幅ながらも前月から上昇した。10ヵ月連続で前月から上昇または横ばいとなっている。マーケット全体までは広がっていないものの、募集状況が改善したビル等では、募集条件を引き上げる動きも見られる。
Ⅲ.募集賃料
対前年同月比は8ヵ月連続でプラス。緩やかながらも上昇傾向に転じる
募集賃料の対前年同月比は、2020年10月から2023年6月にかけて33ヵ月連続でマイナスを記録したが、2023年後半には横ばい傾向となり下げ止まりの動きが見られた。2024年2月からは8ヵ月連続でプラスとなり、募集賃料は緩やかながらも上昇傾向に転じている。
Ⅳ.エリア別募集賃料(円/坪)
※規模 (1フロア面積) |
・大規模(200坪以上) ・大型(100坪以上200坪未満) ・中型(50坪以上100坪未満) ・小型(20坪以上50坪未満) |
※「-」は、調査時点においてテナント募集を行ったビルが少なかったため、適正データが算出できなかったエリアです。
Ⅴ.空室率の推移(6大都市 大規模ビル)
Ⅵ.募集賃料の推移(6大都市 大規模ビル・主要駅前地区)
※募集賃料:共益費込
※外税表示
提供:三幸エステート株式会社
会社HP:https://www.sanko-e.co.jp/
当レポートは情報提供を目的とし、情報の正確性に十分配慮して作成されておりますが、その内容を保証するものではありません。使用にあたっては貴社の責任と判断にてお願い致します。
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