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住宅ローンの変動金利型、金利上昇するとどうなる?

2014年04月02日

上がる気がしない?変動金利

「住宅ローン変動金利型は金利上昇リスクがあります」ということは十分理解しているけれども、結局金利はそんなに上がらないのでは、と思っている人も少なくないでしょう。変動金利型の過去の金利を見てみると、金利が2%台になったのが1995年。2001年からは日銀のゼロ金利政策により基準金利は2.375%になりました。その後、一時的に金利が上昇するも、現在は2.475%という低い基準金利が続いている状況です。

住宅ローン変動金利型の金利推移(基準金利)

住宅ローン変動金利型の金利推移(基準金利)

長い間低金利が続いているので、金利が上昇するということが実感としてわかないということもわかります。ただし、1990~1991年には過去最高の8.5%を付けたことがあります。過去のデータにすぎませんが、いわゆるバブル景気の前後でも5~7%であったことは知識として知っておきたいところです。

住宅購入や住宅ローン選びの相談の現場でも、同席したご両親が「金利が高くなると大変なんだから」と、子が変動金利型を借入れるのを心配することがあります。高金利時代に住宅ローンの返済をした経験からで、子には同じような思いはしてほしくない、ということなのでしょう。金利の上昇による返済額増加の負担感は大きいだろうなと推し量ることができるシーンの一つです。

変動金利型の返済ルールと未払利息を知っておこう

金利が上昇した場合には、全期間固定金利型以外の金利タイプを借入れしている人には何らかの影響があります。特に変動金利型は市場の金利動向の影響をすぐに受けるもののため、ここでは変動金利型で金利上昇の影響を見てみます。

まずは変動金利型の仕組みを確認しておきましょう。

<変動金利型の仕組み>
  • 金利は半年に1回見直される。
  • 返済額は5年ごとに見直される。
  • 返済額が見直され、増額されても従来の1.25倍までというルールがある。
    注:毎月金利を見直しをしている金融機関もあります。また、金利が変わる度に返済額も
      見直され、増額幅の上限ルールがない変動金利型もあります。

では、金利上昇がどのように影響するのか、事例で確認してみましょう(仕組みの説明のため、急激に金利が上昇した場合で例示しています。このように金利が上昇するという予測ではありません)

借入額3,000万円、30年返済、元利均等返済、ボーナス返済なし

未払い利息はこうして起きる

金利が上昇しても返済額見直し時期までは返済額は変わらない、返済額が見直されて増額しても従来の1.25倍までというのは、返済額が上がっても比較的穏やかな上がり方のため、返済額の見通しがつき、将来の計画が立てやすいというメリットがあります。
しかしながら、金利が上昇すると利息分の金額が増え、元金返済分が少なくなり、ローン残高の減りが遅くなります。また、返済額が全額利息の支払に充てられ、それでも本来の利息分に足りないときに「未払い利息」が発生します。この場合には、元金返済はゼロになるため、ローンの残高は全く減っていきません。
未払い利息が生じたときは、これを毎回返済額とは別に支払う必要が生じます。支払方法は分割して支払う方法や、最終回に一括で支払う方法など銀行によって異なるので、借入れする際に確認をしておきましょう。

返済予定表はチェックを!金利上昇時には繰上返済を!

変動金利型を借りた人にありがちなのが、返済額が5年間変わらないため、金利の状況を把握していないということです。銀行からは半年ごとに返済予定表が送られてきます。そこに今後6ヶ月の適用金利が明記されています。金利の状況は必ずチェックしましょう。

もし金利が上昇してきたら、返済予定表で残高についてもチェックしましょう。残高が減らないとその分支払う利息が増え、住宅ローンの返済総額はどんどん多くなってしまいます。放っておかずに繰上返済を行うなどで、着実に残高を減らしていくよう心がけましょう。このような時の繰上返済の資金源として、金利が低く返済額が少ないうちに貯蓄をしておくことが必要なのです。

変動金利型と付き合っていくためには、金利が低いうちは貯蓄を行い、金利が上昇してくれば繰上返済をして残高を減らすというように自分でのコントロールがとても大切になります。金利状況のチェックや自分でのコントロールは苦手という人は、少し金利が高めでもリスク回避として固定金利型を選択する、借り換えをするなどの対応が効果的です。

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