多摩川に面した二子玉川は、江戸時代、「玉川八景」と呼ばれるなど古くから風光明媚な地として知られ、多摩川沿いを中心に多くの料亭が立ち並ぶ行楽地としてにぎわっていました。

明治以降は、次第に政財界人の別荘や邸宅が増え、今日のような高級住宅地の礎が築かれます。 1907（明治40）年、「渋谷」駅から「玉川」駅間に路面電車の玉川電気鉄道が開通すると、東京都心方面へのアクセスが向上したことから、二子玉川は高級住宅地としてさらに人気が高まりました。

「玉川」駅周辺には1909（明治42）年には「玉川遊園地」が、1922（大正11）年には「玉川第二遊園地」（のちの「二子玉川園」）が開園しました。1927（昭和2）年には東急大井町線が開通し、二子玉川は東京近郊の行楽地として繁栄を遂げます。

1969（昭和44）年、日本初の郊外型デパートとして「玉川髙島屋S・C」が誕生すると二子玉川はショッピングタウンとしても成長しました。

1977（昭和52）年には東急玉川線に代わって、地下鉄の東急新玉川線（現・東急田園都市線の一部）が開通し、1978（昭和53）年からは営団地下鉄半蔵門線（現・東京メトロ半蔵門線）への直通運転も始まったことで、さらに交通アクセスの利便性が高まりました。

こうして二子玉川は都心に近い高級住宅地として、またショッピングの街として地位を確立したのです。

二子玉川は交通アクセスの利便性にも恵まれています。「二子玉川」駅には東急田園都市線と東急大井町線の2路線が乗り入れ、東急田園都市線に乗れば「渋谷」駅のほか、直通運転が行われている東京メトロ半蔵門線の「表参道」駅、「青山一丁目」駅、「大手町」駅などへもダイレクトで移動できます。

東急大井町線に乗り、「自由が丘」駅で東急東横線に乗り換えれば「横浜」駅や「みなとみらい」駅方面へ、「大井町」駅でりんかい線に乗り換えればお台場方面へと、1回の乗り換えで多方面にアクセスでき、休日のレジャーも気軽に楽しめます。

また、二子玉川からは「羽田空港」・「成田空港」直通のリムジンバスがあり、旅行や出張の際もスムーズに空港に移動できることも魅力です（成田空港行きは新型コロナウイルス感染症の影響により現在運休中）。

二子玉川周辺には国道246号や環八通りなど幹線道路が多く、自動車の利用も快適です。環八通り沿いには首都高速道路3号渋谷線の「用賀」出入口や東名高速道路の「東京」IC、首都高速道路4号新宿線の「高井戸」出入口や中央自動車道の「高井戸」ICがあり、遠方へのドライブも便利です。

自然に親しめるスポットが多いことも二子玉川の魅力の一つです。多摩川の堤防にはサイクリングロードが整備され、開放的な風景を楽しみながらジョギング、サイクリングを楽しめます。野川と多摩川の間には「兵庫島公園」があり、水遊びを楽しめるなどファミリーで思い思いの休日を過ごすことができるでしょう。

「新二子橋」の西側には「二子玉川緑地」があり、スポーツ施設が充実しています。この多摩川河川敷では毎年10月に「たまがわ花火大会」が開かれ、身近で夏の風物詩を鑑賞できることもこのエリアならではの楽しみです。

また周辺には国分寺崖線があり、豊かな自然が残されています。国分寺崖線沿いには「玉川大師」といった寺社や「静嘉堂文庫美術館」などかつての別荘や邸宅の面影を残す建物があり、緑と風情を感じながら散策するのも心地よいでしょう。

等々力渓谷

さらに、古民家が展示されている「岡本公園民家園」や、少し足を延ばせば桜の名所として知られる「東京都立砧公園」、都内とは思えない渓谷美が広がる「等々力渓谷」もあり、散策の目的地には事欠きません。

二子玉川は、交通アクセスやショッピングの利便性と、豊かな自然環境が両立する街なのです。