【谷根千】都内有数の人気散策スポット、谷根千に暮らす
谷根千エリアの街並み
東京メトロ千代田線の「千駄木」駅・「根津」駅の東側、「日暮里」駅の西側に広がる谷中・根津・千駄木エリアは、その頭文字を取って「谷根千(やねせん)」と呼ばれ、都内でも有数の散策スポットとして親しまれています。このエリアには人情味あふれる商店街や長い歴史を持つ神社仏閣、この地にゆかりのある文人の面影が感じられるスポットが点在し、散策の楽しみは尽きません。
下町情緒漂う「谷中銀座商店街」
谷中銀座商店街
谷根千は下町の風情を感じられる街としても人気です。中でも、「日暮里」駅から西の「千駄木」駅方面に向かい、36段の緩やかな階段を下りた先に広がる「谷中銀座商店街(通称:谷中ぎんざ)」は、谷根千の象徴ともいえるスポットです。
「谷中銀座商店街」は全長170mほどのそれほど長くはない通りですが、そこに昔ながらの個人商店を中心に約60店舗が立ち並び、いつも買い物客でにぎわっています。
また、商店街につながる階段は「夕やけだんだん」と呼ばれ、商店街とあわせて人気のスポットになっています。その名の通り、夕暮れ時にはここから美しい夕焼けを眺めることができ、ノスタルジックな雰囲気に包まれます。
近年は「谷中銀座商店街」の先にある「よみせ通り」や「へび道」沿いにおしゃれな雑貨のショップや雰囲気のよいカフェが増え、高感度な人々にも注目される場所になっています。
『都心へも成田空港へもスムーズにアクセス』
谷根千は交通利便性の高さも魅力の一つです。エリアを囲むように「根津」駅や「千駄木」駅、「西日暮里」駅があり、これら各駅から東京メトロ千代田線で「大手町」駅や「霞ヶ関」駅、「表参道」駅などにダイレクトアクセスできます。
「西日暮里」駅からはこのほか、JR山手線やJR京浜東北線、日暮里・舎人ライナーも利用することができます。
また、谷根千エリアの東の入り口となっている「日暮里」駅からは、JR山手線・京浜東北線に加えてJR常磐線や京成線も利用でき、千葉・茨城方面へのアクセスもスムーズです。京成スカイライナーを利用すれば「日暮里」駅から成田空港(空港第2ビル駅)まで最速36分で行くことができ,旅行や出張などで飛行機を利用する際に大変便利です。
伝統の神社仏閣が集まる街
根津神社
長い歴史を持つ神社仏閣が立ち並んでいるのも、谷根千の特徴です。
中でも「根津神社」は約1,900年前、日本武尊により創建されたと伝えられる古社で、東京十社の一つです。創建当時は千駄木にあり、徳川綱吉が現在の場所に新たな建物を建て、移転しました。現在も本殿や拝殿などは移転当時の建物が残り、国の重要文化財に指定されています。「根津神社」はまた、つつじの名所としても有名で、4月に行われる「文京つつじまつり」には多くの人々が訪れます。
谷中周辺は、江戸時代、上野に「寛永寺」が造られたことをきっかけに、多くの寺が建てられ、今のような寺町が形成されました。ここには戊辰戦争の際に幕府方の彰義隊の営所となった「天王寺」や、赤穂浪士の討ち入りの前にしばしば会合に使われていた「観音寺」など、深い歴史を持つ寺が数多く集まっています。関東大震災や第二次世界大戦の際も被害が少なかったおかげで、往時の街並みや建物が今なお多く残されています。
『桜の名所としても知られる「谷中霊園」』
谷中の寺町の中には、面積約10万平方メートルに及ぶ広大な「谷中霊園」が広がっており、日本画で有名な横山大観や「資本主義の父」と称される渋沢栄一など多くの著名人がここに眠っています。敷地の中の寛永寺墓地には15代将軍の徳川慶喜の墓所もあります。
「谷中霊園」は、桜の名所としても有名です。園内の中央には「さくら通り」とも呼ばれる桜並木があり、春には桜のトンネルが訪れる人々の目を楽しませてくれます。
文学散歩も谷根千ならではの楽しみの一つ
千駄木エリアの街並み
谷根千は文人や芸術家にも愛された街です。特に千駄木には、川端康成、北原白秋、高村光太郎、夏目漱石、森鴎外など多くの文人が暮らしました。夏目漱石の代表作『吾輩は猫である』も千駄木で執筆されたといいます。
「観音寺」の北側にあった彫刻家の朝倉文夫の旧居である「朝倉彫塑館」や、団子坂沿いにあった森鴎外の旧居跡を整備した「森鴎外記念館」など、この地にゆかりのある文人や芸術家の足跡を感じられるスポットも多く、文学散歩もこの街で暮らす上での楽しみになるでしょう。
古き良き木造建築が数多く残り、下町情緒あふれる谷根千は、東京都内でも貴重なエリアです。観光スポットとして人気の街ですが、交通アクセスの良さや生活利便性の高さ、休日散歩に出かけたくなる街並みなど、生活拠点としても魅力あふれる街といえます。
なお、谷根千の北の「西日暮里」駅前地区では現在、再開発事業が進められています。駅の北側、JR線と日暮里・舎人ライナーに挟まれた約2.3ヘクタールのエリアに、住宅・店舗・劇場などが一体となった約170mの高層ビルが建築される計画があり、2026(令和8)年度から2029(令和11)年度にかけて工事が予定されています。こうした周辺エリアの動きも注目しておきたいところです。
- 掲載日
- 2023/03/29
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。