天王寺公園大阪市阿倍野は、「あべのハルカス」や「あべのキューズモール」、「天王寺ミオ」など、大型商業施設が立ち並ぶにぎやかな街です。関西の新しい文化の発信地が続々と誕生している一方で、古墳時代に建立されたと伝えられる「阿倍王子神社」など歴史を感じられるスポットも点在しています。大正時代以降は文教の街として発展した歴史もあり、阿倍野は多彩な魅力が詰まった街といえます。
古墳時代に建立されたと言われる「阿倍王子神社」
阿部王子神社阿倍野という地名は、かつてこの地を治めていた阿倍氏に由来すると言われています。阪堺電車「東天下茶屋」停留場近くに建つ「阿倍王子神社」も阿部氏が建立したという説があります。
この「阿倍王子神社」は「熊野神社」に至る道沿いに休憩所の役割を持つ神社として造られた王子社のひとつで、大阪市内に現存する王子社の中で唯一当時の場所に残っています。やがて、阿倍野の王子社であることから「阿倍王子神社」と呼ばれるようになりました。
また、「阿倍王子神社」の北には、平安時代の陰陽師として知られる安倍晴明の生誕の地と言われる「安倍晴明神社」もあります。「安倍晴明神社」は幕末に一度衰退したものの、大正時代に「阿倍王子神社」の末社となり、現在の社殿が完成しました。第二次世界大戦中に、焼夷弾が落ちましたが爆発しなかったため、災難除けの神社として知られるようになり、今も参拝客が絶えることはありません。
『日本最古の仏教寺院「四天王寺」』
阿倍野の北には、聖徳太子により建立されたことで有名な「四天王寺」の境内が広がります。「日本書紀」には593（推古天皇元）年に「四天王寺」の造営が始まったと記されており、日本で最も古い建築様式の仏教寺院と考えられています。
「四天王寺」は、歴史の中で多くの戦禍と災害に見舞われたため、建立当時の建物は現存していませんが、今も現存する江戸時代に造られた「本坊西通用門」などにこの寺の歴史を感じることができます。
弘法大師と聖徳太子の月命日である21日と、22日に開催される縁日には、境内に多くの露店が並び、地元の方々や参拝客でにぎわいます。そのほか、元旦から始まる修正会の結願日に行われる行事で、境内で褌や鉢巻き姿の人々がお札を奪い合う「修正会結願法要（どやどや）」など、季節の祭りも多く、見どころは豊富です。
文教の街として発展した阿倍野
阪堺電車 北畠停留所大正時代になると、1921（大正10）年には「大阪高等学校」（現・「大阪大学」教養部の前身の一つ）が、1924（大正13）年には「大阪市立工芸学校」（現・「大阪府立工芸高等学校」）が校地を構えるなど、阿倍野周辺には多くの名門校が集まるようになりました。
現在も、近畿日本鉄道「大阪阿部野橋」駅と隣接するJR「天王寺」駅を中心として、西側には「大阪公立大学 医学部」、北側には男子中高一貫校の「大阪星光学院中学校・高等学校」と「四天王寺」の境内に校舎がある女子中高一貫の「四天王寺中学校・四天王寺高等学校」、東側には「大阪教育大学 天王寺キャンパス」とその附属小中高等学校、さらに大阪府内屈指の進学校「大阪府立天王寺高等学校」など、数多くの人気校がこのエリアに立地しています。
『「あべのハルカス」で自由自在な休日を』
「あべのハルカス」は、阿倍野エリアのランドマークといえる超高層複合商業ビルです。館内には、百貨店の「あべのハルカス近鉄本店」をはじめ、レストラン街「あべのハルカスダイニング」、「あべのハルカス美術館」、「大阪マリオット都ホテル」、展望台の「ハルカス300」などがあり、京都から淡路島まで見渡せる地上60階からの眺望はもちろん、ショッピングやグルメなど思い思いの楽しみ方ができます。
なかでもぜひ訪れたいのは、「あべのハルカス美術館」と「大阪マリオット都ホテル」です。「あべのハルカス美術館」は幅広いジャンルのアートを楽しめる美術館で、さまざまな展示イベントが開催されます。「大阪マリオット都ホテル」では、19階にあるラウンジ「LOUNGE PLUS」のスイーツが人気です。季節限定の逸品や、美術館の展示とコラボした華やかな特別メニューなど、優雅な時間を満喫できます。
大阪市有数のターミナル「天王寺」駅、「大阪阿部野橋」駅
「天王寺」駅阿倍野には、JR大阪環状線、JR関西本線、JR阪和線、Osaka Metro御堂筋線、Osaka Metro谷町線が乗り入れる「天王寺」駅と近鉄南大阪線の「大阪阿部野橋」駅が隣接し、大阪市内でも有数のターミナルとして機能しています。
特にOsaka Metro御堂筋線は、「難波」駅や「梅田」駅、「新大阪」駅を通る便利な路線で、大阪市中心部への移動や東海道・山陽新幹線の利用もスムーズです。「天王寺」駅からは「関西空港」行きの「特急はるか号」や関空快速が出ているほか、「大阪阿部野橋」駅からは「大阪空港（伊丹空港）」へ向かうリムジンバスがあり、空港への移動にも便利です。
2019（令和元）年のファッションビル「Hoop」のフードエリアリニューアルに続き、2022（令和4）年には「あべのハルカス」の食料品売場がリフレッシュオープンするなど、阿倍野エリアの話題は尽きず、今後も引き続き注目を集める街となりそうです。
- 掲載日
- 2022/12/12
本記事は、（株）ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。
