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【新百合ヶ丘】計画的なまちづくりで駅前を中心に発展してきた川崎市の新都心

 
王禅寺地区

県内の高級住宅街としては、比較的新しい時期に建設された新百合ヶ丘の街。駅前の利便性がありながら、県内有数の高級住宅街として知られる上麻生地区を中心に、王禅寺地区、万福寺地区、山口台地区など落ち着いた街並みが人気のエリアです。

 

農住都市構想をもとに開発が進められた新百合ヶ丘
新百合ヶ丘駅

数々のテレビドラマの舞台にもなってきた人気の街「新百合ヶ丘」。その計画的に整備された街並みは全国的にも評価が高く、建設省(現・国土交通省)の「都市景観100選」にも選ばれています。

かつては雑木林が広がる丘陵地だったこのエリアの開発が始まったのは1970年頃のこと。1974(昭和49)年6月には、当時東京都などにより開発が進められていた多摩ニュータウンへのアクセス路線として小田急線の新線(多摩線)が開通すると同時に、その分岐駅となる新駅「新百合ヶ丘」駅が、「百合ヶ丘」駅と「柿生」駅の間に建設されました。

その3年後の1977(昭和52)年に「新百合丘駅周辺土地区画整理組合」が設立、駅周辺の大規模な土地区画整理がスタートしました。1983(昭和58)年には、この「新百合ヶ丘」駅周辺地区が川崎市の新都心として位置づけられ、商業・行政の拠点を含む複合的な都市づくりが進められ、駅周辺の土地区画整理は1984(昭和59)年度に完了しました。

新百合ヶ丘の特徴は、地元と行政が一体となって開発を進めたという点にあります。1960年代後半に提唱された、農業と都市との共生を目指した「農住都市構想」に基づき、地元住民の意見や要望を反映させながら開発に取り組んできたことが、現在の新百合ヶ丘の美しい街並み、住み心地の良さにつながっているといえそうです。

 

豊富な自然環境が印象的な街並み
「万福寺檜山公園」の様子

新百合ヶ丘の街並みで特徴的なのが、宅地と緑地や公園のバランスです。「新百合ヶ丘」駅周辺には、「万福寺檜山公園」や「弘法松公園」、「山口白山公園」など緑豊かな公園も点在しており、駅から徒歩圏内に自然があふれています。

また、麻生川沿いの桜並木は春に桜が咲き誇り、花見スポットとして知られています。これは、1968(昭和43)年から始まった「麻生川沿岸土地改良事業」に合わせて行われた苗木の植樹が成長したもので、1994(平成6)年からは「麻生川桜まつり」も開催されています。

かつて里山が広がっていた新百合ヶ丘の中で、「新百合山手」と呼ばれる万福寺地区でも、もとの自然環境を保全し、継承していくための公園や緑地を重視したまちづくりが行われてきました。

駅北側の約37ヘクタールに及ぶこの「万福寺土地区画整理事業」は2000(平成12)年に組合が認可されてから、2008(平成20)年まで行われました。その中で、地区全体の約25%が公園・緑地として整備されるなど、かつてから親しまれてきた里山を残しこれからも保全していくための仕組み作りも行われました。

豊かな自然環境を残したまちづくりによって出来上がっている新百合ヶ丘の落ち着いた街並みが、多くの人を引き付ける理由の一つでもありそうです。

 

「芸術のまち」として芸術・文化の薫り高い住宅地に
川崎市アートセンター

「芸術のまち」であることも、住宅地としての新百合ヶ丘の価値を高めている要素の一つでしょう。

「麻生音楽祭」のスタート、「日本映画学校」や「昭和音楽芸術学院」の「新百合ヶ丘」駅前への移転など、以前から芸術文化の薫り高い地域でした。その勢いを加速させたのが、1991(平成3)年に川崎市が打ち出した、「新百合ヶ丘」駅周辺を中心に芸術文化振興の拠点づくりを目指すという「芸術のまち構想」でした。

2007(平成19)年には駅から徒歩3分の地に「川崎市アートセンター」がオープンしました。ガラス張りのエントランスが印象的な洗練された建物で、小劇場、映像館をはじめ工房、映像編集室、録音室などさまざまな芸術活動に対応しています。

これと前後して、アートなイベントも多数開催されるようになりました。そのひとつが1995(平成7)年に始まった「KAWASAKI しんゆり映画祭」です。ボランティア主体で毎年開催されている市民参加型の映画祭で、秋の本祭のほか、夏には野外上映会も開催されています。

さらに2009(平成21)年からは年に一度の総合芸術祭「アルテリッカしんゆり」もスタートしました。音楽、オペラ、バレエ、演劇・ミュージカル、古典芸能などトップアーティストのパフォーマンスを堪能できる絶好の機会であり、その一環として開催される「アート市 in アルテリッカ」も毎年大好評です。

ほかにも、2018(平成30)年6月から「新百合ヶ丘」駅南口で定期開催されている関東&沿線最大級のマルシェ「しんゆりフェスティバル・マルシェ」や、冬のイルミネーション「kirara@アートしんゆり」など、新百合ヶ丘ならではのイベントが次々と生まれ、そして定着してきています。

多くの芸術家や文化関係者が移り住み、「昭和音楽大学」や「日本映画大学」のキャンパスもあり、アートを発信する場も豊富で、一年を通して芸術文化に気軽に親しめるのは住民にとって嬉しい環境といえるでしょう。

 

行政・商業の中心としても発展
新百合丘オーパ

「新百合ヶ丘」駅周辺に集中している生活利便施設の数々も、快適でゆとりある暮らしを演出してくれます。駅の南側には「新百合丘オーパ」や「イオンスタイル新百合ヶ丘」、「新百合ヶ丘エルミロード」、バラエティ豊かな専門店が集まった「新百合ヶ丘マプレ」などの大型商業施設が充実しています。

駅の北側は、南側に比べると静かな雰囲気です。駅北口から徒歩2分の好立地にある「麻生区役所」や「麻生図書館(麻生文化センター内)」などの公共施設のほか、医療施設などもあります。

1982(昭和57)年に麻生区が誕生し、翌年に川崎市の新都心と位置付けられたことで駅周辺地区は、行政の中心地としても発展してきた経緯があります。

商業、行政の中心地でもある新百合ヶ丘のこれからの進化にも期待が高まります。

掲載日
2019/10/15

本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。

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