【築地】「築地市場」跡地の活用方針が決定
2018(平成30)年11月に「豊洲」へ移転し、閉場した「築地市場」。移転決定後に議論が進められてきた「築地市場」跡地の活用に関して、2019(平成31)年3月、東京都は「築地まちづくり方針」を策定しました。
「築地まちづくり方針」では築地の将来像について、国際会議場(MICE施設)等の機能を中核として、築地ブランドを含む新たな東京ブランドを創造・発信する拠点、文化・芸術、テクノロジー・デザイン、スポーツ・ウェルネスなどの機能が融合した拠点とする姿が描かれています。
敷地を4つのブロックに分けて、それぞれのゾーンに機能を持たせます。
具体的には、「交流促進ゾーン」には都民に開かれた舞台ともなる大規模な集客・交流施設や、新たな東京ブランドの創出に資する研究開発施設です。
「おもてなしゾーン」には、国際競争力向上に必要な展示場機能を備えた質の高い国際会議場、ボールルームなどを備えた上質なホテル。「ゲートゾーン」には、「浜離宮恩賜庭園」などとも連携する交通ターミナル機能や防災機能、ホテル、サービスアパートメント。「水辺の顔づくりゾーン」は、水辺を活用して賑わい空間を創出し、アメニティ性の高い広場や緑地、レストランなどをイメージしています。
今後は、将来像の実現に向けて民間からの提案を受けるため、事業実施方針や事業者募集要項を作成・公表し、官民の役割を明らかにしながら、より具体的な条件等を示していく予定となっています。
また、整備に向けて都市計画案を作成するなど、必要な手続等も順次進め、民間の知恵やノウハウを最大限に生かす観点から、必要に応じて民間ヒアリングも行っていくとしています。
中央区では勝どき、豊海町、晴海など、臨海部の大規模開発により人口が急増したことによる交通需要の増加や、東京2020オリンピック・パラリンピック終了後の、選手村跡地の大規模住宅供給に伴う急激な人口増加による交通需要が見込まれていることから、交通需要の大幅な増加への対応や、交通弱者等の移動支援等の都市交通の課題解決に向けて、2014(平成26)年度から臨海部と都心部を結ぶ地下鉄新線の導入に関する調査検討を進めてきました。
この地下鉄新線は、2016(平成28)年4月の交通政策審議会で答申された「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」でも、「都心部・臨海地域地下鉄構想の新設及び同構想と常磐新線延伸の一体整備(臨海部~銀座~東京)」として「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」に位置づけられました。
計画では、東京メトロ「銀座」駅付近に「新銀座」駅を設置し、ここを起点に「新築地」駅、「勝どき」駅、「晴海」駅、「新市場」駅の各駅を経由し、りんかい線の「国際展示場」駅付近の「新国際展示場」駅に至る全長約4.8kmのルートが想定されています。
一方で、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申の中では、「都心部・臨海地域地下鉄構想は事業性に課題があり、検討熟度が低く構想段階であるため、関係地方公共団体等において、事業主体を含めた事業計画について、十分な検討が行われることを期待」、「事業性の確保に向けて、都心部・臨海地域地下鉄構想と常磐新線(つくばエクスプレス)延伸を一体で整備し、常磐新線との直通運転化等を含めた事業計画について、検討が行われることを期待」という課題も挙げられています。
答申では、常磐新線(つくばエクスプレス)の「東京」駅延伸も「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」に位置付けられており、この路線と一体整備することが提案されています。中央区が行った調査では、「新国際展示場」駅からお台場、中央防波堤を経由して「羽田空港」に至る構想案も示されています。
- 掲載日
- 2019/10/15
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。