【神宮前】多様なカルチャーに富みながら、落ち着いた住環境も兼ね揃える街
渋谷区神宮前は、「原宿」駅~「明治神宮前<原宿>」駅~「表参道」駅にかけて広がる街です。表参道、竹下通り、明治通り沿いを中心に有名ブランドの旗艦店やセレクトショップ、カフェなどが点在する最新トレンドの発信エリアとして賑わいを見せる一方、大通りから一歩入ると洗練された落ち着いた雰囲気の住宅地が広がる一面も持ち合わせています。
かつては「千駄ヶ谷村」「穏田村」「原宿村」に分かれており、現在の地名になったのは1965(昭和40)年です。1945(昭和20)年の東京大空襲によって大きな被害を受けましたが、復興の過程で文化や流行の発信地として注目されるスポットとなりました。
周辺を見渡すと、北には代々木、「新宿御苑」、西に「明治神宮」と「代々木公園」、東には神宮外苑や「青山墓地」が広がっており、都心では珍しい豊かな緑に囲まれたエリアであるといえます。
サブカルチャー発信の地・原宿の「竹下通り」や、ブランドショップやヴィンテージショップが並ぶ「キャットストリート」、アパートの建て替えにより誕生した複合商業施設「表参道ヒルズ」など、多くの人々がその名を知っている買い物スポットが集まっています。若者中心のカルチャーが渦巻く原宿に、洗練された大人の雰囲気が漂う表参道と、表情の違う神宮前エリアを楽しむことができるため、訪れる人や目的によってさまざまな選択肢を楽しめる街と言えるでしょう。
建築界の名匠、安藤忠雄氏によるつくりが印象的な「表参道ヒルズ」や、“渦”にインスピレーションを受けてできたという隈研吾氏が設計した「GYRE」、箇所に見られるウッド調のデザインが特徴の「ONE表参道」など、買い物スポットを巡りながら建築物も楽しむことができるのはハイセンスな神宮前ならではのポイントです。
「ONE表参道」は「LOUIS VUITTON」「Dior」「FENDI」などのハイブランドを束ねる「LVMH」グループのファッションビルです。地下1階から2階まではグループ傘下にある「CELINE」や「LOEWE」などの店舗が軒を連ねており、どの店舗もその規模は国内最大級を誇ります。
神宮前は、東京都文教地区建築条例の規定により一丁目~四丁目全域、および五・六丁目の一部が「文教地区」と定められているため、一部業態の店舗の営業が規制されています。それ故に、多様な文化が行き交う街の賑わいがありながらも、洗練と落ち着きのある雰囲気が守られています。
周辺には進学校として有名な「東京都青山高等学校」をはじめ教育施設や美術館が多く集まっているほか、各国の大使館も点在しており、国際色豊かな雰囲気漂う大人の街としても知られています。
このエリアは交通の利便性も高く、都心ならではのアクセスのよさも大きな魅力となっています。「明治神宮前<原宿>」駅から東京メトロ千代田線を利用すれば、大手町や日比谷、赤坂へダイレクトに行くことができるのに加え、一部の列車は、北は常磐線、南は小田急線に乗り入れをするため、より広範囲の移動が可能になります。東京メトロ副都心線は路線名の通り、渋谷や池袋、新宿など、副都心へのアクセスが抜群です。こちらも北は東武東上線、南は東急東横線や横浜高速鉄道みなとみらい線に乗り入れする点もポイントです。
「明治神宮前<原宿>」駅のほか、JR山手線「原宿」駅、東京メトロが3路線通る「表参道」駅も徒歩圏内のため、各方面へスムーズにアクセスが可能です。
神宮前の「神宮」とは、「代々木公園」内に位置する「明治神宮」に由来しており、その名の通り、神宮前の西側には「明治神宮」の敷地が広がります。明治天皇・昭憲皇太后を祀るため1920(大正9)年に創建された、人工の杜は、表参道や原宿など、都内でも有数の賑わいを見せるエリアがすぐそばにありながら、その敷地は約70万平方メートルととても広大です。
鳥居をくぐると、都会の喧騒を忘れてしまうほど豊かな自然に心が落ち着きます。そのアクセスの良さからも全国から参拝客が訪れるほか、パワースポットとしても知られています。多くの人々にとって憩いの場となっている敷地内には、宝物殿や武道場なども建っています。
ちなみに、「表参道」とは1919(大正8)年に「明治神宮」の参道として整備された大通りそのものを指しており、通り沿いに並ぶケヤキ並木は、エリアを象徴するスポットのひとつとして有名です。
このケヤキ並木は、「明治神宮」鎮座の翌年となる1920(大正9)年に植樹されたものです。この時に植えられたケヤキの大部分は1945(昭和20)年の東京大空襲によって焼失してしまったものの、一部のケヤキは現在も残っており、戦後、新たに植えられたケヤキも現在は大きく成長し、東京都内を代表する並木道になっています。
「明治神宮」の南西に広がる「代々木公園」は、陸軍の「代々木練兵場」があった場所で、戦後は、兵舎や軍関係者の家族用住宅「ワシントンハイツ」が建てられました。1961(昭和36)年にこの施設は日本に返還されることが決定し、1964(昭和39)年の「東京オリンピック」で「代々木選手村」として一部が使用された後に再整備が行われ、1967(昭和42)年に「代々木公園」として開園しました。
23区内の都市公園として4番目に広い公園で、園内には陸上競技場やサッカー・ホッケー場などスポーツ施設が多いことが特徴です。園内には噴水のある広場やドッグランなどがあり、緑のなかで思い思いの時間を過ごすことができます。バードサンクチュアリでは野鳥観察も楽しめます。1年を通じ、ざまざまなイベントの会場になっていて、休日には多くの人々が訪れています。
今ではファッションをはじめ最新トレンドが発信エリアとして知られていますが、「神宮前熊野神社」や「東郷神社」、「隠田神社」など歴史に基づく由緒あるスポットも点在し、古きと新しきがうまく混在している街と言えるでしょう。
- 掲載日
- 2019/10/15
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。