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【三鷹市】7つのコミュニティ住区を単位とした自主防災組織による活動など、市民と一体で進める三鷹市の防災対策

 

三鷹市は武蔵野台地の中央部南端にあり、東は杉並区・世田谷区、西は小金井市、南は調布市、北は武蔵野市に隣接しています。

かつてこの地には、徳川家康および御三家が鷹狩を楽しんだ「鷹場の村」が集まっていました。「三鷹」という地名は、野方領・世田谷領・府中領という三つの領地にまたがるかつての鷹場の村々が集まってできたことに由来すると言われています。

三鷹市の西端には「国分寺崖線」と呼ばれる急斜面があります。

この崖線を境にして、野川が流れる側の低い面が「立川段丘」、市域のほとんどを占める一段高い面が「武蔵野段丘」、そして牟礼(むれ)にある法政大学中学校・高等学校付近にはさらに高い面「下末吉段丘」が少し残されているという地形になっています。

神田川・仙川・野川という3本の河川が、市内をほぼ平行して流れているのも、三鷹市の特徴です。

三鷹市には現在、7つのコミュニティ住区があります。コミュニティ住区とは、各地域の特性や人のまとまりを踏まえ、それぞれの特色あるまちづくりを進めるために配置された区域です。

国分寺崖線の自然を感じる「大沢住区」、農の風景が広がる「東部住区」、武蔵野の面影が残る「西部住区」、緑と水を感じる住宅地「井の頭住区」、坂と川と緑のまち「新川中原住区」、産業と商業が元気な「連雀住区」、そして三鷹の玄関口「三鷹駅周辺住区」と、それぞれ特色あるコミュニティが形成されています。

このように豊かな自然と文化が息づく三鷹市では、住民が安心して日々を過ごせるよう、さまざまな防災対策が行われています。

地域の防災計画の基本 ~震災、風水害に加えて富士山噴火対策なども追加~

2021(令和3)年7月、三鷹市では「三鷹市地域防災計画」の改定を行いました。

今回の改定では、これまでの「震災編」と「風水害編」のほか、「富士山等噴火降灰対策編」と「大規模事故対策編」の2編を追加し、全4編構成としています。

このうち「震災編」では、例えば多摩直下地震(市内最大震度6強)が起きた場合の被害想定として死者59人、負傷者1,298人、建物全壊棟数846棟、上下水道断水率32.7%などの数字を示し、被害を軽減するための施策をまとめています。

三鷹市わがまちマップ(防災マップ)

また、いざという時に市民が適切な行動をとれるように、「三鷹市防災マップ」および「三鷹市浸水ハザードマップ」を作成・配布しています。

これらは、パソコンやスマートフォンなどを使って電子地図「三鷹市わがまちマップ」で閲覧することもできます。

「三鷹市わがまちマップ」は市内の公共施設などの情報検索、目標地点からの距離測定、道順などの作図機能を備えたもので、さまざまなコンテンツが用意されています。

 

防災マップ ~災害時の避難場所を知ろう~
三鷹市防災マップ

「三鷹市防災マップ」は、大地震などが発生した時の一時避難場所・広域避難場所、避難所、飲料水や生活用水の給水所などの位置が一目でわかるようになっています。

広域避難場所としては「井の頭恩賜公園」、「野川公園」、「神代植物公園」などの大規模公園や、「国際基督教大学」、「ルーテル学院大学」などの教育施設のほか、「国立天文台」や「大沢総合グラウンド」などが指定されています。

また防災マップには、7つのコミュニティ住区に1ヵ所ずつ設置される「災害時医療救護所」および、「医療拠点」(市内7病院)も落とし込まれています。

三鷹市では震度6弱以上の地震が発生した際は、診療所等を閉院し、これらの災害時医療救護所や医療拠点に医療を集中させる体制を整えています。

 

各種ハザードマップ ~水害や土砂災害から身を守るために~
三鷹市浸水ハザードマップ

「三鷹市防災マップ」の裏面は、「三鷹市浸水ハザードマップ」となっています。これは、野川・仙川流域、神田川流域、城南地区河川流域について、大雨の際に想定される浸水の範囲・深さおよび避難所等を示したものです。

想定される最大の水深となるデータが5段階の色分けで表示されており、自分や家族の生活範囲の浸水リスクはどうなっているか、どの方向へ避難すればよいかなどを確認するのに役立ちます。

さらに、市内23ヵ所(うち市境2ヵ所)の土砂災害警戒区域(イエローゾーン)・土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を示した「三鷹市土砂災害ハザードマップ」もあり、避難所の位置や避難方向なども記載されています。

 

防災学習 ~いざという時の知識を身につけよう~

三鷹市では、7つのコミュニティ住区ごとに自主防災組織が結成され、「自分たちのまちは自分たちで守ろう」を合言葉に活動を行っています。

災害が発生した際、行政が対応しきれない救出・救助や避難誘導などにおいて、これらの自主防災組織が大きな役割を果たします。

毎年9月1日の防災の日を中心にコミュニティ住区単位で行われる「総合防災訓練」も、それぞれの自主防災組織が地区の実情に応じた内容の訓練を企画し、実施しています。

また三鷹市では、自助・共助の支援という観点から、市の防災課の職員が地域に出向いて防災対策について説明する「防災出前講座」という取組みも行っています。

在宅避難のすすめパンフレット

災害時、自宅が安全であれば、避難所ではなく「在宅避難」も可能です。三鷹市では「在宅避難のすすめ」として、住まいの中の防災対策のポイントや日常備蓄品目について、わかりやすくまとめています。

また、ペットがいる家庭での災害への備えや、避難所にペットと同行避難する場合の注意点など、「ペットの防災対策」についてもリーフレットを作成して注意喚起しています。

さらに獣医師会と連携して、発災後の動物救護等活動マニュアルの整備も行っています。

 

災害時の被害軽減 ~地域や家庭で備えを~
「三鷹」駅駅前に防災空間の確保が計画されている、「三鷹」駅の様子

三鷹市では、「木造住宅耐震診断等助成制度」や「木造住宅耐震改修工事等助成制度」を設け、既存の木造住宅に対する耐震診断費用の一部や倒壊の危険性がある住宅の耐震改修工事の費用の一部を助成しています。

このほかブロック塀などの倒壊による災害の発生を防ぐため、「ブロック塀等撤去助成制度」を設けて一定の条件を満たすものについて助成を行っています。

また、現在計画中の「三鷹駅南口中央通り東地区再開発事業」において、密集化・老朽化した建物の協同ビル化を図ることで三鷹駅前地区に防災空間を確保するなど、防災に強いまちづくりにも力を入れています。

さらに、東日本電信電話株式会社と連携協力し、デジタル技術を活用した多様なまちづくりの一つとして「防災・減災」についても重点的に取り組まれています

三鷹市ではこのように、各地域・コミュニティに適した防災対策を進めるとともに、先進技術を活用した対策にも積極的に取り組んでいます。

掲載日
2021/12/21

本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。

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