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【神戸市】大震災の経験と教訓を踏まえ、「減災」の思想をいち早く取り入れた神戸市の防災対策

 
神戸市役所神戸市役所

神戸市は兵庫県の南部に位置する自然豊かな都市で、市域は六甲山系によって南北に二分されています。

大阪湾に面した南側は、東西に細長い山麓台地や海岸低地からなり、市の人口の約7割が住む市街地が広がっています。六甲山系の北側は標高300m以上の丘陵地が波状に広がり、西側は緩やかな丘陵と播磨平野に連なる平野部からなります。

また市内には表六甲水系、明石川水系、加古川水系など多くの河川が流れています。

1995(平成7)年1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」は、この神戸市に甚大な被害をもたらしました。家屋の倒壊により多くの命が失われ、神戸港・道路・鉄道などの都市基盤施設も壊滅的な被害を受けました。

神戸市ではその震災および復興過程の経験・検証から、ハードの施設は大規模災害に対して万全ではないことを知り、生命など守るべきものはしっかり守りつつ被害を最小限に抑える「減災」の思想をいち早く取り入れて防災・減災対策に取り組んでいます。

防災情報を集約した「KOBE防災ポータルサイト」
KOBE防災ポータルサイト「SONAE to U?」KOBE防災ポータルサイト「SONAE to U?」

神戸市では防災に関するあらゆる情報を集約した「KOBE防災ポータルサイト」(愛称:SONAE to U?)を運営しています。阪神・淡路大震災から長い年月が経過し、震災を経験していない世代が増える中、防災について気軽に楽しみながら考え行動してもらうことを目的としています。

サイトは主に、災害気象情報や交通状況、ライフライン情報など【緊急災害情報】、災害に関する知識やハザードマップ、日頃の備え、避難行動などをまとめた【備える】、地域や各団体の取り組みなどを紹介する【活動する】、過去の災害を振り返りこれからの備えに役立てる【振り返る】、防災クイズ・ゲームや防災工作コーナーなど楽しく学べる【学習する】で構成されています。

防災スマートフォンアプリ「KOBEそなえとう」は避難マップや緊急MEMOなどを掲載したアプリで、「KOBE防災ポータルサイト」の情報を確認することもできます。緊急MEMOには自分と家族に関する情報、災害時の避難先、持ち物リストなどの情報を登録しておくことができます。

これらのサイトやアプリは、いつ来るか分からない災害に備えて、日頃から防災意識を高め万全の備えをしておくために大いに役立ちます。

 

自分たちのまちは自分たちで守る!自主防災組織「防災福祉コミュニティ」

神戸市では以前より各地区で「自主防災推進協議会」が結成されていましたが、初期消火や救出・救護、避難誘導といった災害活動の位置付けが弱く、阪神・淡路大震災では十分に機能しない地域がありました。

震災後はその教訓をもとに、防災福祉コミュニティ事業を立ち上げ、1997(平成9)年度からは本格的に自主防災組織「防災福祉コミュニティ」の結成が図られました。現在は市内全域の192地区で活動を行っています。

神戸市防災福祉コミュニティ組織図神戸市防災福祉コミュニティ組織図

自主防災組織といえば一般的に「自治会」単位としているところが多いのに対し、神戸市では概ね「小学校区」単位としているのが特徴です。自治会単位に比べると範囲が広く、全体として活動するには労力が必要である一方、各種住民団体が集まった比較的大きな組織なので、災害時に組織的な活動を行いやすいといえます。

平常時は防災訓練や応急手当など、いざという時に備えた活動を行うとともに、防災講演会の開催やチラシの作成・配布など普及啓発にも取り組みます。また災害が発生した時は、普段の訓練の成果を発揮し、災害の初期対応を行います。

また、北区にある「神戸市市民防災総合センター」では、市内在住・在勤・在学の人を対象に「防災体験学習」を実施しています。

地震体験車での大地震の揺れの体験、暴風雨体験、搬送体験、VRゴーグルを装着しての土石流の疑似体験など、日頃は体験できないさまざまなメニューを用意し、市民一人一人の防災意識の向上につなげています。

 

1月17日は「市民防災の日」

神戸市では、震災を忘れず、後世に語り継ぐために1月17日を「市民防災の日」とし、この日を中心にさまざまな関連行事を実施しています。

震災から27年目を迎えた2022(令和4)年には「神戸防災のつどい2022」、「マイトライアル1.17」、「神戸市1.17防災訓練『STEP』」などが行われました。

「神戸防災のつどい2022」のポスター「神戸防災のつどい2022」のポスター

「神戸防災のつどい2022」では活動発表会、ワークショップ、講演会などが行われました。

活動発表会では、次世代を担う若者として、防災福祉コミュニティに所属する防災ジュニアチーム5団体および「東日本大震災から10年~未来へ思いを紡ぐ大学生プロジェクト~」参画メンバーが、日頃の防災活動に関する発表や意見交換を実施しました。

「マイトライアル1.17」は市民が誰でも1月17日に参加できる防災活動です。「神戸市シェイクアウト訓練」や「LINEを活用した災害情報共有訓練」をはじめ、個人や家庭、地域団体、事業所などで気軽に取り組めるメニューが用意され、参加後はその体験のSNSでの発信・共有も呼びかけています。

「神戸市1.17防災訓練『STEP』」は、2022年は神戸市立灘の浜小学校の全児童を対象にした訓練が行われました。

「マイトライアル1.17」は市民が誰でも1月17日に参加できる防災活動です。「神戸市シェイクアウト訓練」や「LINEを活用した災害情報共有訓練」をはじめ、個人や家庭、地域団体、事業所などで気軽に取り組めるメニューが用意され、参加後はその体験のSNSでの発信・共有も呼びかけています。市内では「市民防災の日」以外でも年間を通じて防災イベントが行われています。「KOBE防災ポータルサイト」の新着情報コーナーもぜひチェックしてみてください。

 

注目を集める神戸市の「防災教育」

阪神・淡路大震災は、学校教育のあり方を見直すきっかけにもなりました。震災・復興から学んだ教訓を学校教育の中でも生かしながら子どもたちの「生きる力」を育んでいこうと、地震対応を含むさまざまな防災教育の推進に力を注いでいます。

神戸市の防災教育の特長の一つが、副読本『幸せ 運ぼう』など教職員によって開発された豊富な教材です。

『幸せ 運ぼう』は防災教育の副読本として全国に先駆けて作成されたもので、小学校低学年用・高学年用、中学生用の3種類があり、2011(平成23)年の東日本大震災の教訓も学ぶことができるような大幅な改訂も行われています。

また、各教科への「防災教育カリキュラム」の位置付け、震災追悼行事や防災訓練など各学校等の創意あふれる実践、地域団体や大学などとの連携、子どもたちの地域行事・ボランティア活動への参加なども特長として挙げられます。

東日本大震災の際は、直後から神戸市の多くの学校で子どもたちによる被災地への自主的な支援活動が始まったなど、防災教育の成果が表れているようで、神戸市の防災教育は全国的にも注目を集めています。

神戸市ではこのように震災の教訓を生かしながら、自ら考え・判断し・行動する「自己決定力の向上」を基本理念とし、防災・減災に取り組んでいます。

掲載日
2022/06/24

本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。

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