【巣鴨】魅力再発見。その暮らしやすさから、世代を超えて注目を集める街・巣鴨
巣鴨といえば「おばあちゃんの原宿」として知られているように、高齢者の街というイメージを持っている方も多いことでしょう。しかし、交通アクセスがとても便利、買い物など生活利便性が高い、山手線沿線にしては物価が安め、人の温もりが感じられる、「池袋」が近いなどの理由から、最近は若者や子育て世代からも注目を集めているようです。
「巣鴨」駅付近から旧中山道沿いに約780mにわたって延びる「巣鴨地蔵通り商店街」は、「おばあちゃんの原宿」として全国的にも有名な商店街です。ここは江戸時代、日本橋から中山道を出発して最初の休憩所があった場所で、江戸中期から多くの人でにぎわい続けてきた商売の街としての長い歴史があります。
「地蔵通り」という名は、商店街の途中にある「高岩寺」のご本尊である延命地蔵菩薩(とげぬき地蔵)から来ています。高岩寺はかつては現在の「上野」駅近くにありましたが、1891(明治24)年に巣鴨に移転してきたことで、巣鴨は商売の街に加えて信仰の街としても人気を集めるようになりました。
高岩寺の境内にある「洗い観音」は、自分の体の悪い部分と同じ場所を洗うと良くなるという言い伝えがあり、行列が絶えることがありません。また、毎月4・14・24日には縁日が開催され、地蔵通り商店街はいつも以上に大にぎわいとなります。
通り沿いには食事処、甘味処、純喫茶、和菓子屋、衣料品店など約200店が立ち並び、昭和チックな懐かしさと人情味あふれる雰囲気が魅力です。「ときわ食堂」、「元祖 塩大福みずの」、「あんぱんの喜福堂」、「おいもやさん興伸」など人気店も多く、食べ歩き目的に訪れる人も多いようです。
巣鴨地蔵通り商店街には生鮮食料品店や日用雑貨店なども点在し、地元住民の日常の買い物スポットとしても重宝しています。また、商店街以外にも巣鴨は買い物施設が充実しています。
駅ビル「アトレヴィ巣鴨 」は5階建てで、高級スーパーマーケット「成城石井」や500円以下の商品を集めた「無印良品500」をはじめレストラン、カフェ、フラワーショップなどが入っています。22時まで営業しているのもうれしいポイントです。
駅周辺にはほかにも、深夜0時まで営業の「サミットストア 巣鴨店」や24時間営業の「西友 巣鴨店」、コストコ再販店「リコス巣鴨1丁目店」といったスーパーマーケットや、ドラッグストア、コンビニエンスストアが数多く集まっており、仕事帰りなどにも手軽に買い物を済ませることができます。
「巣鴨」駅からはJR山手線と都営三田線の2路線が利用可能です。
山手線では、2駅・約5分の「池袋」駅をはじめ「新宿」駅、「渋谷」駅、「東京」駅、「品川」駅など主要駅へ約30分以内でダイレクトアクセスできます。山手線はほとんどの駅が別の路線に接続しているので、1回の乗り換えでたいていの場所に行けるのが便利です。
都営三田線は大手町や日比谷などに直結しているほか、山手線の反対側の田町エリア(「三田」駅からすぐ)へも短時間でアクセスできます。「目黒」駅からは東急線に接続しているので神奈川方面へもスムーズです
地蔵通り商店街を抜けた先にある「庚申塚」駅からは、東京で現存する唯一の路面電車「都電荒川線」でのんびりと下町プチ旅行を楽しむこともできます。また「巣鴨」駅周辺からは浅草方面へ向かうバス便も出ています。
巣鴨のある豊島区は「子どもと女性にやさしいまち」を目指し、子育て世代が住みやすい街づくりを進めています。豊島区の待機児童はかつて多い年には270名まで増加していましたが、その後、積極的に私立認可保育所の誘致を進め、2020(令和2)年度以降は連続で「待機児童ゼロ」を達成しています。2019(令和元)年度には「豊島区保育の質ガイドライン」を制定し、安心して子供を預けられる環境整備にも取り組んでいます。
こうしたさまざまな取り組みの結果、『日経xwoman』と日本経済新聞社による「共働き子育てしやすい街ランキング2022」で、豊島区は総合1位に選ばれています(前年は17位)。保育所の充実度に加え、「女性のキャリア支援」「女性の就労を後押しするための男性の意識改革への支援」「自治体の男性正規職員の育休取得率」など、子育て支援のみならず「女性が働きやすい環境」をサポートするための施策も評価されたようです。
巣鴨周辺には、自然豊かなスポットや子供がのびのび遊び回れる公園も数多くあります。
「巣鴨」駅から東方向にある「六義園」は、小石川後楽園とともに江戸の二大庭園に数えられていた回遊式築山泉水庭園です。五代将軍・徳川綱吉もたびたび訪れていたという歴史ある庭園で、春のシダレザクラ、初夏のツツジ、秋の紅葉など季節ごとに美しい風景を楽しめます。
駅の北側エリアに広がる「染井霊園」は、幕末から明治にかけて活躍した大名や活動家、学者が多く眠る霊園です。緑豊かな散策スポットとしても人気で、ソメイヨシノの名所として知られています。
さらにその北側に広がる「西ヶ原みんなの公園」は、東京外国語大学キャンパス跡地に整備された防災公園で、大きな芝生広場やじゃぶじゃぶ池、複合遊具、ビオトープなどがあり、地域住民の憩いの場として親しまれています。
駅の西側エリアには豊島区立の「巣鴨公園」もあります。さまざまな遊具のほか、ボール遊びができる「キャッチボール場」もあり、思いっきり体を動かして遊べます。
このように巣鴨は、活気あふれる観光スポットであると同時に、生活利便性が高くすべての世代に優しい街といえます。白山通りの西側(地蔵通り商店街がある側)と東側では住宅地の雰囲気が異なりますし、「六義園」周辺には「大和郷(やまとむら)」と呼ばれる邸宅街もあります。街散策をしながら自分に合ったエリアを探してみるのも楽しいでしょう。
- 掲載日
- 2023/12/19
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。