【下北沢】さまざまなカルチャーが交錯する、暮らしの楽しみにあふれた街
「シモキタ」こと下北沢は、小田急線と京王線が交わる「下北沢」駅を中心としたエリアで、東京都世田谷区の北東部にあります。サブカルチャー発信地として独自の文化が根付く街であり、国際的な情報誌「タイムアウト」が発表した「世界で最もクールな街」で2位(2019年)や7位(2022年)にランクイン するなど世界的な注目度も高まっています。近年の再開発でより暮らしやすい街へと生まれ変わっており、新しい駅前広場の整備も進行中です。
ライブハウスがひしめき合う下北沢は「音楽の街」として知られ、多くのアーティストたちがこの街を拠点に活動を行ってきました。1990年代からは世代を超えて音楽を楽しむ“異世代共存響声”の「下北沢音楽祭(旧・北沢音楽祭)」が毎年開催されており、街全体が音楽を通じてつながり、盛り上がります。
下北沢は「演劇の街」でもあります。ランドマーク的存在の「本多劇場」をはじめ、舞台との距離が近く臨場感が魅力の小劇場、ホール等が数多く集中しており、いつでも気軽に演劇を楽しむことができます。
「古着」も下北沢の代表文化の一つです。安くておしゃれな古着から高価なヴィンテージものまで、個性的な古着屋が密集し、街歩きしながら古着屋巡りも楽しめます。
また近年は多くのカレー店が軒を連ねる「カレーの街」としても知られ、毎年10月の「下北沢カレーフェスティバル」は今や下北沢の名物イベントとなっています。
交通アクセスの良さも下北沢の大きな魅力です。「下北沢」駅からは小田急小田原線と京王井の頭線の2路線が利用でき、新宿・渋谷どちらへも電車1本で10分以内という好立地です。
小田急小田原線は、快速急行や急行を含めて全ての列車(特急ロマンスカーは除く)が停車し、「新宿」駅へは急行利用で2駅・8分ほどでアクセス可能です。一部の列車は東京メトロ千代田線に乗り入れているので、「表参道」駅や「大手町」駅、千葉方面へも乗り換えなしで行くことができます。
京王井の頭線も急行停車駅となっており、「渋谷」駅へは急行で1駅・約3分、各駅停車でも7分ほどでアクセス可能です。「明大前」駅や「吉祥寺」駅へも1本で、そこから京王線やJR中央線に乗り換えることもできます。
「下北沢」駅を含む小田急線「東北沢」駅~「世田谷代田」駅の区間は、2013(平成25)年3月に地下化され、交通渋滞の原因となっていた9カ所の踏切が廃止されました。さらに小田急線の複々線化によって便の増発、所要時間短縮など一層便利になりました。
駅の地下化で生まれた全長約1.7kmの線路跡地では、小田急電鉄によって「下北線路街」の開発が進められました。実験的広場「下北線路街 空き地」、駅商業施設「シモキタエキウエ」、新スタイルの商店街「BONUS TRACK」、居住型教育施設「SHIMOKITA COLLEGE」、温泉旅館、エンタメカフェ、保育園などが続々とオープンし、2022(令和4)年5月の「NANSEI PLUS」完成により全面開業となりました。
この開発の特徴は「支援型開発」をテーマとしている点です。事業者は開発を通じて街を“支援する”というスタンスに立ち、反対派を含め地元の人々と200回以上も議論を重ねながら進めた結果、下北沢独自の個性や魅力を色濃く残しながら多くの世代にとってより暮らしやすい街へと進化を遂げています。
2022(令和4)年3月には、京王「下北沢」駅高架下に「ミカン下北」も誕生しました。「常に『未完』であること」を下北沢の魅力と捉え、多様な人々がジャンルを超えて混ざり合う場所に、という思いがネーミングに込められています。
「ミカン下北」はA~Eの5街区で構成され、下北沢初出店の「TSUTAYA BOOKSTORE」や下北沢の人気店「東洋百貨店」別館など個性的なショップや飲食店と、「遊ぶように働く」を体現するワークプレイスとが同居する複合施設となっています。貸出・返却に特化した世田谷区の「図書館カウンター下北沢」も設置されています。
駅周辺には「下北沢一番街商店街」、「下北沢南口商店街」、「あずま通り商店街」など6つの商店街が広がっています。「下北沢阿波おどり」、「下北沢天狗まつり」、「シモキタ ソシガヤ ウルトラタウンフェス」など商店街主催のイベントも多く、ショッピングや飲食以外の楽しみも豊富です。
また、24時間営業の「ダイエー下北沢店」やコストコ再販店「ストックマート下北沢店」、「オオゼキ下北沢店」、「ピーコックストア下北澤店」など駅周辺にはスーパーマーケットも充実しており、食料品や日用品の調達に便利です。
「下北沢」駅の前では新たな「下北沢駅前広場(世田谷区画街路第10号線)」の整備が進められています。
駅前広場には大きなロータリーが設けられ、バスやタクシーへの乗り換えがスムーズになります。ロータリーへの車両アクセスについては、茶沢通りとつながる「補助第54号線(下北沢1期)」の整備事業が並行して進められています。
また、ケヤキ並木やサクラ・モミジの木、ひと休みできるベンチなどが配されるほか、大小さまざまなイベントの会場としての活用も想定されており、街をさらに活性化する新たなにぎわい空間となりそうです。
この整備事業は、「下北沢駅前広場プロジェクト」として寄付金を広く募り、お礼として寄付者の名前を刻んだ「名入れブロック」を広場の舗装に使用する、ということでも話題となりました。多くの人たちの想いが詰まった新しい駅前広場は、地域との意見交換を重ねながら整備が進められており、2028(令和10)年度中の完成を目標としています。
駅周辺は常ににぎわっている下北沢ですが、少し歩けば静かな住宅街が広がります。にぎわいと落ち着きが共存し、さまざまな文化が根付く下北沢はまさに「楽しく暮らす」が叶う街といえるでしょう。
- 掲載日
- 2024/03/19
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。