
名古屋市西区「庄内緑地」
西区は名古屋市の北西部に位置し、約17.9平方キロメートルの面積を持ちます。区域のほぼ中央を東西に庄内川が流れ、大部分は平野で構成されています。庄内川沿いでは「庄内緑地」など豊かな自然も楽しめます。
現在の西区の街の基盤は徳川家康が「清州城」から「名古屋城」に移る「清須越」の際に築かれました。現在も四間道や中小田井などには歴史的な街並みも残り、町並み保存地区に指定されています。
「なごや防災ガイドブック」や「区防災情報」で地域の災害リスクを確認しよう

西区防災情報
名古屋市では市民の防災に対する意識を高めるため「
なごや防災ガイドブック」を作成しています。ここには地震や津波、洪水など名古屋市で想定される災害の種類とその時の注意点、災害に備えて準備すること、災害情報の入手方法などがまとめられています。災害時にはとっさの判断が命を守ることもあります。そこで、災害発生時に迅速に行動できるよう前もって「いつ」「誰が」「どのように行動するか」を時間の流れに沿って考える「
わが家のマイ・タイムライン」の作成方法も解説しています。
名古屋市には16区があり、平野や台地、丘陵と地形も様々です。オフィス街やショッピングタウン、住宅地と街の性格も異なります。そこで区ごとに特徴や災害リスクなどをまとめた「区防災情報」も作成しています。
「
西区 区防災情報」を見ると、区域の大半が平野で洪水をはじめとした風水害のリスクが高く、地震での揺れは最大震度6強で液状化被害が想定されることが分かります。このうち風水害は事前に安全な場所に避難できる災害です。「
なごや防災ガイドブック」や「
わが家のマイ・タイムライン」、「区防災情報」は各区情報コーナーで閲覧できるほか、名古屋市の
WebサイトでPDFが公開されています。事前に確認し、地域の災害に対する知識を身に付けておくとよいでしょう。
また、名古屋市では「
名古屋市防災アプリ」を提供しています。地震や大雨に関する情報、避難情報などがプッシュ通知で受け取れるほか、地域の災害リスクも簡単に調べられます。災害時の避難先や家族との集合場所など必要情報を入力すると避難計画を作成できる機能や防災クイズ、防災アニメ動画もあり、通常時から活用したいアプリです。
ハザードマップで洪水や地震の被害想定をチェック

西区洪水ハザードマップ
名古屋市では区ごとに洪水、内水氾濫、高潮、地震、津波、ため池氾濫といった想定されるすべての災害に対して被害や避難情報などを掲載した「
ハザードマップ」を作成しています。
「
西区洪水ハザードマップ」は想定し得る最大規模の洪水の浸水想定区域図などのデータをもとに、浸水範囲、浸水深、浸水継続時間、避難場所などを示しています。これによると、庄内川の両岸を中心に2階まで浸水する3.0~5.0mの浸水が想定され、その他でも1階が浸水する1.0~3.0mの浸水が見こまれています。洪水時の指定緊急避難場所は区内の小・中学校やコミュニティセンターなどの2階もしくは3階以上が指定されています。

西区地震ハザードマップ
名古屋市では南海トラフで発生する地震として、「過去の地震を考慮した最大クラス」と「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました。「
地震ハザードマップ」は「あらゆる可能性を考慮した最大クラス」の結果をもとに想定震度、液状化する範囲、避難場所などを掲載しています。
「
西区地震ハザードマップ」では区の南西部を中心に震度6強、その他も震度6弱の揺れが想定され、区のほとんどが「液状化の可能性が高い」または「液状化の可能性がある」エリアとされています。
地震の際の避難場所は大規模な火災の有無で異なります。地震の揺れに加え大規模な火災も起きた場合に避難する「広域避難場所」には「庄内緑地」や「洗堰緑地」など、地震の揺れのみに対する「一時避難場所」には「新福寺公園」や「中小田井公園」などが指定されています。
「助け合いの仕組みづくり」や「地区防災カルテ」で地域の防災への意識を高める

那古野学区防災カルテ(抜粋)
災害時の被害軽減には地域の対応力や事前の災害に対する知識も重要です。その一環として、名古屋市では「
助け合いの仕組みづくり」を進めています。区役所と地域が個人情報の保護に関する協定を結んだうえで、区役所で災害時に独力で避難できない高齢者や障碍者に同意を得て、避難に支援が必要な人の名簿を作成します。
これをもとに地域の住民が、避難に支援が必要な人が「どこに住んでいるか」把握し、「どのように安否を確認するか」「どのように避難するか」など支援計画を話し合います。さらに地域の防災訓練などで支援訓練も行います。
また、防災に関連する情報を学区ごとにまとめた「
地区防災カルテ」も作成しました。ここには地形や歴史、災害リスク、防災活動状況などが記載されています。例えば、「
那古野学区防災カルテ」では濃尾地震や伊勢湾台風、東海豪雨など過去の災害による被害状況や防災に関連すると思われる地名の由来、「ハザードマップ」をもとにした災害リスクなどが記されています。防災リーダーや役割分担、避難行動など一部は空欄とされ、地域住民との話し合いを通じて随時更新していきます。
帰宅困難者に対して退避場所や徒歩帰宅の注意点をまとめた「帰宅困難者支援サイト」

西区地震ハザードマップ徒歩帰宅支援マップ 北西方面版
「名古屋」駅は東海道新幹線をはじめ多くの路線が集まる日本有数のターミナルです。「名古屋」駅前や栄エリアは繁華街としてもにぎわいます。これらの街を擁する名古屋市では大規模地震発生時などに多数の帰宅困難者が発生すると考えられます。
そこで、名古屋市では「
帰宅困難者支援サイト」を作成し、外出先で地震などにあった際の対応を掲載しています。大規模地震発生時はまず自分の身の安全を確保すること、職場や学校の安全が確認できた場合は戻って待機すること、帰宅ルートの被害情報が確認でき可能であれば徒歩で帰宅することが推奨されています。
徒歩で帰宅する人向けには「名古屋」駅周辺と「名古屋」駅から北西、北東、南西、南東の4方面それぞれに「
徒歩帰宅支援マップ」が作成されています。西区方面の「
北西方面版」にはトイレがある公園が地図上に示され、幹線道路の歩道の有無など徒歩で移動する際の注意点を記載しています。
職場や学校など戻る場所がなく、徒歩帰宅も困難な場合は、混乱が収まるまで広域避難場所、一時避難場所、一時退避場所、退避施設で待機します。「帰宅困難者支援サイト」には「名古屋」駅、伏見・栄、「金山」駅周辺で大規模地震発生時に行き場のない帰宅困難者を受け入れる施設を地図化した「
名古屋市帰宅困難者退避場所マップ」もあります。
これらの情報は「
名古屋市帰宅困難者ハンドブック(名古屋駅周辺、伏見・栄、金山駅周辺地区)」にもまとめられています。通勤、通学などで日常的に名古屋市中心部に行く人は、一度目を通しておくとよいでしょう。
庄内川氾濫や地震による液状化が想定される名古屋市西区ではこれらの対策に加え、「名古屋」駅や栄エリアなど中心部からの徒歩帰宅も想定した対策が行われています。
- 掲載日
- 2025/03/31
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。