【名古屋市覚王山】財界人が集った面影を今に残し、由緒ある街並みの中で穏やかに暮らせる街

覚王山エリアはビッグターミナル「名古屋」駅から地下鉄東山線で15分ほどの場所にあります。美しい月夜を眺められる名所として知られ、大正時代には財界人の別宅が多く存在したことから、現在は高級住宅街として発展してきました。
日本で唯一、お釈迦様の御真骨が奉納される「日泰寺」をはじめ神社仏閣、歴史的建造物が多く残っており、落ち着いた雰囲気の中で暮らせる環境が整っています。大学や高校などが点在しており、子育て世代にも人気の高いエリアです。

「覚王山」へ参拝する人々を乗せる路面電車が1911(明治44)年に開通してから都市化が始まり、大正時代に入ると富裕層の別荘や住宅が立地するようになりました。また、「椙山女学園高等学校」や「愛知工業大学名電高等学校」など多くの学校が集まっており文教都市としても知られています。子どもから大人までが安心して暮らせる街並みは名古屋市内でも屈指の高級住宅街です。
人気の理由として、まずは交通面が挙げられるでしょう。名古屋市営地下鉄東山線「覚王山」駅を利用すれば、ターミナル駅である「名古屋」駅まで15分、「栄」駅まで9分で乗り換えなくアクセスできます。一方で、駅から少し歩けば閑静な住宅街が広がるという都市部の利便性と暮らしやすさの両面を享受できる環境です。
また、子どもを遊ばせるにぴったりな「千種公園」や「西山公園」など大小さまざまな公園が点在しています。少し足を伸ばせば「平和公園」や「東山動植物園」も利用圏内です。

「覚王山 日泰寺」は1904(明治37)年に建立した歴史の深いお寺です。ネパール国境に近いインド北部で発見されたお釈迦様の御真骨が安置される日本で唯一のお寺です。お釈迦様を意味する「覚りの王」が眠る山ということから「覚王山」と命名されたのも有名です。
御真骨が安置される「奉安塔」は1918(大正7)年に完成し、高さは15メートルもあります。ガンダーラ様式の花崗岩の佛塔で愛知県文化財に指定されています。
また、タイ国の国王から贈られた釈尊金剛佛がご本尊となっており、いずれの宗派にも属さない日本で唯一の超宗派寺院です。日本とタイ(漢字で泰)の寺院ということから「日泰寺」と命名されました。その他にも高さ30メートルの「五重塔」や、葬儀などが執り行われる多目的会館「普門閣」、毎年除夜の鐘が響く「鐘楼」などがあります。
弘法大師(空海)の月命日である毎月21日には縁日が行われ、参道や駐車場には屋台が並びます。1年の最後の縁日12月21日は参道が歩行者天国となり、多くの人で賑わいます。
毎年秋には2日間をかけて「日・タイ文化フェス」が行われます。日本とタイの文化交流をテーマに、タイの舞踏やムエタイショー、グルメ屋台が出店するなど異国の雰囲気を楽しむことができます。

覚王山エリアは、名古屋市の東部にある小高い丘陵地にあります。昔から月見の名所として親しまれていました。1904(明治37)年に「覚王山 日泰寺」が創建されると、神社仏閣や歴史的建造物の多い同エリアは京都の東山のイメージした街づくりが進められました。
市指定有形文化財に指定される「揚輝荘」は、その中でも代表的な歴史的建造物の一つです。松坂屋の初代社長である伊藤次郎左衛門祐民氏の別荘で、1万坪の敷地内には迎賓館である「聴松閣」をはじめ、回遊式の枯山水石庭、修学院離宮の千歳橋を模したといわれる廊橋「白雲橋」、山桜、新緑、紅葉、落葉と四季の変化で表情を変える「北庭園」など多くの見所があります。施設の一部は有料で見学が可能です。
明治生まれの実業家、故古川爲三郎氏が長年収集してきた美術品を鑑賞できる「古川美術館」もおすすめです。戦前から収集したという刀剣、日本画、洋画、茶道具など数多くの美術工芸品を鑑賞することができます。
また、美術館から徒歩1分の場所には古川爲三郎氏が暮らした住まい「爲三郎記念館(旧古川三郎邸)」があり、こちらも見学が可能です。美しいという形容詞が相応しい庭園、数寄屋造りの「春亭」、茶室「知足庵」などが公開されています。当時の暮らしを偲ぶことができる貴重な建造物として、国の登録有形文化財にも登録されています。
地下鉄東山線「覚王山」駅から「日泰寺」へと続く山門長第8号線は、日泰寺参道としていろいろなお店が軒を連ねます。カフェでゆっくりとモーニングを楽しんだり、ハンドフード片手に食べ歩きを楽しんだりできます。
かつての別荘地であった頃の名残を感じる料亭で、上質な料理に舌鼓を打つのも良いでしょう。毎月21日の「弘法市」では、参道に日用雑貨やグルメのお店が多く並びます。日々の暮らしに欠かせないスーパーマーケットは高級志向の商品を扱うお店とリーズナブルなお店の両方があり、必要に応じての使い分けも可能です。
ショッピングを思い切り楽しみたい時には「栄」や「名古屋」まで出ればオーケー。電車でわずか15分ほどなので、仕事や通学の利便性も抜群です。名古屋高速の「吹上東」入口も車で10分程度といろいろな交通手段が選べるのも同エリアの魅力といえるでしょう。
- 掲載日
- 2025/03/31
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。