【名古屋市熱田区】名古屋市の中央にあり、長い歴史が薫る街、名古屋市熱田区の防災対策
名古屋市のほぼ中央に位置する熱田区は、「熱田神宮」や「七里の渡し船着き場跡」など歴史を感じられるスポットが多いエリアです。1994(平成6)年に全館オープンを迎えた「名古屋国際会議場」は日本最大級のコンベンション施設として知られ、現在も国際会議やコンサートなどの会場として利用されています。
熱田区内では日比野地区の再開発や「金山」駅周辺の総合整備などインフラ整備も進められ、生活利便性が向上してきました。「名古屋国際会議場」や「白鳥庭園」に隣接して流れる堀川沿いには散策路や船着場なども整備され、自然に親しめるようになっています。

名古屋市では市民の防災意識を高めるため、防災情報や日ごろからの備えなどをまとめた『名古屋市防災ガイドブック』を作成しました。このなかで、地震や水害など名古屋市で想定される自然災害と、それに対する対応を解説しているほか、事前にしておきたい備えなども記載されています。
『名古屋市防災ガイドブック』は日本語版だけでなく、英語、韓国語など各国語版も作成されており、外国人でも災害時の行動を理解できるようになっています。
地震は突然発生し、瞬時の判断が必要です。台風や大雨などによる水害は事前の予測が可能で、避難など必要な行動をとることができます。そこで、それぞれの災害に合わせて行うべき行動を考えておく必要があります。災害が発生した時に「いつ」「誰が」「どのように」行動するのか前もって考えるのが「マイタイムライン」です。『名古屋市防災ガイドブック』では「マイタイムライン」の作成方法にも触れています。
名古屋市ではさまざまな防災情報をまとめて提供する『名古屋市防災アプリ』を提供しています。この『名古屋市防災アプリ』がリニューアルされ、機能が充実するとともに、より使いやすくなりました。災害時は地震や大雨に関する情報、避難情報などがプッシュ通知で届き、大切な情報を見逃さないで済みます。
災害時にはもちろん、平常時にも活用可能です。自宅などの住所を入力すると、ハザードマップで災害リスクを確認できるほか、近くの避難場所も調べられます。災害時の避難先や家族と集合する場所など必要情報を入力すれば、簡単に「マイタイムライン」を作成できます。
防災に関するイベント情報などのお知らせが配信されるほか、初級から上級まで3種類の「防災クイズ」、子どもも防災知識を学べる「防災アニメ動画」などお楽しみ機能もあります。ダウンロードして、防災についての知識を身に付けましょう。

名古屋市では市民の安全を守るために、「洪水ハザードマップ」「内水氾濫ハザードマップ」「高潮ハザードマップ」「地震ハザードマップ」「津波ハザードマップ」「ため池ハザードマップ」の7種類のハザードマップを区ごとに作成しています。
たとえば「熱田区 洪水ハザードマップ」では、万が一、想定以上の大雨が降った際の浸水範囲や、深さが示されているほか、区内の「指定緊急避難場所」もマップ上に掲載されています。
また、「熱田区 地震ハザードマップ」や「熱田区 津波ハザードマップ」では、熱田区内における揺れや津波のリスクとともに、区内に6か所ある広域避難場所や「津波避難ビル」がわかりやすく記載されています。
これらのハザードマップは日本語版・やさしい日本語版に加え、8つの言語でも作られています。いざという時に備えて、事前に目を通し、災害リスクをチェックしておきましょう。

名古屋市では各区で地域の特徴と予想される災害リスクなどを記載した「区防災情報」を作成しています。「熱田区 区防災情報」には、地形的に熱田台地とかつては海だったエリアに分けられること、濃尾地震や伊勢湾台風などかつて熱田区内に被害をもたらした災害の概要、熱田区民の4分の1は高齢者であることなどが記されています。
さらに細かい地域ごとの災害リスクと必要な防災対策を認識してもらうため、名古屋市立小学校の学区ごとに地域住民と区役所、消防署など防災関連組織が話し合い、「地区防災カルテ・避難行動マップ」としてまとめました。
「地区防災カルテ」では地形や歴史、土地利用など基礎的な情報から、過去の災害被害状況、今後想定される災害リスクなど災害に関する情報をまとめ、それぞれの地域で必要な対策を記しています。さらに地域との話し合い結果をもとに、具体的な避難場所や方法を「避難行動マップ」にまとめています。
名古屋市では防災対策を高めるため各種の防災訓練を定期的に実施しています。「なごや市民総ぐるみ防災訓練」は地震を想定した総合的な防災訓練で、行政や防災関連施設などの相互協力体制を確立するとともに、住民の災害に関する知識の普及と啓発、防災意識の向上を目的としています。2024(令和6)年も各区に会場を設けて、住民も参加する訓練を実施する予定でしたが、台風接近により中止になりました。
水害を想定した訓練として「名古屋市総合水防訓練」も行われています。2024(令和6)年度は市内全ての防災スピーカーを鳴らす「全市一斉情報伝達訓練」を実施したほか、各区の会場で行政と住民が一体となった「全市一斉避難訓練」、住民の体験を重視した「住民参加型訓練」、洪水や内水氾濫が起こった際の体制を訓練する「水防活動訓練」などが行われました。
名古屋市熱田区では基本的な防災対策はもちろん、区民とともに行う取り組みも積極的に行い、災害時の対応力を高めています。
- 掲載日
- 2025/03/31
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。