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老後の暮らしとお金のコラム人生を豊かにする老後のマネー

2014/09/16
「食」サービスを活用して元気な老後を

健康に不安を感じる75%

セカンドライフを楽しむためには「健康」「生きがい」「経済力」のバランスが重要です。35~64歳を対象とした「平成25年版 高齢期に向けた「備え」に関する意識調査〔概要版〕」(内閣府)でも、「高齢期に備えて大切だと思う取り組み」のトップ3は、「健康維持・体力作り」82.8%、「長く続けられる趣味・娯楽を始める」52.7%、「日々の節約、貯蓄」51.4%でした。「健康」については、60~64歳の75%以上が不安感を持っており、不安内容には「体力が衰えること」「がん、心臓病、脳卒中などの重い病気になること」「生活習慣病(糖尿病、高血圧など)になること」「介護が必要になること」などが上位を占めています。

健康は、栄養バランスの取れた食事を摂り、早歩きのような軽い運動を行うことで保つことがきますが、高齢期になると様々な事情からこれらの実践が難しくなります。その結果、体力がなくなる、筋力や骨量が低下して転倒・骨折しやすくなる、免疫力が低下して病気にかかりやすくなる、病気やケガからの回復が遅くなるといった身体の老化が進み、自立度が低下して要介護・要支援への道を歩き始めることになります。東京都健康長寿医療センター研究所「健康寿命と栄養摂取」では、「健康長寿には粗食は大敵!低栄養が老化を促進する」と、低栄養への注意喚起をしています。低栄養とは、タンパク質とエネルギーが不足している状態のことで、心筋梗塞や狭心症などの心血管病による死亡のリスクが2.5倍も高くなるという調査結果が出ています。

レトルト・冷凍食品や宅配サービスなどを活用しよう

2010年経済産業省は、食料品や日用品などの買い物が困難な買い物弱者は600万人程度と推計しました。お米、野菜、牛乳、トイレットペーパー、洗剤など購入品は重くかさばり、車がないと買い出しは難しい、というのもうなずけます。着衣着火事故や火の不始末の不安などから火を使うことが怖い、料理すること自体が億劫、という人もいます。これらは、高齢者が低栄養に陥る要因のひとつであり、ありあわせのものや同じものを食べ続けるといった偏食に陥る原因にもなっています。

通信や流通手段が発達した今、これらの要因はある程度解消できるようになりました。では、いくつかシチュエーション別に対応策をご紹介します。

1買い物弱者である

買い物に出かけることができる場合は、店頭での宅配便を利用しましょう。ただ、実施しているスーパーはまだ少ないようです。買い物に出かけることが難しい場合は、社会福祉協議会や民間会社が行っている買い物代行サービスや、スーパーやコンビニ、生活協同組合、産地直送などの宅配サービスが便利です。産直は野菜や米をはじめ生鮮品、果物、お酒、コーヒー豆、お菓子など驚くほどたくさんあります。

2下ごしらえができない

台所に長く立つ体力がない、包丁を使うのが難しい、献立を考えるのが億劫などの要因には食材宅配というサービスがあります。食材がカットされており調理するだけで食卓に並べることができます。また、レトルトや冷凍・フリーズドライ・真空パック食品や缶詰なども使い勝手がいいものです。

3料理ができない

配食サービスは、コンビニや生活協同組合、宅配専門業者などが取り扱っています。なかには食事制限のある病気、例えば腎臓病や糖尿病、高血圧などに対応する業者もあります。「味が濃く同じような調理方法で飽きる」という声もありますので、時に業者を変えるといいでしょう。単身の高齢者や高齢者だけの世帯に対しては、社会福祉協議会の配食サービスもあります。費用はかかりますが民間の料理代行サービスでは、例えば週1回1週間分の夕食の支度(買い物+調理+調理後の片づけ)をお願いすることもできます。

4介護食になった

介護食は、食材を小さく刻んだり柔らかく煮たり、トロミをつけたり、と手間がかかります。難しいと悩む前にドラッグストアやスーパーの店頭を眺めてみましょう。介護食のレトルト食品が多種多様、また離乳食もたくさん並んでいます。缶詰や冷凍食品のなかにも介護食に使えそうなものが多くあります。普通食や離乳食に食材や味、トロミをプラスして介護食に変身させると、調理とお財布の負担が軽減します。長期間に及ぶ場合は、たまに介護・医療食の宅配を利用して家事負担を軽減しましょう。

会食に参加しよう

ひとり暮らしや老夫婦だけの食事は、副菜の数が少ない、小食・偏食になっても気が付かない、会話がなく食事が楽しくない、などから、粗食・欠食・低栄養に陥る傾向が強くなります。一方、誰かと一緒に食べる「共食」では、主食・主菜・副菜・デザートが栄養バランスよく調理・配膳されているうえに、会話をすることで楽しく食が進みます。高齢者の介護予防として「共食」の重要性に気が付いた地方自治体や社会福祉協議会、市民団体などが、自治会の集会所や公民館などで高齢者が定期的に会食する場を設け始めました。会食に参加すると、おしゃれにも気を配るようになったり、必要な情報を得ることができるなど、心の健康にもよい影響があります。

健康診断を受けよう

前出の「健康寿命と栄養摂取」では、栄養状態のチェックに体格指数(BMI)と血中アルブミン値、ヘモグロビン値、総コレステロール値を使っています。BMIの目安は20です。これらは、地方自治体が実施している健康診断や人間ドックなどの検査項目に入っていますので、毎年受診して暦年の変化に注意すると低栄養に陥ることを予防することができます。
*BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)

痩せる、握力が低下する、歩くスピードが遅くなる、疲れやすい、皮膚の炎症が出やすい、風邪や病気にかかりやすいなどの変化が表れたら、それは低栄養のサインです。「低栄養は一日にしてならず」です。体重や基礎代謝量、体脂肪率、BMI、内臓脂肪率、骨格筋率が分かる高機能の体重計を使い身体の変化をチェックし、速足ウォーキングのような適度な運動を1日30~60分程度行い、時に配食サービスや外食や会食などで「食」を楽しむ、そのような規則正しく楽しい生活が健康寿命を延ばすことに?がります。老後の夢・ライフプランを予定通り実践できるかどうかは、あなたの意識と行動にかかっています。

執筆者:大沼恵美子

専業主婦の身から外貨預金に興味を持ったことを機会にファイナンシャル・プランナーの勉強を始め、2000年にCFP (FPの上級資格)の試験に合格。2002年に独立開業し、個人向けにリタイアメントプラン、年金、貯蓄、賃貸経営などの相談業務を行う。また各種セミナーの講師も担当。1級ファイナンシャルプランニング技能士、福祉住環境コーディネーター2級、年金アドバイザーなどの資格を持つ。
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