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18年路線価(1月1日時点)鳩居堂前、2年連続で過去最高額を更新

2018年07月03日

国税庁は2日、18年路線価(1月1日時点)を公表した。標準宅地の評価基準額は、全国平均で0.7%上昇し、前年の0.4%上昇から上昇幅を拡大した。上昇は3年連続となる。沖縄県など18都道府県が上昇し、前年より5県増加。横ばいはゼロ、下落は3県減の29県となった。

岡山県が昨年の横ばいから上昇となり、滋賀県と佐賀県、長崎県、熊本県が下落から上昇に転じた。都道府県庁所在都市の最高路線価格は、東京中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」(鳩居堂前)が33年連続でトップとなった。1m2当たり4432万円(前年比9.9%上昇)を付け、2年連続で過去最高額を更新した。

首都圏では、東京都が4.0%(前年3.2%)、神奈川県が0.6%(0.4%)、千葉県が0.7%(0.5%)、埼玉県が0.7%(0.3%)と、上昇幅を拡大した。関東の他県では、茨城県が△0.7%(△0.8%)、栃木県が△0.8%(△0.7%)、群馬県が△0.7%(△0.8%)、山梨県が△1.4%(△1.6%)と、下落が続いているが下落幅は概ね変わらない。近畿圏は、京都府が2.2%(1.4%)と大幅に上昇幅が拡大し、大阪府も1.4%(1.2%)とプラス。滋賀県は0.2%(△0.2%)と下落から上昇に転じ、兵庫県は△0.4%(△0.3%)、奈良県は△0.6%(△0.4%)、和歌山県は△1.2%(△1.6%)と下落が続いた。

最高路線価(都道府県庁所在都市)は、トップの鳩居堂前に続き、大阪市北区角田町の「御堂筋」(阪急梅田本店前)が1256万円(6.8%上昇)。3位が横浜「横浜駅西口バスターミナル前通り」1024万円(13.3%上昇)、4位が名古屋「名駅通り」1000万円(13.6%上昇)、5位が福岡「渡辺通り」で700万円(11.1%上昇)と続き、1000万円超えが昨年の2地点から4地点に増えた。都市別では、上昇が6都市増の33都市。横ばいは3都市減の13都市、下落は2都市減の1都市。盛岡、山形、徳島、長崎、鹿児島が横ばいから上昇に転じ、秋田と新潟は下落から横ばいに転じた。

また、東京国税局の各税務署管内(東京、千葉、神奈川、山梨)の最高路線価で2ケタ上昇は13地点(前年14地点)。麻布の「青山通り」1352万円(15.8%上昇)、横浜市神奈川区「市道高島台107号線」(鶴屋橋北側)185万円(14.9%上昇)、川崎市川崎区「川崎駅東口広場通り」370万円(14.9%上昇)、足立「北千住駅西口駅前広場通り」284万円(14.5%上昇)、横浜市西区「横浜駅西口バスターミナル前通り」1024万円(13.3%上昇)など。上昇は71地点(前年69地点)、横ばいが11地点(13地点)、下落が1地点(2地点)だった。

菰田正信・不動産協会理事長 全国平均が3年連続で上昇し、上昇率が昨年より大きくなるとともに、地方でも下落率が縮小した地域が多く見られた。緩やかな経済の回復が続き、デフレ脱却への道筋を確実に歩んでいることが地価に反映されたものであると評価している。

坂本久・全国宅地建物取引業協会連合会会長 地価の上昇傾向は着実なものになってきたと評価している。都道府県庁所在都市の最高路線価を前年と比較すると、横ばい、下落した都市が減少して上昇した都市が増えた。最高路線価の変動率も、ほぼ全国でマイナスから脱し、地価の回復傾向は全国的な広がりを見せてきたと言えるのではないか。

原嶋和利・全日本不動産協会理事長 日本経済が緩やかながらも長期にわたる回復傾向にあることを印象づける結果となった。総体的には好ましい傾向にあるが、下落領域から脱することのできない県も少なくなく、相変わらず二極化傾向を呈していることは誠に残念である。

吉田淳一・三菱地所社長 全国33都市で最高路線価が上昇し、「中央区銀座5丁目」が33年連続で路線価の最高額を更新したほか、標準宅地の評価基準額も上昇し、上昇率も大きくなっている。不動産事業は堅調に推移しており、首都圏だけでなく地方圏でも地価の上昇を実感している。ビル事業について言えば、立地改善や働き方改革、生産性向上のための集約・拡張移転需要が顕在化し、空室率の低下、賃料の上昇が続いている。18年3月末時点で当社が全国で営業しているビルの空室率は1.87%となり、07年以来2%を切った。

(提供:日刊不動産経済通信)

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