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名古屋駅の周辺でマンション開発が活況

2020年11月09日

名古屋駅周辺が分譲マンションの開発ラッシュだ。徒歩圏となる2km圏内では、開発中と販売中で合計30物件を超える。共働き世帯の増加や名古屋駅周辺の利便性の高い都心生活への支持、加えてリニア中央新幹線の開通など今後の開発計画の進捗に期待感が高まり、需給が盛り上がっている。

大京・名古屋支店長の久保高弘氏は、名古屋エリアのマーケットについて「既に開発が進んでいる栄駅周辺のエリアでは、新築分譲マンションの価格が坪300万円超の高水準のマーケットを形成・維持している。一方で、名古屋駅周辺は、坪300万円未満の分譲が多い。将来的には、名鉄名古屋駅周辺で進む再開発計画やリニア中央新幹線の開通などで資産性も含んだポテンシャルが高く、今後もマンション開発が有望なエリアだ」と語る。名古屋駅への期待感を背景に、現在は2つの大規模分譲マンションに注目が集まっている。

三菱地所レジデンスらが開発する「ザ・パークハウス名古屋」(462戸)は、名古屋市営地下鉄・名古屋駅から徒歩12分の立地。RC造19階建て、延床面積5万96.04m2。平均坪単価は270万円。来場は900件を超えて、10月に販売を開始した第1期では供給した200戸ほぼ全戸に申し込みが入った。最高倍率は17倍、平均倍率は2.1倍と想定以上の好評を博した。旧工場跡地にオフィスと商業複合の「イオンモール」、緑豊かな公園やレストランなどを設置した「ノリタケの森」と一体となった新たな付加価値の高い住環境を売りにしている。名古屋市内在住の購入者が約50%で、リニア新幹線の開通など利便性の向上を見込んだ東京在住者の購入も12%あった。地所レジのほか三菱商事都市開発、野村不動産との共同事業。

総合地所らは、名古屋エリアで最高峰となる高さ約150mの新たなランドマーク「ナゴヤ・ザ・タワー」(441戸)の開発に取り組む。JR名古屋駅から徒歩13分の立地。RC造地上42階地下1階建て、延床面積5万3811.03m2。21年春の販売開始、23年4月の竣工を予定している。価格は検討中。敷地内に緑豊かな空間を設けるほか充実した共用施設を設置する。高層階住戸の顧客ニーズに応えるサービスの充実も図り、高層階にエグゼクティブラウンジの設置や専用のエレベーター、駐車場を備える。プレミアム住戸などは地元富裕層の強い需要を見込むほか、多彩な間取りに合わせた様々なニーズが集まると想定して、販売を進めていく方針。総合地所のほか、名鉄不動産、京阪電鉄不動産、大和ハウス工業、三交不動産、住友商事の6社による共同事業。

名古屋エリアの今後の開発について、大京・久保氏は「栄駅周辺では開発が進んでおり、用地価格も高止まった感があり、大規模な再開発用地の取得は難しい。名古屋駅周辺も価格は上昇しており、新たな用地取得は容易ではないが、まだ開発余地がある」と話す。また、「マンション販売の現場でも、競合物件は多いが各物件の販売は着実に進んでいて、近々にマーケットが崩れる要素はみられない」(久保氏)として、名古屋という都市のポテンシャルの高さに期待する。栄駅や伏見駅付近では今後、マーケットのバランスを崩さない高水準の物件の供給が行われる見通し。一方、名古屋駅周辺エリアでは今後、坪400万円をにらんだ高額物件の供給もあるとみられる。当面の間は、名古屋エリアの新築分譲マンション市場は、需給のバランス維持を図りながら活況の継続が見込まれそうだ。

(提供:日刊不動産経済通信)

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