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【高槻市】防災機能を備えた遺跡公園も誕生。防災情報の提供にも工夫を凝らす高槻市の取り組み

 
「高槻」駅前の様子「高槻」駅前の様子

高槻市は大阪府の北東部にあり、京都市と大阪市の中間に位置します。大阪府に7つある中核市のうちの一つで、現在の人口は34万人を超えます。

地名は元々「高月」とされていましたが、室町時代にこの地に高さ20丈(約60m)にも及ぶ大きな「槻(けやきの古称)」があったことから、「高月」から「高槻」になったと伝えられています。

市域の北部は北摂山地に連なる山並みと丘陵、南部は平野が広がっており、北高南低の地形となっています。また、市域の南の境を淀川が流れているのをはじめ、北から南へ流れる芥川や女瀬川、桧尾川など12の一級河川、および新川など5つの準用河川が流れています。

もしもの時に備える「防災ハンドブック」。詳細情報へも手軽にアクセス!
防災ハンドブック防災ハンドブック

高槻市では、市民が災害のリスクを日頃から理解し、命を守るための知識や心構えを身につけ、もしもの時に適切な行動がとれるように特に重要な内容をまとめた「防災ハンドブック」(全30ページ)を全戸配布しています。

地震災害リスクについては、特に高槻市に大きな影響を与えるものとして、最大震度7の揺れが想定される「有馬高槻断層帯地震」と今後40年以内の発生確率が90%程度とされる「南海トラフ地震」による被害想定などの説明があり、地震発生後の行動の流れや家の中の地震対策が解説されています。

また、淀川氾濫など高槻市で想定される水害・土砂災害のリスクや、災害の可能性が高まった場合の事前準備・行動、避難情報の見方などについてもわかりやすく解説されています。

このほか防災情報の入手方法、地域の防災組織、避難所生活、生活再建支援についての情報や、防災マップ、避難場所リスト、防災物品チェックリストなど、防災対策を考える上で必要な情報が簡潔にまとめられています。より詳細な内容や最新の情報を知りたい時も、各ページに掲載された二次元バーコードの読み取りやホームページIDで検索することで簡単に該当ページにアクセスできます。

 

高槻市の地震、水害・土砂災害のハザードマップをチェック
大阪府高槻市・高槻市地震ハザードマップ(震度マップ)高槻市地震ハザードマップ(震度マップ)

高槻市地震ハザードマップ」は、南海トラフ巨大地震や有馬高槻断層帯地震などが発生した際の「震度マップ」と「建物被害マップ」で構成されています。

震度マップは地震の規模(マグニチュード)や震源からの距離に加えて「表層地盤」も考慮して「揺れやすさ」を表現した地図です。有馬高槻断層帯地震では、市内全域で震度6以上が想定されています。

また、建物の被害は震度だけでなく建物の構造や建築時期によっても大きく異なります。建物被害マップでは、それらを考慮した上で地区ごとに建物の全壊率を色分け表示しています。

水害ハザードマップ(淀川)水害ハザードマップ(淀川)

高槻市水害・土砂災害ハザードマップ」では、リスク情報として2種類の水害(内水氾濫と外水氾濫)と3種類の土砂災害(がけ崩れ、土石流、地すべり)が示されているほか、緊急避難場所や防災行政無線、市民が自由に使える「土のうステーション」の位置なども掲載されています。

さらに水害・土砂災害に関する基本知識や高槻市の水害リスク、災害時の情報入手手段、避難の心得、水害への備えなど、20ページにわたって学習面も充実しています。

また高槻市では、農業用の水の供給施設であると同時にさまざまな動植物が生息する水辺空間でもある「ため池」の堤防が決壊した場合の想定浸水被害を示した「ため池ハザードマップ」も作成しています。

なお、高槻市の地図情報提供サイト「わが街高槻ガイド」でも防災マップや水害・土砂災害ハザードマップの閲覧が可能です。

 

防災ポータルサイト「高槻防災」をはじめさまざまな形で防災情報を発信
防災ポータルサイト「高槻防災」防災ポータルサイト「高槻防災」

高槻防災」は、各種防災情報へのリンク先を掲載したスマートフォン向け防災ポータルサイトです。スマホアプリのようなダウンロードは不要で、二次元バーコードをスマートフォンで読み取るだけで簡単に利用できます。

「高槻防災」からは、緊急災害情報、水害・土砂災害ハザードマップ、地震ハザードマップ、緊急避難場所・避難所、防災関係ホームページのリンク集などへ簡単にアクセスでき、スピーディーに最新情報を取得することができます。あらかじめスマートフォンのホーム画面に追加しておけば災害時にすぐ利用できて便利です。

また高槻市では「(公式)高槻市防災情報(@Takatsuki_Bosai)」のアカウント名で Twitter(ツイッター)による災害時の情報発信も行っています。こちらも防災ポータルサイト「高槻防災」からすぐアクセスできます。

このほか障がいがある方や携帯電話・スマートフォンを利用していない75歳以上の単身高齢者等のために、電話やFAXなどで緊急・災害情報を配信する「緊急・災害情報伝達サービス」も実施しています。要申し込みで、利用料は無料です。

 

災害時に活躍する大型の防災公園も整備

古曽部町に2010(平成22)年に開設された「古曽部防災公園」は、高槻市初の本格的な防災機能を兼ね備えた地区公園です。4.56ヘクタールの敷地内には多目的広場や体育館、軟式野球場があり、平常時は市民の憩いの場として、またスポーツレクリエーションの場として親しまれています。

大地震などの災害発生時には、周辺住民の広域避難地としての機能と救援物資など総合的な物流の機能を備えた北部総合防災拠点となります。多目的広場内の大型複合遊具やパーゴラは仮設テントとして、ベンチは炊き出し用のかまどとして使用できるほか、3日分の飲料水を確保できる耐震性貯水槽や災害時用トイレなども備えています。

2021(令和3)年3月には阪急京都線「高槻市駅」やJR京都線「高槻駅」から徒歩圏内に、約22ヘクタールの広大な緑のセントラルパークとして、防災機能を有する「安満遺跡公園」が全面オープンしました。

安満遺跡公園は、国史跡に指定されている弥生時代の大集落跡の史跡公園整備事業と、耐震性貯水槽・災害時用トイレ・ソーラー照明・災害時用ヘリポートなどを持つ防災公園整備事業の2つの事業が一体となって誕生した公園です。オープン後は2022(令和4)年3月の「そなえパークの日」、2023(令和5)年1月の「総合防災訓練フェス」など、大規模な防災イベントの会場としても活用されています。

高槻市ではこのように自助力や地域防災力の向上も含めてさまざまな防災への取り組みを推進しています。

掲載日
2023/01/30

本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。

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