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【京都市下京区】ビッグターミナル「京都」駅を擁し、観光地としても名高い京都市下京区の防災対策

 
「京都」駅前の様子「京都」駅前の様子

下京区は京都市を構成する11区の一つで、かつての平安京の南側に位置します。面積は6.78平方キロメートル(京都市全体の約0.8%)と京都市で最もコンパクトな区ですが、新幹線も含め多くの路線が乗り入れる「京都」駅を擁し、京都市の玄関口としての役割を担っています。

「京都」駅の前には地上131mのランドマーク「京都タワー」がそびえ、駅周辺にはオフィスや大型商業施設などが集積しています。また、区の北端の四条通の四条烏丸~四条河原町は京都を代表する繁華街として栄えています。

また下京区は「東本願寺」や「西本願寺」をはじめとする数多くの歴史ある寺社や、先端産業の拠点「京都リサーチパーク」などの研究機関もある、学術・文化の街でもあります。

地形は平坦で、碁盤の目状に道路が整備され、区域の東側を鴨川や高瀬川、西側を西高瀬川が流れています。

防災に関する情報が集約された「京都市防災ポータルサイト」
京都市防災ポータルサイト京都市防災ポータルサイト

京都市では市政への理解を深めるサイトの一つとして「京都市防災ポータルサイト」を公開しています。ここには最新の気象情報や自然災害による被害の想定(ハザードマップ)、避難行動や日頃の備えなど防災のノウハウ、避難所一覧、過去の災害記録など、災害から安心・安全な生活を守るために役立つ情報が集約されています。

また、地震や風水害に備えた防災行動計画「マイ・タイムライン」もここで作成することができます。住んでいる場所や家族構成によって災害時にとるべき行動は異なるので、家族で話し合いながら我が家オリジナルの「マイ・タイムライン」を作成し、家族で共有しておくことで、スムーズな避難につなげることができます。

さらに2022(令和4)年には新コンテンツとして「京都市ぼうさいパーク」も追加されました。ここでは京都市内の安心安全につながる防災の取り組みを行う団体の活動について知ることができます。

この「京都市防災ポータルサイト」から、下京区の地震・水害それぞれのハザードマップを見ることができます。

 

「花折断層地震」による揺れや被害を示した下京区の地震ハザードマップ
京都市地震ハザードマップ下京区版京都市地震ハザードマップ下京区版

京都市地震ハザードマップ下京区版」は、京都市で今後想定される地震のうち、下京区に最も大きな被害をもたらすと想定される「花折断層地震」の震度分布や被害、避難所などを示したものです。下京区では一部の地域で震度7、ほとんどの地域で震度6強の揺れが想定されていることが分かります。

マップの緑の斜線部分は、大規模火災の延焼などで危険になった時に一時的に避難する「広域避難場所」の位置を示しています。下京区内では「梅小路公園」および「光徳公園、光徳小学校グラウンド、京都産業大学附属中学・高等学校グラウンド」の2エリアが指定されています。

 

水害ハザードマップで鴨川などの氾濫による想定被害を把握しておこう
京都市水害ハザードマップ(東山区・下京区)京都市水害ハザードマップ(東山区・下京区)

京都市水害ハザードマップ東山区・下京区版」では、水防法によって国や京都府が指定する鴨川・高野川、桂川下流、天神川が氾濫した場合に想定される最大の浸水深などが示されています。下京区の東端を流れる鴨川の氾濫による浸水被害に加えて、区の西部エリアでは天神川や桂川にも注意が必要です。

水害ハザードマップでは、建物倒壊が想定されるため立ち退き避難が必要な区域や、区内5カ所のアンダーパス(周辺の地面よりも低く、冠水しやすい道路)の位置なども分かるほか、水害発生時に開設される緊急避難場所も掲載されています。

なお、こうした地震・水害のハザードマップは「京都市Web版ハザードマップ」でも閲覧することができます。

 

知っておくべき重要ポイントをまとめた「水災害対応マニュアル」
下京区民 水災害対応マニュアル下京区民 水災害対応マニュアル

下京区では、水災害の発生時に区民一人一人が適切な避難行動をとることで被害を最小限に抑えられるように、「下京区民水災害対応マニュアル」を策定しています。

このマニュアルは、平常時の準備・心構えとして「日頃からの準備」および「避難行動の確認」、気象警報の見方や情報収集方法を解説する「天気予報や河川水位の確認」、災害発生時の「避難行動」および「指定緊急避難場所」というように、大きくは5つの章で構成されており、それぞれ重要なポイントがチェックリストとして掲載されています。

学区ごとの河川別浸水範囲や緊急避難場所のリスト、被災した場合に利用できる支援制度の情報なども記載されており、いつ起きるか分からない水害に備えて手元に置いておきたい一冊となっています。

 

観光客が多い京都市の帰宅困難者対策

観光地としても人気の高い京都市では、大規模地震などの災害が発生すると観光客や通勤・通学者を含めて約37万人もの帰宅困難者が発生すると予想されています。市では2012(平成24)年度から、東日本大震災での教訓を基に、京都モデルの帰宅困難者対策として取り組みを行ってきています。

その一環として、市内に数多く点在する寺社やホテル・旅館などを災害時に「緊急避難広場」や「一時滞在施設」として使えるように協定を締結し、帰宅困難者の安全確保のための体制を整えています。また、観光客の中には京都の地理に明るくない人や言語の異なる外国人も多いことを踏まえ、避難がスムーズに進むよう地域団体との間で「避難誘導団体」としての協定も締結しています。

交通機関の運行状況や避難先への経路案内などの情報を提供する「京都市帰宅支援サイト」も開設しています。日本語に加えて英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語でも見られるようにし、さらにそれ以外の言語を母国語とする人でも理解しやすいよう「やさしい日本語」も追加されるなど、可能な限り多くの人に正しい情報を伝達できるよう工夫されています。

「京都市災害時帰宅困難者ガイドマップ」より「京都市災害時帰宅困難者ガイドマップ」より

上の図は、市内最大のターミナルである「京都」駅周辺エリアの「帰宅困難者ガイドマップ」です。5つの緊急避難広場(西本願寺、東本願寺、京都水族館、東寺、京都鉄道博物館)をはじめ、徒歩帰宅者に必要なサービスを提供してくれる「災害時帰宅支援ステーション」(コンビニエンスストアなど)や無料Wi-Fiポイント、公衆トイレなどの位置も分かるようになっています。

このように京都市および下京区ではその地域特性に合わせてさまざまな視点から防災対策に取り組んでいます。

掲載日
2023/02/27

本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。

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