【麹町】江戸時代の大名・武家屋敷から連綿とつながる住宅街

皇居の西側に広がる麹町は「新宿通り」沿いにはビルが立ち並び、日本を支えるビジネスの拠点である一方、一本路地に入ると江戸時代から続く閑静な落ち着きのある住宅街が広がる人気のエリアです。江戸城の外濠には緑と水辺があったり、多世代が交流するコミュニティが今も色濃く残っていたりと豊かな暮らしを享受できる環境がそろっています。
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複数の駅、路線が利用可能な交通網

麹町エリアには、徒歩圏内に複数の鉄道が通っています。東京メトロ有楽町線「麹町」駅はビッグターミナル「池袋」駅まで13分程度です。JR中央線、総武線、東京メトロ有楽町線、南北線、都営新宿線が乗り入れる「市ヶ谷」駅からは「新宿」駅までわずか9分でアクセスできます。東京メトロ半蔵門線が通る「半蔵門」駅を利用すれば「大手町」駅まで7分と目的地に合わせて使い分けることで首都圏のあらゆる場所に行くことができます。JR中央線、総武線、東京メトロ南北線、丸の内線が接続する「四ツ谷」駅も利用圏内です。充実した交通網は通勤、通学はもちろん、休日のレジャ―などでも活躍してくれるでしょう。
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未来へとつながる再開発も計画中

麹町エリアでは現在、品格ある住宅地と、先進的な業務商業の調和を目指したまちづくりを目的として「日本テレビ通り沿道まちづくり基本構想 」が進められています。「江戸時代から続く番町の歴史・品格の継承」、「みどり豊かで、安心安全の歩行環境づくり」「マンション建替え、相続などの課題への対応」「駅前滞留空間の整備」「バリアフリー空間の整備」「生活利便施設や魅力的な飲食店の充実」など番町・麹町がこれまで紡いできた歴史・伝統を受け継ぎ、良質な文化、環境、コミュニティが成長し続ける街の形成を目指しています。
20年で人口が1.5倍になっている同エリアには公園やショッピングゾーンが少ないという課題もあります。それを解決するため「二番町再開発計画」も進行中です。「麹町」駅の北側にオフィスと店舗が入る複合ビルの建設が進められており、1階と地下にはスーパーマーケットなど、生活に寄り添う店舗が入る予定です。また、2500平方メートルの広場には夏の強い陽ざしや雨もしのげる、屋根付きの空間が整備される予定で子どもからシニアまでがくつろげる空間となる予定です。
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江戸城のお膝元として栄えた高級住宅街

麹町エリアは江戸時代、大名や旗本の武家屋敷が並んでいました。「甲州街道」沿いには、武家の生活を支える商家によって活気に満ちていたそうです。明治時代に入ると、武家屋敷は明治政府によって接収され、跡地は学校や公共施設、皇族や華族の邸宅へと姿を変えました。武家屋敷の一部は大使館となり、現在ではイギリス、南アフリカ、アイルランド、ベルギー、ポルトガル、イスラエルなど世界各国の大使館が集まっていて、国際色の豊かな雰囲気も魅力です。
戦前、戦中は軍の関連施設や「靖國神社」もあることから軍関係者が多く暮らす街でもありました。また、滝廉太郎や与謝野晶子、島崎藤村といった文化人がこのエリアに住んでいたことでも有名です。「番町文人通り」には、かつてこのエリアに暮らしていた文人たちの跡地があります。建物などは残っていませんが、住居跡地には看板が設置されており、当時を偲ぶことができます。
上智大学や雙葉中学といった教育施設があることから、子育て環境も優れているため、日本屈指の高級住宅街として高い人気があります。
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何気ない日常を豊かにするショッピング環境

暮らしに欠かせないショッピング環境はどうでしょうか。半蔵門からJR「四ツ谷」駅を繋ぐ麹町大通りを中心に「麹町通り商店会」があります。1968(昭和43)年に発足した麹町四丁目商店会を母体とし、現在は20強の店舗で構成されています。飲食店やスーパーマーケット、酒屋にホテルなどバラエティーに富んだお店が軒を連ねています。毎年12月初旬からは歳末大売り出しを実施していて、その場で金券が当たる三角くじなど、趣向を凝らした催しが人気です。一見ビジネス街でも路地に入ると、個性豊かな飲食店が店を構えていたりするので、色々なお店に足を運びながら行きつけの1軒を探してみるのもいいでしょう。
「四ツ谷」駅を出てすぐの場所に2020(令和2)年にオープンした「CO・MO・RE YOTSUYA」の地下1階から地上2階は「CO・MO・RE Mall」 という商業ゾーンになっています。スーパーマーケットやコンビニエンスストア・100円均一ショップ、ドラッグストアなど生活に密着した店舗が集積しています。各種クリニックや飲食店もそろっているので、麹町の西側に居を構えた際には、生活の一部として利用することになるでしょう。
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豊かな緑を全身で享受する

大使館やビジネスビル群などが集まる麹町ですが、江戸城の遺構である外堀をはじめ、周辺には多くの緑があります。敷地面積が1万平方メートルを超える「清水谷公園」には、多くの樹木が植えられており、四季の移り変わりに合わせてその表情を変えます。エリアの西側には、春には多くの花見客が集まる「外濠公園」や「迎賓館赤坂離宮」などもあります。23区内でこれほどの規模の緑が身近にあるのは、「麹町」の魅力の一つといっても良いでしょう。
- 掲載日
- 2024/07/22
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。