【千葉市花見川区】豊かな自然に恵まれた花見川沿いに広がる千葉市花見川区の防災対策

花見川区は千葉市の北西部に位置し、南北に細長い区域を持っています。面積は34.19平方キロメートルと千葉市内6区で4番目の広さですが、人口は千葉市内最大を誇ります。
区域のほぼ中央には北東から南西に向けて花見川が流れています。川沿いには「花見川サイクリングコース」が整備され、散策も楽しめます。「花見川千本桜緑地」や「花島公園」には桜が多く、花見の名所として親しまれています。
区内で発見されたハスの種は、調査の結果、古代のものと推定され、「オオガハス」と名づけられました。今も区内では大賀ハスが咲き、花見川区のイメージカラー、ピンク色はこの花にちなんでいます。
千葉市ではあらゆる防災情報を集約した『千葉市防災ポータルサイト』を運営しています。ここでは、台風や大雨の情報を伝える「気象情報」、地震が発生した際の震度や震源地、津波の危険などを知らせる「地震情報」のほか、避難指示発令などを掲載する「緊急情報」が一目で確認できるようになっています。
避難が必要になった場合には、「避難所情報」のコーナーで開設されている避難所の一覧とその混雑情報が表示されます。避難所は施設の名称で検索できるほか、GPS機能を使って現在地から近い避難所を探すことも可能です。
避難所の位置は「千葉市防災マップ」のコーナーからも確認できます。土砂災害警戒区域のエリアや洪水、高潮、津波で想定される浸水深も表示できますので、平常時から地域の災害リスクと避難所の場所をチェックしておきましょう。災害が予想される場合は、土砂災害や洪水の危険度、雨量、河川の水位、土壌雨量指数などをリアルタイムに提供します。

千葉市各区では行政手続きの方法や相談窓口、公共施設などの情報をまとめた『区ガイド』を作成しています。この中には「花見川区ガイドマップ」や「防災コーナー」のページが設けられています。
「花見川区ガイドマップ」では公共施設やバス路線など暮らしに役立つ情報に加え、避難場所や非常用井戸、土砂災害警戒区域も掲載されています。「防災コーナー」には大規模地震発生時の対応や平常時の備えが説明されています。通常時の暮らしにも活用できるガイドですので、日頃から目を通して災害時の対応を考えておきましょう。
千葉市では地震、津波、洪水、内水、高潮、土砂災害に対してハザードマップを作成し、『千葉市地震・風水害ハザードマップ(WEB版)』で表示できるようにしました。『千葉市地震・風水害ハザードマップ(WEB版)』は「地震に関するマップ」と「土砂災害に関するマップ」に分かれ、それぞれ想定される被害を確認できます。
住所からの検索、見たい場所への移動や拡大、複数のハザードマップの重ね合わせも可能で、その場所で予想される災害リスクが分かりやすくなっています。手元で確認したい場合は、印刷することも可能です。
「地震ハザードマップ」は千葉市直下地震が起きた際の想定震度や液状化危険度、建物被害予測を表示しています。花見川区では震度6弱から震度5強の揺れが予想され、「花見川区役所」から西側を中心に液状化危険度が高いとされています。

「洪水ハザードマップ」は50年に1度の大雨により花見川などの河川が氾濫した場合に想定される浸水被害を表示し、花見川周辺で2~3mの浸水が見込まれています。広域避難場所や指定緊急避難場所、津波避難場所のほか、地下道、地下施設など風水害時に危険な場所も表示できますので、確認しておきましょう。
災害時の行政による対応には限界があります。そこで地域とともに助け合う「共助」や住民自ら災害に対応する「自助」も重要になります。千葉市では株式会社ウェザーニューズと共同して、「共助」「自助」を推進する取り組みを始めました。それが、市民参加型の減災情報を共有するためのWebサイト『ちば減災プロジェクト』です。
この機能のひとつに大雨や地震などが起きた際に、市民が身近で起きた災害の状況や困りごとを投稿できる「減災カード」があります。投稿された「減災カード」で市民は被害状況を確認でき、行政は必要な対応をしやすくなります。また、事前に「ちば減災メール」に登録すると、設定したエリアで冠水・浸水などの被害が発生したり、発生が予想されたりするときにメールで知らせてくれます。
地域で「共助」を進めるためには、自治会や自主防災組織の力も必要です。千葉市では『防災ライセンス・スキルアップ講座』として、これらの組織に防災活動の指導や助言を行う人材の養成にも取り組んでいます。
この講座は、「避難所運営ゲーム(HUG)講師養成コース」、「避難所トイレ講師養成コース」、「家具転倒防止対策講師養成コース」で構成されており、災害時の避難所運営で必要なスキル、平常時にできる地震対策などを学べます。自治会や自主防災組織などから要望があった際は、受講者をアドバイザーとして派遣し、地域の防災力向上につなげています。
地域の防災力向上には将来を担う子どもへの防災教育も重要です。そこで、千葉市では『こども防災』として様々な取り組みを行っています。その一つが「こども・若者の力ワークショップ」の一環として行われた、防災に関するワークショップです。この中で「防災カード」作成体験を行い、避難場所や緊急連絡先、マイタイムラインの記入を通じて、防災意識を向上させています。
また、小学生には「こども向け防災副読本」を配布し、学校教育の中で災害発生のメカニズムや災害時の対応などの教育を行っています。

千葉市ではベッドタウン化が進んだこともあり、マンションや団地など共同住宅が数多く存在しています。このような共同住宅では、地震時のエレベーター停止や断水などライフライン途絶により、思わぬ被害が発生する可能性があります。千葉市ではそれぞれの共同住宅の特徴を踏まえ、地域の実情に合わせたマニュアル作りを促すため『集合住宅向け防災マニュアル』を作成しました。
ここには共同住宅ならではの被害の特徴、トイレ使用マニュアルの作り方、電気設備浸水対策、自主防災組織の編成や活動などを具体的に記載しています。
千葉市内でも大規模地震発生時には多くの帰宅困難者発生が予想されます。花見川区内でも「幕張新都心」の玄関口となる「幕張本郷」駅周辺などで帰宅困難者が滞留する可能性があります。千葉市では混乱を抑制するため、「一時滞在施設」を「災害時帰宅支援ステーション」を指定しました。
帰宅困難者が一時的に待機できる「一時滞在施設」は花見川区には「スポーツクラブ&スパ ルネサンス幕張」があります。「災害時帰宅支援ステーション」は災害時に水道水、トイレ、各種の災害情報の提供などを行う施設でコンビニエンスストアやガソリンスタンドなどが指定されています。千葉市内の「一時滞在施設」や「災害時帰宅支援ステーション」は「帰宅困難者への支援施設」で確認できます。
花見川区ではWebサイトを活用しながら、想定される災害リスクを総合的に理解できる対策を進めています。
- 掲載日
- 2025/03/31
本記事は、(株)ココロマチ が情報収集し、作成したものです。記事の内容・情報に関しては、調査時点のもので変更の可能性があります。