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老後の暮らしとお金のコラム人生を豊かにする老後のマネー

2013/11/25
受給する年金の種類と金額は働き方で決まる

 老後の収入の中心的な位置を占める年金は、3階建てでできていると言われます。
1階と2階は国が運営する強制加入の公的年金です。
1階は公的年金の基礎にあたる「国民年金」です。日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人は全員加入します。
2階は、民間企業のサラリーマンや公務員が加入する「厚生年金」と「共済年金」です。
3階は公的年金等として扱われるもので、企業が従業員の福利厚生のために任意に導入する「企業年金」や、国民年金に加入する人が任意で加入する「国民年金基金」などがあります。

受給資格期間は25年

 「公的年金なんかアテにならない。自分で準備するから保険料は納めてないよ」と豪語しているた人でも40歳台半ばになると「65歳から国民年金を受給したいのだけれど、今からでも間に合いますかね...」と相談に駆け込んでくる人が少なくありません。

 公的年金を受給するには、2013年の時点では国民年金や厚生年金に保険料を納付した期間が通算して25年以上必要です。1ヵ月でも不足すると年金は受給できません。無年金者になるだけでなく、それまでに納めた保険料も返してもらえない、まさに踏んだりけったりの状況になります。

年金受給のパターンは4つ

 年金受給のパターンは、1国民年金のみ、2国民年金+厚生年金(共済年金)、3国民年金+厚生年金(共済年金)+企業年金(職域加算)、4国民年金+国民年金基金等の4種類があり、どのパターンになるかは、働き方(=加入した年金の種類)によって決まります。また、年金額は、加入した年金の種類と加入期間、納付した保険料の金額、生年月日によって決まります。

 では4つの受給パターンについて、それぞれ基本を見ていきましょう。なお、共済年金の受給要件や内容は厚生年金にほぼ準じますので、ここでは厚生年金を取り上げます。

国民年金のみ

 自営業者や厚生年金に加入していない企業に勤める給与所得者、学生、無職の人、サラリーマンや公務員に扶養されている妻(夫)(*注1)などがこのパターンです。保険料は年齢や収入に関係なく一律です。したがって、受給する年金額も納付した保険料の種類(全額・軽減・免除)と納付月数で決まります。
ちなみに40年間保険料を全額納付した人が受け取る平成25年度の年金の年額は77万8500円(*注2)です。
(*注1)結婚する前に国民年金以外の年金に加入したことがない妻(夫)
(*注2)平成25年4月~9月の受給月額は78万6500円の1/12。10月以降は年金額が減額され、受給月額は77万8500円の1/12。

国民年金+厚生年金

 厚生年金に加入している企業に勤める民間企業の給与所得者が受給するパターンです。厚生年金の保険料は収入によって決まり、それを従業員と企業が折半して納付します。年金受給額は、納付した保険料と納付期間、生年月日によって決まります。

 「厚生年金保険料しか納めていないのに国民年金を受給できるの?」と疑問に思うかも知れませんが、厚生年金の保険料は、1階の国民年金の保険料も含んでいます。従って、国民年金も受給できるのです。

国民年金+厚生年金+企業年金

 2の年金受給者の中で退職後に企業年金を受給する人のパターンです。企業年金とは、従業員の福利厚生の一環として、例えば厚生年金基金・確定拠出年金・確定給付企業年金・中小企業退職金共済などの制度を活用して、企業が準備する年金です。退職金制度に組み込まれています。従業員が保険料を負担することはありません。

 企業年金は、公的年金を補完し老後の生活を豊かにする力を持っています。年金額と支給期間は、例えば毎月10万円を10年間、毎月5万円を15年間、毎月3万円を終身、のように企業によって異なります。退職金制度として企業の福利厚生ガイドなどに記載されていますので、早めに確認するといいでしょう。

国民年金+国民年金基金等

 1階の国民年金に加入している人が、厚生年金や企業年金に相当するものとして国民年金基金や付加年金、小規模企業共済、確定拠出年金の個人型年金などに任意で加入した場合の受給パターンです。
例えば、付加年金は毎月400円を国民年金保険料と一緒に納付します。そうすると、国民年金の年金額に「200円×納付期間」が上乗せされて給付されます。付加年金の納付期間が40年間の場合、年間「200円×40年×12ヵ月=9万6000円」が上乗せされます。

 12の年金受給額は、日本年金機構から毎年お誕生月に送付される「ねんきん定期便」で確認できます。

番外編:遺族年金

 公的年金には年金加入者や年金受給権者が生存中に受け取る年金と死亡後に遺族が受け取る年金があります。後者が遺族年金で、遺族であれば誰でも、というわけではなく、一定の要件を満たしている遺族だけが受給できます。受給要件は国民年金と厚生年金では異なります。

年金受給資格期間が10年に短縮予定

 年金を受給するには、保険料納付期間が通算して25年以上必要ですが、この要件を満たすことができず、無年金者になる人が多くいます。これではいけない、ということで2012年8月に受給資格期間を10年に短縮する「年金機能強化法」が成立しました。2015年10月の消費税引き上げにあわせて実施される予定です。

 少子高齢化が急速に進む日本。2013年8月「人口動態調査」(総務省)によると、15歳から64歳の生産年齢人口は8000万人を割り込み、全体の62.47%にまで縮小しました。年金保険料を納付する人が減少するのに反比例して年金受給者は団塊の世代が加わり急増しており、このままでは公的年金制度の維持は難しい、と誰もが危惧しています。

 その対策として、年金給付額の減額や支給開始年齢の引き上げなど、様々な制度改正案が提案されています。老後資金の中心的な役割を担っている年金は、小さな制度改正でも影響が大きいものです。改正の動きから目を離さないようにしましょう。

執筆者:大沼恵美子

専業主婦の身から外貨預金に興味を持ったことを機会にファイナンシャル・プランナーの勉強を始め、2000年にCFP (FPの上級資格)の試験に合格。2002年に独立開業し、個人向けにリタイアメントプラン、年金、貯蓄、賃貸経営などの相談業務を行う。また各種セミナーの講師も担当。1級ファイナンシャルプランニング技能士、福祉住環境コーディネーター2級、年金アドバイザーなどの資格を持つ。
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